迫力満点ボローニャの斜塔 頭上に崩れ落ちる日は来ないだろうか・・
フィレンツェの北 80kあたりに エミリア・ロマーニャ州の州都 ボローニャがある。
北イタリアとローマを結ぶ幹線上の要衝として 政治的・文化的に重要な街、
今回は特に その賑やかな街のど真ん中に立つ 2つの斜塔が見たくて 立ち寄りました。
01. 屋根に印象的な列柱が並ぶ 「 パラッツォ デル ポデスタ Palazzo del Podesta 13C 」 は
「 ネットゥーノ広場 Piazza del Nettuno 」 に面している。
その広場にある 「 ネットゥーノ噴水 Fontana del Nettuno 」の 筋肉隆々たる海神ネプチューンと
乳房を押して水を噴出させようとする海の女神セイレーンの姿が 荒削りな豪快さを放っていた。
02. ’ イタリア人 ’ これが日常の顔 ・・・
03. 「 サン ペトローニオ聖堂 Basilica di San Petronio 」 は 1390年に建築が始まったが
いっこうにはかどらず ファサード上半分には 未だに装飾大理石板が貼られていない。
イタリアでは 自治都市が それぞれ一つの国のようなものだった訳で、 繁栄・衰退の潮流や
時代ごとの価値観が 聖堂への投資に もろに響いたかも知れない。
04. サン ペトローニオ聖堂に面した 「 マッジョーレ広場 Piazza Maggiore 」
汚れにくい ’ 石の文化 ’ ですから みんな 石があればどこにでも座ります ~~
05. マッジョーレ広場から入る小路には カフェや八百屋などが雑然と並んでいる
06. Vodafone ( 携帯会社 )の宣伝
’ あなた好みの上着 バッグ スカートなどを着せ替えて 写真を撮りましょう ’
肉屋さん ’ 日曜も店開いてます ’ 。 カトリック国と言えども ここでは 日曜も稼ぎ時でしょう
07. さて、 ボローニャ独特のアーケード ’ ポルティコ Portico ’ の向こうに
何やら 塔が二つ見えてきました ! 確かに傾いてます !!
08. 右側が 「 アジネッリの塔 La Torre Asinelli 97.2m 」 西に傾いている。
左側が 「 ガリゼンダの塔 La Torre Garisenda 48m 」 南東に傾いている。
この2基の堂々たる塔の傾きを カメラで捉えるのは至難の業でした ~ それに 実際は塔が
もっと真上にそびえ、 今にも頭上に崩れ落ちるのではないかとハラハラさせられるような風情でした !
この二つの塔は 皇帝派と教皇派に分かれ 相争った豪族 アジネッリ家とガリゼンダ家が
1109年から1119年にかけて 勢力を誇示せんと 相争って建てたもの。
09. 低い方の塔の足場はこんな具合に傾いている。
ここも ’ 石の文化 ’ と言うのでしょうか、 1000年の積み石を 人々はベンチ代わりにしています !
10. イタリア語のサイト Torri di Bologna da Wikipedia で見つけた写真、
あっと驚くと共に、 人間の 競争心という本性を垣間見て 思わず微笑んでしまいました。
11世紀頃のボローニャの風景を 1917年に描いた絵らしいのですが、 人々が権力を誇示せんと
争って建てた塔が アスパラガスの如く ニョキニョキと生えている姿は 何とも凄過ぎです !
11. 12~13世紀には100以上あった塔は 現在は この二つを含め 24が残っている。
上のサイトでは 一つ一つについて 通り名と写真を添えて説明しているが、
大体は5~6階ぐらいに縮められ? すっかり 今日の家並に溶け込んでいる。
人間の歴史は こうやって折り合いをつけて行くのだなあと感心させられた。
ラヴェンナで客死したダンテも そこで書き上げた 『 神曲 地獄篇 』 の 2か所で
巨人アンタイオスの有様を 傾いて襲いかかって来そうなガリゼンダの塔に例えて表現しているそうだ。
12. 100mのアジネッリの塔の前では 折しも 自転車フェスタが開かれていた。
そう、1000年の歴史も こうして現代生活に飲み込まれて行くのだ ・・・
13. それにしても 地震とは無縁ではないイタリア、 ボローニャの斜塔は よくここまで持ったものだ。
ピサの斜塔もいいし、 林立するサンジミニャーノの群塔もいい。
しかし、 街のど真ん中にあって、 人々の頭上に垂れ込めるボローニャの斜塔の迫力は満点です !
現在は 最高の科学の粋を駆使して 傾斜を食い止め 安全を確保しているのは間違いない。
しかしながら、、、 何の疑いもなく自転車を漕ぐ人、 塔の真下で愛を語らう人 、、、
SF映画やゴジラ映画のように、 彼らの頭上に石片が降り注ぐ日が来るかどうかは ’ 神のみぞ知る !? ’
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