グラスゴーは意外とお洒落な街!

2013年9月27日 (金)

「 マッキントッシュの曲線 」・「 変貌したグラスゴー 」

さて、 前回に引き続き スコットランドの 建築家・画家・デザイナー 「 マッキントッシュ Mackintosh 」が 

グラスゴーに残した足跡を訪ねます



                                                  







01.      マッキントッシュの 水彩画  「 Pinks 」 ( 1922年 )

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02.     「 グラスゴー美術学校 Glasgow School of Art 」 1909年



マッキントッシュは 27歳の若さで、母校でもある グラスゴー美術学校の新校舎の 設計コンペに優勝し

彼の代表作といえる建築物を 手掛けることになりました       この正面玄関をはじめ

建物の全体からディテールに至るまで あらゆるところにマッキントッシュらしさが現れている

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03.   現在も 名門美術学校として、 デザイナーやアーティストとなった卒業生が 世界の舞台で活躍しているそうです

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04.     校内の見学は 学生による ガイドツアーとなっていますが  

学校行事優先ということでしょうか、  常時やっている訳ではありません 

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05.     正面玄関ばかりでなく、 ガイドツアーの受付や ショップの入り口がある 建物の側面や 

通りの街灯のデザインにも  マッキントッシュらしさが 感じられます  

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06.     彼が 英国における アールヌーヴォーの旗手と呼ばれるに ふさわしい作品 ( 1896年 )


スコットランド音楽のポスター  「 Poster for the Scottish Musical Review 」
 

装飾パネル   「 Part Seen, Imagined Part 」

芸術学校のポスター  「 Poster for the Glasgow Institute of Fine Arts 」

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07.     「 グラスゴー大学 University of Glasgow 」 1451年開設

オックスフォード、ケンブリッジと並ぶ  560年余の歴史を持つ最優秀名門校

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08.     そのグラスゴー大学付属の 「 ハンタリアン美術館・博物館 Huntarian Art Gallery & Museum 」

では  折しも レンブラント展が開かれていて   素晴らしい展覧会でしたが、  




なんと言っても ここの売りは マッキントッシュが 1906年から 1914年まで暮らした グラスゴー市内の自宅の

インテリアを再現した 「 マッキントッシュ・ハウス   Mackintosh House 」



これも ガイドツアー形式になっています    時間が折り合わず 見ることは出来ませんでしたが 

ハウス内部の写真を見ると  前述の 「 ヒル・ハウス 」と  その雰囲気は似ています

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09.    「 ステンド・グラス パネル 」と 「 ウイロウ ティールームの壁画 」( 1903~04年 )



ところで、 「 チャールズ・レニィ・マッキントッシュ 」 について   私が 事前に知っていたのは 

例の背もたれの長い椅子 ” ラダーバックチェア ” だけ・・    したがって、  マッキントッシュは 

” 直線のデザイナー ”  つまり ”  アール・デコ ” の芸術家 だとばかり思っていました !


・     ━━━☆・     ━━━☆・     ━━━☆


しかし、 「 ヒル・ハウス 」で目にした 草花の装飾や、 下のポスターやパネルの 薔薇や柳の枝などを連想させる図柄の

魅力的な曲線 に触れ、 マッキントッシュが ” 曲腺のデザイナー ”

つまり ”  アール・ヌーヴォー ” の芸術家だった と
思い知った訳です

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10.    ブリュッセルや フランス・ナンシーで起こった アールヌーヴォーという潮流は 1900年のパリ万博では 

押しも押されぬ 立派な流行になっていました      年代的にも マッキントッシュが確立した 

「 グラスゴー・スタイル 」は ” アール・ヌーヴォー ” 真っただ中の 英国版だった訳です




しかし 1910~30年と 寿命の短かった ” アール・デコ ” の潮流に マッキントッシュの芸術が

影響を及ぼさなかったとは 誰も言えないかも知れませんが  ・・・

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11.    グラスゴーは  一大工業都市ですので 昔は 暗く不気味な大都会でしたが   ここ10年で 

音楽・ファッション・スポーツ・芸術活動などが盛んな 美しい町として 劇的な変貌を遂げたという 

TVドキュメントを見て、 訪問を
回避する予定を 変更した次第でした 



日本女子サッカー ” なでしこチーム ” が 優勝したのも ここグラスゴー 

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12.      綿工業を中心とした産業が盛んだった グラスゴーは  かつて 他の英国の街と同じく 

石炭と鉄鉱石による工業化で 街は真っ黒なすすを被っていました    しかし、今は ” すす ”の代わりに 



使わなくなった ” ミシン ”が 床から天井まで びっしりウインドウを飾り 時の流れを物語っておりました

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「 グラスゴー 」は 私の中では「 マッキントッシュ 」 と深く結びつき 



芸術の街として しっかり心に刻まれたのです !  

