ドイツ ドレスデン・マイセン

2019年11月 8日 (金)

人造湖に浮かぶモーリッツブルク城 遊びの為にこんな立派なお城を!

01.  「 モーリッツブルク城 Schloss Moritzburg 」 は

ドレスデンの西15kmにある。 



1546年 ザクセン公モーリッツにより狩猟の館として建てられ

1733年 アウグストゥス強王によって狩猟館離宮として改築された。

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02.   1730年 改築の前に 城の周囲を掘り下げて

人工の湖を作るという大工事が行われ、 城は湖の水面に浮かぶ 

現実離れした優雅な佇まいを見せることになった。


四方に同じ形の丸屋根の塔が建ち  

南北と東西の景観は それぞれほぼ相似形となっている。

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03.        入城門

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04.   馬車に乗って 湖の周囲を巡ったり  1.4km先の

レトロな蒸気機関車の鉄道駅へ往復するのも一案だ。 
 

入城門手前には 立派なマイルストーンが立っていた。

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05.   唯一 相似形を破るのが西側にあるチャペル。

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06.      狩猟用の館だけあって 

テラスの各所に 狩人と猟犬の像が立っている。

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07.   ラッパ兵と猟犬の像・1660年は 特に印象深かった。

兵隊の足元、 忠実に しなやかに付き従う犬が愛らしい。 

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08.    像の持ち物や帽子・服装が それぞれ違う。

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09.    城内は 現在は博物館となっている。 特に

食堂の壁を飾る 一頭づつ形が違う 65の赤鹿の角は壮観だ。 


当時大勢の客人を招いたという食堂、

テーブルセッティングは 18Cのマイセン磁器。

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10.   周囲の森には 多種多様な狩猟の獲物がいたはずだが

今では 草をついばむ鴨の群れにとってパラダイス !

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11.  ドレスデンから足を伸ばすに人気のモーリッツブルク城、


人造湖も含め 当時の王様 よくもまあこんな立派な遊び場を作る

権力・財力があったものだ、と感心させられた !

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*    *    *

 

 

12.    さて モーリッツブルク城からの帰り道、 たまたま

入れ墨のパパとママを見かけた。 入れ墨があっても優しい

パパとママ、  そして 幸せそうな赤ちゃん。

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13.   今回の 日本でのワールドカップラグビーでも

あまたの入れ墨ラガーマンが来日した。



入れ墨の良し悪し 好き嫌いは別として、 

押し寄せる世界の文化の波を 

日本文化がどう受け止めるのか 見ものではある ・・・

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ドレスデン・マイセン編は これで終わりです 

 


*    *    *    *    

 

 

 

2019年11月 1日 (金)

ツヴィンガー宮殿とアルテマイスター絵画館 あの有名な天使がいた!


ドレスデンにある 「 ツヴィンガー宮殿 1719年 」、 

もともとは レジデンツ城と濠の間にあった広い空き地だった。
 

そこが 庭園や果樹園、騎馬試合場となり やがて楕円形の庭を

囲むような形で 見事なドイツバロック様式の宮殿が作られた。

 



 


01.   ほぼ長方形の建物を縦割りしたような風景。

あと半分が左側にもあるので ツヴィンガー宮殿は結構広い。



一見フランス風の 宮殿・幾何学模様の4つの噴水池と庭園だが、 
 

実際 17C後半 建築家ペッペルマンとアウグストゥス強王自身が 

パリ・ローマ・フィレンツェ等を旅行、 見聞して得た知識や

感動を基に設計された宮殿なのだ。

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( 矢印のパビリオンには 

マイセン磁器製の鐘40個で構成されたカリヨンがある )

 



 


02.  マイセン焼きのカリヨン(上)と ニンフの浴場上部(左下)


黒い王冠と双頭のワシを頂く 「 クローネン門(右下) 」 は

アウグストゥス強王がポーランド王となった記念に建てられたもの。

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03.      「 ウォールパビリオン 」


アウグスト強王が構想をスケッチしたという 華やかで

魅力的なこの建物は ツヴィンガー宮殿の象徴的存在だ。

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04.    宮殿の西側は濠に面している。 


黒い王冠のクローネン門の足元に 橋が架けられている。  

敵の来襲など有事に備え 

簡単に落とすことが出来るよう 木製の橋となっている。 

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05.   四辺形の宮殿の東側の棟、王冠の門の向かい側の

