絵本のようなチロルの里・絵本のように可愛いミッテンヴァルト
オーストリアの「 チロル地方 」 には ’ これだ! ’ という 超有名スポットがある訳ではありません
アルプスの連なりと 川と草原と 人々の平和な営みがあるだけ ・・
01. それでも 非凡な美しさと輝きを放つ、 チロルは 正に特別な存在です
「 ロイタッシュタール Leutaschtal 」 ( インスブルックの北西25km )
二千数百メートルのアルプス連山の麓に 黄色い野の花の絨毯が広がる
02. 谷間を流れるのは ロイタッシュ川 こんな風景が十数キロ続きます
こういうのを ” 絵本のような風景 ” というのでしょうか ・・
03. さて、所変わって こちらは インスブルックの南15km、 エルベーゲン街道にある町
「 マトライ アム ブレンナー Matrei am Brenner 」
ジル川 Sill に沿って続く 「 エルベーゲン街道 」 は かつて岩塩の輸送に使われた道。
ジル川の流れは 怖いほど速かった !
04. この町をさらに15km南下すると かの有名な 「 ブレンナー峠 BrennerPass」 に至る
遠目から見ても 左右のアルプスの稜線が 一つの谷に向かって下がっている
あの辺を通って行くのかなあ、と 想像した ・・
ゲーテやモーツアルト 諸皇帝や軍隊など あまたの人々が このブレンナー峠から アルプスを越えて
陽光のイタリアへ向かったのです ・・・
05. 次の町は、 01.の 「 ロイタッシュタール 」 を 北上して、 オーストリアの国境を越え
ドイツに入ったばかりの所にある 「 ミッテンヴァルト Mittenwald 」
家々の壁をキャンバスとして 美しい絵が描かれている
アルプスを背にした 可愛らしく とても魅力的な町だ !
06. ドイツのアウクスブルクと イタリアのヴェローナを結ぶ昔の通商道路にある町だから
文化・芸術も 間違いなく イタリアからもたらされたに違いない
( 中央通り 「 ハウプトシュトラッセ Hauptstrasse 」 )
07. カラフルで個性的な ハーフト-ンの絵柄には それぞれ何かしらのストーリーがある
ゲーテは 「 ミッテンヴァルト 」 を 「 生きた絵本 」 と評したという
なるほどピッタリだ ! それに そんな昔から この町はこんな風だったのだ !
08. この町には もう一つの側面がある。 イタリアで 巨匠ストラディヴァリウスのもと
ヴァイオリン制作を習得した この町出身の M.クロッツ Matthias Klotz が
1684年 故郷に戻り、 ヴァイオリン制作の礎を築いた町なのです
09. ヴァイオリンの街として有名な イタリアのクレモナが、 洗練された芸術の都であるのに対し
今日でも十数人のヴァイオリン製作者がいるという ミッテンヴァルトは、 森から切ってきた木材を
そのまま窓辺で乾かしていそうなイメージの 小さくて 素朴なヴァイオリンの町でした ・・・
10. 「 パルトナッハ渓谷 Partnachklamm 」
ヴァイオリン用の木材ではないけれど! 薪が積まれ、 野の花に縁どられた パルトナッハ川沿いを進むと
やがて 両側に岸壁が迫り、 谷川の岩場を切り開いた道に至る
11. 滝の轟音が響き 近づくと その飛沫を浴びることになる。 冬は 氷のカーテンになるそうだ。
青い川と 緑の木々、 マイナスイオンいっぱいの ハイキングコースでした
12. さて、 最後に 話しはガラリと変わり、 09.の写真のご夫婦と話したこと ・・
ドイツについては 殆ど詳しくない私ですが、 どうも最近 南ドイツでは ” グーテンターク ” とか
” グリュッスゴット ” と言った挨拶より、 ” ハロー ” という言葉を頻繁に聞きますが、 という
質問を投げかけてみた
” おっしゃる通り 確かに今日 ハローという人が結構いますよ。 若い人同士とか 外国人相手だから、
という訳でなく、 世の中が少し 簡便な表現法に走っている傾向があるのかも知れませんね。
英語の Hello と違い ドイツ語には もともと Hallo という単語があるのですよ ・・
土産物やで 店番をしていた 皴だらけの!? お婆さんが、 やって来た 顔見知りの赤い鼻のお爺さんに
” グリュッスゴット (神のご加護を )” と挨拶したのを聞いた時、 私は 改めて なんだか感激しました
古き佳き南ドイツの挨拶が そこにあったからです ・・・
絵本のようなチロルの風景、 絵本のような町 ミッテンヴァルト、
そして絵本のような じじばばのご挨拶でした !