2013年9月20日 (金)

「 マッキントッシュの椅子 」・「 グラスゴーのパブは別世界 」

近代イギリスの 有名な芸術家と言えば 「 マッキントッシュ Charles Rennie Mackintosh 」


マッキントッシュと言ったら、  もしかして   ” アップルのコンピューター ” か 

” チョコ菓子 キットカットの ” マッキントッシュを 思い浮かべるかもしれない





でも 今回のマッキントッシュは スコットランドの 建築家・画家・デザイナー (1868~1928) 

彼のデザインした 細長い背もたれの椅子は  きっと誰でも一度は 見たことがあるでしょう 





                                                           



01.    グラスゴー Glasgow の北西30km付近に   イギリス最大の淡水湖

「 ローモンド湖 Loch Lomond 」がある ・・   遊覧船や モーターボートが 美しい航跡を描く湖 ・・

大都会グラスゴーから  週末の夕方にも 簡単に向うことが出来る休暇地です

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02.    「 ローモンド湖 」観光の拠点となる町が 「 バーロッホ Balloch 」 

バーロッホの郊外には 美しい高級住宅が点在し、  そこに マッキントッシュが 友人の為に デザインした家がある

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03.        「 ヒル・ハウス The Hill House 」 1904年

建物の設計から 家具・インテリア 庭のデザインにまで、 彼の繊細なセンスと 技術の粋が注ぎ込まれている

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04.    部屋全体の ” 直線を基調としたデザイン ”と、 壁・ソファー・ライト・タンスなどに施された 

” 曲線を基調とした装飾 ” が 程よくマッチ、 とりわけ 布のパッチワークや 手塗りのステンシルなど



アールヌヴォーを彷彿とさせる 唐草模様の装飾が 最高にお洒落でした~

背もたれが 梯子のようになっている ” ラダーバックチェア ”は この住宅のために設計されたもの

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05.     日本文化のエッセンスを 採り入れたに違いない エントランスや廊下部分


このハウスでは 残念ながら 写真はNGで、 各部屋ごとに にこやかで話し好きな ’おばさん案内人兼見張り ’が 

豊富に! 配置されておりました       仕方ない、、 あとで絵はがきでも買いましょう 、、



    

と、期待した 売店の絵はがきが この上なく無味乾燥!!   これだけの素材を表現しきれないとは 

本当にもったいないことだと、  この時ばかりは イギリス人のお尻を ペンペンしたくなりました ・・・

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                                                                                   ( 写真はH・Pなどから )









06.     しかしながら この「 ヒル・ハウス 」、 ナショナル・トラストが しっかりその保護の下に置いている

イギリス人に芸術性が少し欠けていたとしても、 守るべきを守る 頑固な国民性を 見習うべきは間違いないことです 

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07.        マッキントッシュが 散策したかもしれない 林の小道

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08.     彼は 水彩画も描いている 「 The Village of Lagonne (フランスの村)」 

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09.     さて 次は グラスゴー市内の 繁華街 「 ソーキーホールストリート Sauchiehall St.」

マッキントシュが 女性向けに設計した喫茶店 「 ウイロウ ティー・ルーム  Willow Tea Room 」 1903年




ソーキーが( 多分ゲール語で ) ” 柳 ”という意味なので?、 英語の Willow ( 柳 )が付けられたのだが、 

柱、窓枠、椅子などの直線が、 ちょうど 林の中にいるような雰囲気を醸し出している

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10.      ここで 売っているお土産の数々 ・・   ヒル・ハウスでの 絵はがきは イマイチでしたが

マッキントッシュのデザイン、 いったん商品化されたら 結構 魅力的に扱われています ~ !

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11.   さて、 ” マッキントッシュの芸術の話 ”、  続きは また来週に譲るとして



グラスゴーで滞在したホテルの 部屋の飾り戸棚に  ウイスキー、ジン、ウオッカ が 綺麗なグラスと共に並べられ

’ ご自由にお飲みください ’と 書いてありました~ !   

(  旦那様へのささやかなサプライズ・・・  そういうホテルを 予約の時見つけておいた訳ですが

結局 自由だからと言って そうはガブガブ 飲めないのが 人の常です ~~   )  

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12.    夕食は レストランで でなく ” パブ ”で    パブでも 食事用のメニューは充分揃っている 


ただ レストランのように テーブルで待っていてはダメ    

こちらから カウンターに出向き、  ビールなどをもらうついでに 注文する  

料理は さすがに運んでくれるが、  サーブしてくれたお兄さんは 歯科医師の勉強中の学生さんでした ~

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とにかく このパブ 「 ワクシィ オコナーズ  Waxy O’Connor’s 」は 内装が素晴らしい !
  





3フロアある広い店内 内装は全て木で出来ている  バンドが入るスペースや サッカー応援のスポーツバーコーナー

パイプオルガンがあったり、 秘密めいた個室が ズラ~っと並ぶ廊下もある

私が座ったテーブルの脚は  唐草模様のアンティーク・ミシンの脚でした ~

 



                            




入店した途端 別世界にワープして、 ” 木肌と木目の宇宙 ” に足を踏み入れることに ・・・ 

グラスゴーに行ったなら 是非 一度訪れたい場所のひとつです !    

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