「ボーム・レ・メッシュー」フランスの最も美しい村、「ルー川の泉」は世界の起源?
スイスとの国境近く、フランシュ・コンテ地方に フランスの最も美しい村の一つ
「 ボーム ・ レ ・ メッシュー Baume les Messieur 」 がある。
アクセスはあまり便利でないが、その分 素朴な美しさに満ちている。
01. ジュラ山脈の西のへり 切り立つ白い石灰石の岩壁の裾に
ボーム・レ・メッシュー村があり、 ’ 絵のような風景 ’ が点在していた。

02. ’ ボームの袋谷 Cirque de Baume ’ と言われる 圏谷 (カール) は
とりわけ活発な水の作用で 石灰石の層が浸食され
数億年かけて出来上がったものだ。

03. 不便な?地域には たいてい 教会や大きな修道院が開かれるものだ。
「 サン・ピエール大修道院 Abbaye Saint-Pierre 」 には 9世紀来の歴史がある。

( 下段が修道院 )
04. ここでは 人の姿はあまり見かけなかったが
草を食む乳牛の群れが 人里のぬくもりをそれとなく伝えていた ・・
道路幅いっぱいを占拠しつつ 牛舎に帰る群れ 、
我が車窓を ゆったりすり抜ける立派な体躯に 惚れ惚れした !!

05. ボームの岩山展望台から 見事なボームの袋谷を見渡すことが出来る。
盆地を取り囲む ジュラ山脈の石灰質の岩壁が 見事な馬蹄形を呈している。
内側は 長年の水の浸食で ドカ~ンと崩落したらしい。

06. 馬蹄形の一番奥のところに 「 テュフの滝 La cascade des Tufs 」
がある。 残念ながら水量が豊富な時期ではなかったが
垂れさがる鍾乳石が 滝を作った時間の長さを感じさせた。
時空を探検しよう! と 洞窟や鍾乳洞潜入のポスターがあちこちに出ていたが
気楽なな見物向きでなく、 きっと それなりの準備がいることでしょう・・

07. 再び ボーム・レ・メッシュー村の風景を ・・
人影がなくとも、 煙突の煙や 祈りの道祖神に ホッとさせられる。

08. 何の変哲もない田舎の川、、、 クールベの故郷オルナンのように
ここも 美しい風景画のインスピレーションが得られる穴場かも知れない。

09. ここには エアシャワー種の親仔牛がいて しばらく見とれました ・・

10. さて、 画家クールベの故郷オルナン近くに戻ると 、、
保育所の子供たち 牛とおんなじ、 道路も土も草も友達です。
” 日本って知ってるよ、 僕は英語も出来るさ、 one two three ----ten ! ”
" 名前はなあに、って英語で聞いて! My name is Jullian . I have a sister. "
フランス人の子でも 英語が出来ると嬉しいんデスネ !

11. 「 ルー川の泉 Source de la Loue 」
オルナンに 美しい風景と恵みをもたらす ルー川の源泉がここにある。
200mほどの 切り立つ断崖の洞窟から ほとばしり出る湧水、
ミシュランガイドの三ツ星、 ジュラ地方の奇観の一つに数えられている。

12. 当然 クールベも この風景を描いている。
左手には 水車小屋らしき建物が建っている。 当時の電力事情からしたら
これだけの水勢は 貴重な動力源だっただろう。

13. 最近観光用にやっとバス便が整備されたようだが、 当時にしたら
用事がない限り誰も近づかない 手つかずの さらに辺鄙な場所だった。
しかし 画家クールベは その暗く湿った不思議なムードと
尽きることなく湧き出ずる水源の力強さに魅了され、
頻繁にここを訪れ 13枚もの水源の風景を描き残した。

クールベは ありとあらゆる人間が 例外なくそこから生まれいずる
女性性器 「 世界の起源 」 という絵を描いているが、
ありとあらゆる存在物が 水を源として存在し得ることを思えば
この水源洞窟こそ ’ 世界の起源 ’ だと思ったに違いない ・・・
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