建物が 「 アルテ・マイスター絵画館 」 となっている。



1945年2月のドレスデン爆撃で 宮殿は深刻な被害を受けたが、 

王たちが蒐集した作品群は 秘密の洞窟に移管されほぼ無傷だった。

 


しかし作品は 絵画を捜索・発見したソ連軍によって モスクワや

キエフに持ち去られ、 東独に返還されたのは10年後のことだった。


爆撃後5日間のストーリーが 「 ドレスデンの五日間 」

という1961年の映画に 描かれているそうだ。

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                               (  絵画館入り口  )



 


06.     世界で最も有名な ラファエロの天使たち 

この絵画館にいました !

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07.    1754年に ラファエロの 「 システィーナの聖母 」

が加えられ この絵画館コレクションの価値がぐっと増したと言う。

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08.   世界に数少ないフェルメールの絵もある。 


「 窓辺で手紙を読む女 」、  売春宿を描いた 「 取り持ち女 」

の方は フェルメールにしては珍しい風俗画だ。

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09.  ジャンエティエンヌ・リオタール 「 チョコレートガール 」

世界で最も有名なパステル画の一つ。



現代では 写真みたいな写実画は 決して珍しくはないが、

1745年当時 白磁やコップを本物のような質感で、しかも

パステルという エッジの立たない画材で描いたことは 

大変な技術だった ! メイドの清潔感もよく表現されている。

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10.    レンブラント 「 ガニメデの誘拐」 1635年 


両腕を食いちぎられ オシッコを垂らして苦痛に顔をゆがめる子、

連れ去るのは ゼウスの化身・巨大な爬虫類を身に宿らせた大鷲。


詳しいストーリーが知りたくなる 不思議な絵だ ・・

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11.    ジョルジョーネ 「 眠れるビーナス 」 をはじめ

ルーベンス ティツィアーノ プッサン ホルバイン 等

歴史的名画の枚挙にいとまがない。

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12.   名画の森から抜け出て 外気を吸って ホッと一息

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13.   夕方 オペラ座の前を通りかかると 

ソワレー(夜の部) の演目を待つ 大勢の人々がいた。 

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西洋音楽の鑑賞には 出演者 劇場という要素に加えて

観客も 意外と重要なファクターだ。



高価でなくとも それらしく胸を大きく開けたドレスのご婦人

普段着に 洒落たジャケットだけ羽織った年配の紳士 、、、

フランス語や英語 そしてドイツ語が飛び交う客席 、、

 


出演者・劇場・観客 三位一体が整った音楽観賞は一味違う。



 

私も このまま オペラ座に紛れ込みたいものと思ったけど ・・

 




 


*    *    *    *    *    *    *

 

 

 

 

2019年10月25日 (金)

レジデンツ城の豪華なコレクション、やっぱりドイツ人ってすごい!

ドレスデンにあるレジデンツ城には アウグストゥス強王らが

集めた 4000点余の豪華絢爛なコレクションがある。

 

 

 


01. 真っ暗な部屋の 奥の壁に嵌め込まれた防弾ガラスケース、

411個の装飾ダイヤモンドに囲まれて 世界最大41カラット

( 8.2g インド産 ) のグリーンダイヤモンドが鎮座していた。


王様の帽子飾りに使ったというが きっと重かったことだろう。



2000年には 米国のHarry Winston社の手によって

スミソニアン博物館で展示されており 門外不出ではなさそうだ。

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02.  マイセン磁器が普及する前 宮廷で使ったのは

金彩エナメル装飾された 豪華極まりない カップアンドソーサー

シュガーポット プレートなどだ。

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03.  繊細な装飾模様が施された ガラスの水差しやゴブレット。

金・エメラルド・ルビー・トルコ石などの細工が超絶技巧だ。

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04.  18C初頭 ザクセン公は自らの権勢財力を誇示するため

こうした品々を集めたのは確かだが、同時に アルプス以北の国々の

誰しもが夢見た 華やかなイタリアの芸術への憧憬もあった。



そこで彼は 各地から才能ある彫刻家 金細工師 絵師を呼び寄せ

切磋琢磨させたのだ。   錬金術師を幽閉して マイセン磁器を

作りだしたアウグスト強王らしい 芸術志向の国策と言える。

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05.   巨大なオウム貝やオストリッチの卵に 金銀の装飾が

