「バターリャとアルコバサ修道院」 復活後互いが見えるよう配置された棺!
ポルトガル中部に 有名な二つの修道院がある。
「 バターリャ修道院 」 と 「 アルコバサ修道院 」、 それぞれで
深き愛の形を示す 棺の物語がありました。
01. 「 バターリャ修道院 Monesterio de Batalha 1388~1515年」
王位を狙って攻めて来た 現スペインのカスティーリャ軍を打ち破り
ポルトガルの独立を守ったジョアン一世が
聖母マリアに感謝を捧げるため 建立したのが この修道院。
02. 「 ジョアン一世の回廊 」 レース模様の美しい透かし彫り。
修道院にしては珍しく 衛兵がいた。
03. ここには無名戦士の霊が祀られており、
カッコいい衛兵が直立で守護していた。
内部の博物館では 第一次世界大戦とアフリカの植民地争いで命を落とした
無名戦士の遺品や武器 捧げものなどが展示されている。
04. さて、 これが ジョアン一世と王妃フィリバ・デ・ランカスターの棺。
下々の目線が届かぬ背の高い墓だが、 2人の像が並んで寝ているのは分かる。
戦いや歴史に翻弄されたとか 何人も側室がいたとか
王と王妃が同じ墓に入るとは限らないのが世の常なのに 仲睦まじいことだ !
05. ジョアン一世は 夫婦仲もよく 9人の子沢山だったが
子たちはいずれも優秀で それぞれポルトガルの発展に寄与した。
下は エンリケ航海王子(天蓋付き)を 含めた4人の王子の墓。
06. 修道院の全景。 この建物の裏側に回ると、
07. 「 未完の礼拝堂 Capelas Imperfeitas 」 がある。
ジョアン一世から王位を引き継いだ 第3子ドゥアルテ一世により建設が
始まったが 100年程で工事は中断、 未だに未完だ。
色々理由はあった様だが、 日本の建物なら 何はともあれ屋根だけは
架けないと雨ざらし、、、 さすが石の文化だ !
08. こちらの貴人たちも 二人一緒で 仲睦まじいこと。
09. 次は 初代ポルトガル王が キリスト教国地位固めのため建設した
「 アルコバサ修道院 Monesterio deAlcobaca 1153~1222年 」
18Cの改装も加わり 白鳥が両翼を広げたような 優雅で美しい佇まいだ。
10. ここには 有名な悲恋物語の主人公 ペドロ一世とイネス妃の棺がある。
カスティーリャ王国から輿入れした正妻に随行した侍女・絶世の美女イネス
と恋に落ちた王子ペドロ、 3人の子まで設けるが イネスは結局暗殺される。
ペドロは国王に即位した後 イネスの遺体を正式な王妃として迎え入れ
手厚く葬る。 その二人が眠るのがここアルコバサ修道院なのだ。
11. イネスの死後10年 再婚することなく亡くなった国王 「ペドロの棺 」
足元は 国王らしく6頭の獅子によって守られている。
12. 「 イネスの棺 」 愛らしい天使に守られたイネスは
石像ながらも 優雅な美しさを湛えている。
足元は 醜い獣に変えられた 暗殺に関わった6人の重臣とされる。
13. 実はこの二人、 最後の審判の後 生き返った時
起き上がりすぐ互いの顔が見られるよう 向かい合って安置されている。
改めて この写真を見ながら
起き上がった二人を想像しただけで 胸がキュンとする !
一つの棺に並んで眠る王と王妃、
こうして向かい合って 復活の日を待つ 悲恋の王と王妃、
二つの愛の形を見た修道院巡りとなりました。
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★