「鳥取砂丘」と 写真家植田正治 そしてその妻
01. 車がビュンビュン走る日本海沿いの国道に ヒョイと現れた
「 弁天岩 」 と 「 大国主命と因幡の白兎の像 」。
海に浮かぶ領土を綱で引っ張って来たという ’ 国引き神話 ’
鰐を騙して海を渡ろうとして痛い目に遭った兎と それを助けた大国主命の
’ 古事記 ’ にしるされた話、
そう言えば いずれも 海岸を舞台としたお話でした ~
02. 海を眺めつつ いよいよ 「 鳥取砂丘 」 に到着。
この階段を登ると 目の前に砂丘が広がる 。
03. 夕方4時半過ぎ、 日の入りも間近だ。 砂丘に目をやると
オレンジ色の逆光の中に ’ 植田正治の世界 ’ が現れた。
彼の写真にちょっとばかり似た登場人物がいるではないか !
04. 砂埃りが混じる北風が 容赦なく襲いかかる。
しっかり踏ん張ってないと 体がもっていかれそうだ。
05. ’ 馬の背 ’ と呼ばれる あの丘に登ると 海岸線が見えるのだが
砂に足が取られて 一筋縄ではいかない !
06. さて、 植田正治 (1913~2000年) は 鳥取県で活躍した写真家だ。
一般的に 写真は 目の前の人物なり 風景なり 出来事なり
対象物の一瞬を ありのままに切り取るものだが、
彼の写真は 人物などをオブジェとして配置し 意図的に画面を構成する
前衛的な手法によるもの。
特に モード調のファッショナブルな写真は フランスで受け入れられ、
フランス文化庁が彼の作品を買い上げ、 彼に勲章も与えている。
07. 中でも 鳥取砂丘を舞台とした 「 砂丘シリーズ 」 は彼の代表作だ。
登場人物は主に彼の家族で、 オートタイマーを利用して彼自身も
時々 構成要員となっている。
08. 40mの高さがある丘を登る途中で ひと休み、 後ろを振り返る。
この砂丘にもポケモンが現れるらしい。 しかしそれどころではないワイ。
09. 丘を登り切ると 日本海が見えた !
考えてみれば 真っ白なキャンバスに 画家が好きに絵を描くように
写真家だって 自由に演出し 構成し 好きなように写真を撮ればいいのだ。
彼の作品は ” 植田調 ” と呼ばれ 余りに個性的で
真似をするとすぐばれてしまうが、
芸術的概念そのものは 後の写真家に大きな影響を与えたのではないだろうか。
10. 「 妻の居る砂丘風景 」
砂丘は これ以上差し引くものがない シンプルこの上ない舞台背景だが
彼の芸術を引き立たせるには 最強の武器と言えそうだ。
11. 南北2.4 km, 東西16 kmにまたがる 広大な鳥取砂丘、
太平洋とは逆に 北側から波が打ち寄せるのが 何とも不思議なムードだ。
12. 写真に度々登場する植田の奥さん、 名前や年齢など
詳しいことは分からないが、 いかにも 古き佳き昭和を彷彿とさせ 魅力的だ。
ポージングがしなやかだし、 何と言っても絣の着物がとってもよく似合う。
恐らく 植田正治にも自慢の奥さんだったに違いない。
13. 今回のブログでは 鳥取砂丘の写真だけを並べようと思ったのに、
’ 砂丘と言えば植田正治 ’ を 思い出し、 最後に
彼の奥さんが魅力的だ という話で終わることになった。
砂丘を歩く人。 植田とその妻もこんな風に歩いただろうか ・・
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