施されたゴブレット。 貝や卵は大きいほど希少で貴重だったという。

(  右はビーナスの沐浴をテーマとしている。 )


シルエットも優雅、 ほのかに透けた光が何とも言えず美しい。

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06.    イタリアに伍する芸術を目指しつつ やがて

それに勝るとも劣らない芸術作品がドイツ人の手で生み出された。



もともと 几帳面なドイツ人の能力が高かったこともあろうが 

中世時代から続いて来た ありとあらゆる分野の職人徒弟組織、

” マイスター制度 ” の効果が  長い歴史の中で結実した

一例だろうと 私は想像した ・・

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07.      「 ムガール帝国の宮廷ジオラマ 」


場所は 当時底なしの財力を誇ったムガール帝国の首都デリー、

ラージャと呼ばれる 6代目皇帝 Aureng-Zebの 

1700年頃の 誕生祝いにまつわる宮廷生活を模型にしたもの。 

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08.   華やかな宮廷生活とそれにまつわる人々が登場する。


金ぴかの玉座に座る皇帝の下に居並ぶ家臣  美しい姫君達

象を連れて貢物を献上する人々  日除け付きの輿に乗る客人  

皿一杯の金貨を量る人々   ご馳走を用意する人 

黒板で何かを説明する役人、、、 


いつまでも 見飽きることのないジオラマだ !



全体では 16個のパール 160個のルビー 

164個のエメラルド サファイヤ1個 カメオ2個

4909個のダイヤモンドが使われている。

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09.    動きを感じるデザインの 美しい貝の象嵌 

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10.   装飾品ばかりでなく 別の階には馬具武具の展示

宮廷の衣装の展示もあった。 男性・女性・子供の衣装は


どれも立派ではあったが 当時の不便さが偲ばれた。

この立派なマント どれ程重たいことだろう ・・

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11.   さて、これがレジデンツ宮殿の外観 ( 上の右側 ) ↘

中庭の景観など。  この宮殿も1945年の空爆で破壊され 

1985年から再建が始まった。 積み石の色が違う部分がある。

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12.   話は変わるが、 レジデンツ宮殿から南に数百メートル

下がると 聖十字架教会があり、 向かいにこんな像が建っていた。

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13.   この教会付属の ’聖十字架少年合唱団 ’ は

500年以上の歴史を持ち 合唱団の子供から多くの有名な

音楽家が輩出された。 彼らを指導した18世紀のドイツの作曲家

ユリウスオットーへ 敬意を表した像と思われる。

 


青い服の少年は 明らかに後代に作られたもので 

一体 彼が何者なのか 謎のまま!

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結局 レジデンツのコレクションは 滞在中 2度訪れて

計3~4時間を費やしてしまったが  


意外にも!? 

ドイツ人の凄さを思い知らされた結果となりました。

 


 


*    *    *    *    *    *    *

2019年10月18日 (金)

ドレスデンは世界遺産を返上した! 貴族の権威を下支えしたのは馬!

 ドイツ東部にある街 「 ドレスデン 」 はエルベ川を挟んで

旧市街と新市街 (ノイシュタット) に分かれている。



 

 

01.   エルベ川に架かる 「 アウグストゥス橋 」 の左手の

旧市街には 大聖堂や宮殿・居城などが狭い地域にひしめいている。



写真左上の赤茶の屋根が 歴代のザクセン公の居城だった

「 レジデンツ城 」、その外壁に有名な君主の行進が描かれている。


橋に近いのが 三位一体大聖堂の塔 (86m) 

その左手が レジデンツ城の塔 (100m)

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02.   写真右上に カローラ橋 アルベルト橋が見える。


かつてドレスデンは18kmにわたる川の流域の景観も含めて

世界文化遺産指定を受けたが、  中心から東に3km付近に 

新しいヴァルトシュレスヒェン橋が建設されたことで 

2008年 世界遺産指定が抹消された。

 


世界遺産の価値を守るか 市民の生活の利便・向上を目指すか、

橋の基礎部の工事を進めるか 中断して原状回復するか、 

国民投票で建設が採択されたのに 再投票の機運が起きたり、


すったもんだを繰り返えした挙句の 結論だった。

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03.     川の景観は手前の聖母教会の塔から撮ったもの。

居並ぶ塔は まるで君主の行進の様でもある。

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04.   さて、中心部のアウグストゥス橋は工事中だったが 

岸辺に遊覧船が停泊し  川面には筏も出ていた。


ブロイハウスマイセンという 15世紀からの歴史を持つ

ビールメーカーの筏、 櫓を漕いで一汗かいてビールを飲もう! 

