ブラッセルの小便小僧 小さいけど歴史は長い そして小便少女!
ブラッセルの大広場・グランプラスから南西に200m、
街角に 「小便小僧 Manneken-Pis」 の像がある。
01. ’世界の三大がっかり’ の一つ、
像は小さいが、人だかりがあるのですぐにわかる。
小さいとはいえ 小僧の歴史はかなり古く、
Petit Julian と呼ばれた初代の像に関する
記述は 1452年頃の文献に見つかる。
子供とは言え 我々の 大・大先輩だ。
02. この日 彼は裸ん坊だったが、 実は
800着以上の着替えを持っている。 スーツや
軍服、 帽子 ネクタイ 髭や眼鏡、、 時には
サンタになったり ミッキーになったり。
日本からも 兜や鎧が贈られている。
柵の掲示板に 今月のお着換え情報が載っていた。
03. マヌケン・ピス はフラマン語で 小便をする小人
と言う意味。 この辺りは昔 なめし革屋が多く住む地区で、
おしっこに含まれるアンモニアが 革をしなやかにするので
子供に小便をかけさせた というまさか!の説や
04. 昔 戦で敵方が敗走と見せかけ街を出たものの
実は地中に爆薬を仕掛けていた。 導火線を走る火種を
少年がおしっこで消し止め 街を破滅から救った。
彼は英雄となり、 やがて銅像となった !
小便小僧には この他 いろいろな説がある ・・
因みに 小僧のおしっこの水が飲める時代もあり、
水汲みに来る者もいたようだ。
( 観光客が次から次 やって来ては写真を撮る )
05. 小便小僧は 17Cに仏軍の爆弾で壊されたり
何度か盗難にもあった。 1745年に英国兵に、
1747年には仏国の近衛歩兵に 像は盗まれた。
1965年とある寒い冬の夜中には アントワープの
学生が いたずらで像の足首から下を残し担ぎ出した。
身体全体が発見されたのは やっと一年後だった。
最近はカメラやセンサーなどセキュリティは万全だろう!
06. 2019年6月のお着換え、 寄贈者は
フィリピン スロヴェニア ケベック ルクセンブルク
セゴヴィアなど世界中から。 もちろん
地元のハードロック・カフェのオーナーからも ・・
赤い服の小僧像は 同年8月のとある日の様子。
07. さて、ベルギーと言えばチョコレート、
08. 実際の像は 造り替えられる度に小さくなり
今は 55.5cmしかないのだが 恐らく
このチョコレート像は 本物より大きいだろう。
ところで 小便小僧の公認コピー像は 世界に7体、
うち 大阪(1928年)、名古屋(2015年)
に2体あるそうだ。
09. 王室御用達ベルギーチョコ Neuhaus 。
薬局を営んでいた 創業者 ジャン・ノイハウスは
薬が美味しく飲めるよう 薬をチョコでコーティング、
それが ショコラトリーの出発点となった。
( 私のお土産は 運びやすいよう箱入りチョコ )
10. さてこちらは 「小便少女 Janneke-Pis」
1987年製の新しい像で 名前からして小僧の
類似作品であることは間違いない。
しかし女の子となると 坊やほど大らかに見られない。
子供だと思えば どういうことはないのだが お股を
触る人が多くて 近年檻で塞がれてしまったようだ。
11. ブラッセルは もともと炭鉱労働者の街、
移民も多く、近年はブラッセル発の多くのテロを生んだ。
一方で かつてはハプスブルク家の都であり
アールヌーボー ・ アールデコ芸術を 育んだ街。
そして最近はジェンダーレス運動を国が認めていて
同性愛者には種々の権利があり 住みよい街である。
街には虹色の旗が掲げられ EC本部前の横断歩道も
7色に染められている。
12. 実は小便少女像は ホモやゲイが集まる
地区の袋小路に設置されている。 その地域で
いくつかのレストランを経営するオーナーが
客寄せ話題作りを兼ねて 男女平等を表現したいと
設置したそうだ。
夜のグランプラスには 灯りが煌々と輝き
昼の顔とはまた異なる不夜城となる。
13.ブラッセル空港での 待合時間を利用して
ブラッセル市内に繰り出した訳だが
ゲートインまでに 無事帰港、
落ち着いて 成田行き便に乗ることが出来た。
小便小僧君、 人魚姫やマーライオンと共に
世界三大がっかりに入れられてしまっているが 、
どうして どうして なかなか奥の深い
歴史と様々な面白い物語に満ちておりました ・・
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