「鹿児島・桜島」 久しぶりの噴火に遭遇しました!
01. 旅の空、 飛行機の窓から富士山が見えた。
時間や天候、 そして座席によって いつでも見られるとは限らない。
私は 富士の崇高な姿と その日の幸運に感激した。
02. 頂上のくぼみは 富士が火山であることを物語っている。
03. 機体は 富士の上空をあっという間に通り過ぎる。
小窓に頬を押し当てんばかりに 山影を追い、 名残を惜しんだ。
04. さて 今回の旅は九州・鹿児島。
薩摩半島の何か所を見物したあと
レンタカーで錦江湾を南から北へ つまり指宿から鹿児島市に向かった。
外国から運ばれた原油が備蓄される 日本最南端の巨大なエネルギー基地に
目が釘付けとなったが、 それを 6~7km過ぎた辺りで、
突然 桜島の右肩から 小さな噴煙が上がったのに気付いた !
アッと声を上げた。
05. 慌てて 道端に車を止め、 桜島を見やった。
昨年の7月から噴火がなかったのに、 17年の4月 何で今 !
何というタイミング !
06. 午前10時13分から、 間隔を置いて 何度か噴煙が上がり
煙が西方へ流れ出した。
07. その先には 私がこれから向かう鹿児島市がある。
まずいではないか ・・・ ゴリラ君も たなびく煙を監視している。
08. 鹿児島市内に入ったら もう灰が降らんばかりの様相だ。
桜島に渡るフェリーは出るのだろうか・・ 桜島に登れるだろうか ・・・
09. しかし 全ては 素人の杞憂だった !
博物館のお姉さんは ” あらァ 噴火したんですか、 気が付きませんでした~ ”
島津のお殿様の別邸 「 仙厳園・磯御殿 」 の案内人さんは
” まあ いつものことで ・・ 去年は150回 一昨年は1000回以上でしたよ ”
地元の人たちの反応はもっともなことで、 至極当たり前。
しかし、 思いもかけず 噴火の瞬間を目の当たりにした ’ 初心者 ’ には
この上なくエキサイティングで 忘れ難い出来事となりました !
10. 午後までには噴火もすっかり鎮まり、 何事もなかったかの様。
フェリーも運行され 車ごと 無事桜島に渡ることが出来た。
11. 桜島の四合目 「 湯之平展望所 373m 」 までは 一般人も
行くことが出来る。 途中 すれ違い様 車がそれぞれも~っと灰を巻き上げた !
数時間前まで噴煙を上げていた 桜島南岳、 灰をまとったその姿は荒々しく、
ナイフでカットしたような 幾筋もの鋭い線が 山肌を刻んでいた。
12. 展望台は頑丈なコンクリートで出来ていて そのままシェルターになる。
どうせなら 朝の噴火の瞬間をここで見たかったものだ! 凄い音だったろう!
( もちろん ちゃんと 入山規制は出されることだろうけど ・・ )
北岳は休火山で 南岳が活火山だ。 どちらも 山頂部が噴火で吹っ飛び
えぐり取られたのが 手に取るようにわかる。
ところで お客の9割方が中国人だった。 案内板もハングルと中国語で装備。
展望台のテラスは360度回ることが出来る。 光輝く錦江湾の風景は
ちょうどイタリア北部の湖水地方の景色に似て 輝かしくドラマチックだった。
13. 桜島の噴火は日常茶飯事であっても、 ’ 降灰の方角 ’ は
住民にとって大きな関心事だ。 作物保護や洗濯物や車の出し入れなど
日常生活に関わるからだ。 テレビの天気予報で 当たり前のように
’ 本日の降灰方角 ’ が出されていたのが興味深かった。
そして 噴火時の溶岩の流出方角も 運命を左右する。
この 「黒神埋没鳥居」 は
大正3年の大噴火で 島の南東部に流れた溶岩で埋まったものだが、
鳥居どころか その噴火で 桜島は大隅半島と陸続きになったのだ !
したがって 今回私が島を去る時は 船でなく道路で大隅半島側に出た。
久方ぶりの桜島の噴火の瞬間に遭遇するという サプライズ付きの桜島周遊は
ダイナミックでエキサイティング、 プライスレスな旅となりました ~

飛行機から見た神々しい富士山も いつの日かまた爆発して
桜島のように てっぺんが吹っ飛んでしまうかも知れない。
でも そんな日は 一億年後くらいにして欲しいものだ。
火山大国 日本の 極ごく 一端に触れた旅でした ・・・・・
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