という ” 筏フェスタ ” だろうかと想像した。

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05.   さて 工事中のアウグストゥス橋を渡ってみた。

ヨーロッパのことだから 工事はのんびりと数年は続くだろう。


それでも 古い町のスカイラインパノラマは 値千金だった !

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06.   橋を渡り切ると ノイシュタット側の入り口に

アウグストゥス強王の金ぴかの騎馬像があった。  ドレスデンを

これ程の城下町にしたのは 何といっても彼の功績だ。 

が、同時に   歩兵と比べて 王様が偉そうに見えるのは

かなり 馬のお陰もあるのでは、と思えてくる。

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07.   騎馬像から北に伸びる ハウプトシュトラッセの雰囲気が

あまりにも素敵で、 ぶらぶらと往復してしまった。  

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08.  旧市街に城などが築かれる前は もともと新市街側が

街の中心だったらしい。  緑地を挟んで大きな樹木が並び、


1階はお洒落なお店  その上はマンション、   こんな

ハウプトシュトラッセの高級住宅に住んでみたいものだ !

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( 凸レンズガラス窓に木影が映る、、 レトロなトラック )

 

 

 

 


09.     ドレスデンにも アンと雪の女王が いました ・・ 

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10.     さて再び旧市街にもどって、、 


ここはレジデンツ城内の厩舎 「 シュタルホーフ 」、 

真白の美しいアーチの歩廊広場を かつて宮廷の馬々が闊歩した。

 
壁の反対側には 代々の君主の馬上行進が描かれている。

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11.      猫好き 犬好きなどと言うが、

ドレスデンは間違いなく  ” 馬好き ” だ。



レジデンツ城内には アウグストゥス強王と息子の 豪華絢爛、

珍らしいコレクションの数々が展示されているが、 とりわけ

武器室での 馬具 ・ 武具のコーナーは 華やかだった。

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12.    中世フランスの貴族のスポーツ ’ トゥルノワ ’ 、

馬上で甲冑を着て 槍や剣を手にして 差し違える一騎打ちは

最も危険かつ最も高貴なスポーツとして 人々を熱狂させた。


そんな フランス宮廷文化はドレスデンにも及んでいた。

 


人馬共に 何とも華やかな装具に身を包んでいる !

特に  豪華かつ不自由な衣装を 着せられた馬たちの

忍耐力 賢さ けなげさに 憐憫と尊敬がわいてきた。

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13.     通りでは 結婚式帰りの家族が歩いていた。

現代は 正装といっても身軽で助かります !

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因みに トゥルノワは余りに危険で 多くの悲劇を生んだ為

危険緩和策や数々のルールが設けられたが、  1559年

フランスのアンリ2世が 折れた槍の破片が目に突き刺さり

短い生涯を終えてからは このスポーツの人気は凋落したという。

 

 

 

 


*    *    *    *    *    *    *

 

 

 

 

2019年10月11日 (金)

ドレスデン爆撃から復興した街・マイセンタイルに描かれた君主の行進


「 ドレスデン Dresden 」 はドイツの東端、チェコまで30km

に位置する エルベ川沿いに開けたかつての宮廷都市。
 

”エルベ川のフィレンツェ ” とも讃えられたが、第二次世界大戦の

空襲で深刻な被害を受け、ようやく今世紀に入って復興した街だ。





 

01.    ドレスデンの第一印象は ” 黒い! ”  

初日は曇天だったこともあり 街は陰鬱な表情を呈していた。



この地域の砂岩に含まれる鉄分の酸化により 石材の表面に

ポツポツと現れるシミが やがて側壁一面に広がっていく。
 

爆撃による黒煙・煤でこうなった、と解説する人もいるが 

一時の空爆で街中の建物がまんべんなく黒くなるはずもない。

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02.    翌日は晴天、同じ場所を反対側から眺めた風景。

太陽の光の下 塔は また違った黒味で輝いていた。



かつてロンドン・パリの街並みも同じ様に真っ黒だったが 

それは 産業革命以後 街中を覆った石炭の煤等が原因だ。 
   

例えばパリは ドゴールの掛け声で 一斉に町が洗浄され 

今日の様な白いパリが再現した。  ドレスデンと異なり 

石の内部からの腐食でなかったのが幸いした。

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03.   さてドレスデンの旧市内中心部は 第二次世界大戦で

激しい爆撃を受けほぼ壊滅した。  しばらくは茫然自失の状態で、

市民たちが再建に立ち上がったのは ようやく1990年頃、

一応の完成をみたのは2005年だった。

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04.    「 聖母教会 Frauenkirche 」


建物全体がほぼ崩れ落ちたが その丸いドーム屋根の残骸片が

今でも 記念碑的にそのまま広場に置かれている。



聖母教会の再建には世界中から182億円もの寄付が集まったが

爆撃した連合軍 特に米英などから多額の寄付があったという。

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05.   崩れ落ちた瓦礫8500個から 使える石材3800個

を拾い出し、コンピューターを駆使しオリジナルピースを可能な限り

正しい位置に嵌め込んだ作業は ”ヨーロッパ最大のジグソーパズル ”

と評された。   我が国の熊本城の復元の難事業も思いだされる。

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( 石材が黒い北側の遺構が 崩壊を免れた一番面積の広い部分だ。

ドーム瓦礫片の内側は 酸化していないのが分かる。 )

 



 


06.   一方 アウグストゥス通りに面した レジデンツ城

外側の歩廊の外壁部分に描かれた有名な壁画 「 君主の行進 」 

は 奇跡的に戦火を免れ 当初の面影をそのまま留めている。 

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07.    2万4千枚以上のマイセン磁器タイルを用いた 

全長約100mの壁画には 1123年から1904年までの 

歴代35人のザクセン君主たちが 家臣と共に描かれている。



タイルはもともと1200度で焼かれるものだから 物理的に

破壊されないかぎり 戦火には強いはずだ。

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08.  行進半ばに 豪華なマントをひるがえすザクセン選帝侯

アウグスト強王 (18C中期) が描かれている。 
 

ライオンのミルクで育ったという彼は 大変な怪力で、 

数々の愛人との間に 360人も子を設けたという。



しかし強いばかりではない。   芸術をこよなく愛し、 

東洋の白磁に憧れ 錬金術師を幽閉してまで 

マイセン磁器を生み出させたのが  実は彼だったのだ !     


己が生涯を賭して求めた白磁、そのタイルに自身が描かれ 

こうして 誇らしく永遠の行進を続ける彼の境地や如何に・・ 

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09.      時代が進むに連れ 

馬具や軍旗 軍服や武器が 徐々に変化して行く。

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10.   それぞれのスタイルで 「行進」 を見物する人々。

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11.       「行進」 を抜けた広場の一角で。

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12.   04.の聖母教会の南側はほぼ新しい石材で再建され、

白く美しく輝いていた。 到着初日と印象が全く異なって来た・・



広場でミュージックフェスティバルが開かれていた。

マルチン・ルター像も 賑やかな音楽に耳を傾けている !?

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13.   私が旅行を計画する際、 ドレスデンは結局最近

作り直しされた新しい街だから 大したことないのでは、

などと言う意見も実はあったのだが、


新旧・白黒の石材を組み合わせたあの ”ジグソーパズル” を
 
目の当たりにして、  人間の業は凄い! っと思った。

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それに ドレスデンの いにしえからの諸々の宮廷文化、

エルベ川を挟んだ旧市街とノイシュタットの美しき絶景、


やっぱり 訪ねるべき街でありました ・・

 



 

*    *    *    *    *    *    *

 

 

 

2019年9月27日 (金)

「マイセン磁器」私の趣味ではなかったが、気高さに敬意を表します

旧東ドイツ ドレスデンの北東15kmに位置するマイセンの

「 国立マイセン磁器製作所 」 を訪ねた。



 

 

01.   まずは 制作の実演エリアに入った。


磁器は陶器と違って ゆがみも個性のうちなどと言えないから

大部分は工場で厳密な規格を持って作られるはずだ。


ろくろによる手び練りでは きっと特別な作品が出来るだろう。

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02.   こちらでは 花びらや人形の手足など 

小さく繊細なパーツを作っている。

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03.    型押ししたり、 一片の粘土から指先で器用に

小花を生み出しては並べる作業を 見せてくれた。

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04.  次は染付だ。「 ブルーオニオン 」と呼ばれる図柄。

中国模様のザクロを 玉ねぎと勘違いしたと言われる。

 


280年もの歴史がある伝統的デザインで、それぞれの模様が

豊穣 長寿 男性(陽)女性(陰)健康 高潔などの意味を持つ。

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05.    花はマイセン磁器にとって重要な図柄だ。 

全部で36種の花がリスト入りしており、 組み合わせによって 

一つ花 二つ花 ・・・五つ花といったブーケが作られる。



写真では 一つ花スタイルのポピーが描かれる順番を見せている。

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06.    オレンジと緑の粉末小瓶が転がっている。 溶剤で

それを練りながら絵付けする。  右上は四つ花 左下は五つ花。

 


プラントハンターが活躍したのが主に18C, それより以前に

チューリップやバラ ポピー 朝顔 アネモネ パンジー 矢車草

スミレ 勿忘草 すいせん マーガレット スイートピー あやめ

など、 36種の古典的花々が 既に生活に根付いていたと思うと

花の歴史の深さにも敬意を払わずにいられない。

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*   *   *   *   *   *

 

 


07.    2階は博物館となっている。  マイセン白磁は

どっちみち王侯貴族のものだから、テーブルウエアばかりでなく

花瓶・時計・人形などの装飾品分野も 大いに発展した訳だ。

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08.   中国 日本 インドなどからは図柄を導入し、

アラビアンナイト 妖精王オベロン シェクスピア劇などからは

魅力的な立体造形を作り上げた。 

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09.    アールヌーボースタイル、 キリスト教聖人、

ワトーの貴族趣味の絵画からも インスピレーションを得ている。

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*   *   *   *   *   *

 

 


10.    さて 最後は売店コーナーへ。

  
36種のいわゆる古典的マイセン図柄の花々は ぺインターが

勝手に描き変えることもなく、300年間定型で守り通されて来た。


例えばバラと言ったら これ、だ。      因みに、

 


マイセンと言えど 大量生産出来なければ世界に向けて輸出は

できない。 そこで相当早い段階から マイセンは転写シール

によるプリント絵付け アクアチンタ aquatinta を開発した。

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11.   しかしアクアチンタと言えど 相当なお値段だ。


一つ花のポピーが 税込749eur、 中段 二つ花が646eur

三つ花が749eur、  下段 金ぴかコーヒーセットが799eur。

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12.  話は脱線するが ポーセリン・白磁の絵付けスタイル

には 大雑把に分類して ヨーロピアンとアメリカンがある。


ヨーロピアンが 古典的で静的な図柄なのに対して

アメリカンは 絵画的でダイナミックな図柄 の場合が多い。

技法・溶剤・筆も ヨーロピアンとは大きく異なる。

 


今回マイセンで ”自然主義 ” という 少しアメリカンに

近いデザインの陶板画が飾られていたので 私は驚いた。 

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13.     古典的バラとは明らかに違う 

” 自然主義ローズ柄カップ&ソーサー(左上) ” も

売られていた。  輸入品を日本で買うと10万円以上になる。  

 


私の手持ちのイギリス製大衆向けカップ (他の3点)

ぐらい安ければ 買わせていただきたいのですが・・!

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正直言って マイセン磁器は 

私の感覚にはピンと来ない部分もあったが



マイセンの歴史の長さ、 気高い気品だけは 

しっかり感じ取らせていただきました ~

 

 




*    *    *    *    *    *    *

 

2019年9月20日 (金)

「マイセン」 錬金術師を幽閉して作り上げた白磁・双剣マークの変遷

白く上品な磁器で世界的に有名な 「 マイセン Meissen 」 は 

ドイツ東部 ドレスデンの北西15kmにある街だ。




 

01.    マイセンはエルベ川沿いにあり、 船による材料・製品の

運搬が容易な上、 白い磁器の原料・カオリンが採れるザイリッツ鉱山

が近郊にあることで、        今日まで300年 

磁器産業のブランド価値を失うことなく 繁栄し続けてきた。

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02.    チェコの山岳に発し ドイツ東部を流れて北海へ注ぐ

エルベ川は 全長1091km、 大きな国際河川だ。


ドナウ河等と同様、増水による氾濫・堤防決壊を繰り返したが 

直近 2013年の氾濫では  ベルリンと他の都市を結ぶ

殆どの高速鉄道網が遮断され 大きな被害が出たらしい。  
  

木造ではこうは行かないが、  石造りの建物の壁に

最も古いものとして 1734年の洪水の水位が記されていた。

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03.       「 アルブレヒト城 Albrechtsburg 」


中国の景徳鎮や日本の伊万里など東洋磁器の屈指の蒐集家だった

ザクセン選帝侯アウグスト強王は 白磁に憧れ、 錬金術師ヨハン・

フリードリッヒ・ベトガーを監禁して 磁器製造の秘法を研究させた。



ベトガーは苦心惨憺の末 ようやく1709年 白磁製法を解明、

1710年 ついにヨーロッパ初の硬質磁器窯 「マイセン」 が誕生、

ドレスデンに 「 王立ザクセン磁器工場 」 が設立された。



同年 工場はここアルブレヒト城内に移され 製造が開始されたが

その製法が漏れないよう 厳重に機密保持がなされたと言う。

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04.    死力を尽くして開発に成功したベドガーは  やっと

幽閉を解かれるかと思いきや、 次は染付の複製を命じられる。

しかし 彼の命は尽き果て 37歳の若さでこの世を去った。



彼の数奇な幽閉物語は 後世に語り継がれているが、 

銅像やプレートにも  彼の苦難を偲ぶいたわりと

未知なるものへの挑戦を讃える言葉が添えられている。

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             ( 白磁の原料となるカオリン石、 アルブレヒト城南側は修復中 )

 



 


05.     「 国立マイセン磁器製作所 Meissen Porcelain Factory 」


館内には マイセン磁器の博物館と   制作過程を見せる見学用工房、

実際に製品が買える販売コーナー   マイセン食器によるカフェ等がある。

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06.     博物館の外壁に ’ マイセンマーク ’ の

初期から今日までの変遷がディスプレイされていた。  



双剣をX型に組み合わせた形は 時代ごとに微妙に異なり 

ペインターのサインが添えられる場合もある。

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07.     日本の書道ではないが、  マイセンマークの筆順 ・

払いと止め を想像すると楽しい。  剣のツバ部分の払いも 

上から下から色々だ。     磁器の染付けは筆で行うから

当然 書道のような 書き順 ・ 筆さばきがあって 然るべきだろう。

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08.         さて、館内を探索する前に 腹ごしらえをしておこう。

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09.       レストランの入口は狭そうだが   看板には  

中に自転車を止めるスペースや ビアガーデンがあると書いてある。 

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10.     メニューは ドイツだからあまり深く考えることはない。

野菜スープ ザワークラウト ソーセージ ジャガイモ そしてビール

いつもの料理で充分美味しい ! 

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11.     食後 再び通りに出ようとしたら 二つの眼と目が合った。

ポツダム会談が行われたツェツィーリエンホーフ宮殿でも 

屋根に設えられた2つの眼が じっとこちらを見下ろしていた。

 


詳しい建築様式はわからないが、 壁に耳あり障子に目あり、

監視社会だった東ドイツでは ” 屋根に目あり ” かも知れない。

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12.     ところで 「 聖母教会 Frauenkirche 」 のカリヨン

( 組み鐘 ) は マイセンの磁器の鐘で出来ている。

写真下は マルクト広場。  

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     ( 時間の都合で訪ねられなかった。  いずれもウイキペディアから )

 



 

13.     いよいよ 国立マイセン磁器博物館に入ってみる。

真っ白いドレスを着た大きな女性像が迎えてくれた。 



大きい焼き物ほど 焼成時に壊れやすいと言うし 

ドレスを飾る小花も 何万粒にもなるだろう。  

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磁器を買って帰るつもりは 端からなかったが 

何年も頭で想像していた ’ あのマイセン ’ に

本当にやって来たと、 我ながら 驚きつつ入場した ・・ 

 

 

 

 


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