「ウイスキー蒸留所」 ウイスキーとネッシー伝説を生んだ ”醤油色の水”
スコットランド北部の 「 ウイスキー街道 Malt Whisky Trail 」
アバディーンとインヴァネスの 丁度中間点あたりに 一辺が40~50kmの三角形の地域があり
そこに 「 ウイスキー蒸留所 Whisky Distillery 」 が 密集しています
有力な蒸留所全てを 合理的に回る モデルルートもありますが、 今回は その中の 有名な一軒、
9つも 蒸留所を抱える 「 ダフタウン Dufftown 」の 町はずれにある
「 グレンフィディック蒸留所 Glenfidich Distillery 」 を訪ねてみました
01. 密造酒だった ” 地酒 ”から、 世界に冠たる ” スコッチ・ウイスキー ”に育つまでの
技術的・歴史的背景を含めた 「 ウイスキー物語 」は 別途 専門家にお任せするとして
ガイドツァーで見た 簡単な工程を 追ってみることにします ~
ウイスキーは 寒冷地での栽培にも適した大麦の「 麦芽 」を 原料としますが その麦芽を 燻して乾燥させる燃料として
スコットランド独特の 立役者が登場する・・ それが 沼地から切り出される 「 ピート(泥炭)」です !
ピートを用いると 「スモーキーフレーバー」と呼ばれる 独特の煙臭が 麦芽に染み込むのだとか ・・
( キルンの頭頂部の パゴダ型の煙突から その煙が出てきます )
02. 次の工程は 燻蒸された麦芽を砕いて、蒸留所が独自に確保した水(仕込み水)を加えた 麦汁に
酵母を加え、 濃度7%前後の エタノールを含む 発酵もろみ(ウォッシュ)を作る「 醸造 」と、
その ウオッシュを 乳酸菌が活動しやすいよう 木製樽で保存する「 発酵 」が 続きます
03. その次は「 蒸留 」 並んだ「 蒸留器 」をよく見ると 頭の部分の ”兜 ”の形が様々です
胴体のくびれも1つだったり 2つだったり・・ これが 楽器だとしても 出る音がそれぞれ違いそうですが、
ウイスキーの味にも それぞれ 微妙な味の変化が出ると言う
04. 最後が「 熟成 」 ガイドツアーのお姉さんによると 「 グレンフィディック蒸留所 」では
熟成用に スペイン産の ” シェリー酒 ”の オーク古樽を使っている。 微妙な臭いの移り込みが ミソなんだとか・・
新品はお金を出せば買えるけれど 中古品にしか その役割を果せないなんて 味わい深い話でした !
( 創業125年の歴史を物語る 一族の写真や映画なども展示・上映されていました ~ )
05. ウイスキーを一流の製品にするために必要な数々のもの、 原料や触媒 道具や装置 水と空気 人間の知恵と努力
とにかく ざっと見た限りでは ウイスキーは ワインより ずっと 作り方が難しそうだ、と 感じたものでした
そういう訳で、 ツアーの最後の 「 テイスティング 試飲 」では とりわけ 有難く頂戴した次第です~
06. 12年もの、 15年もの、 18年もの と 3種が グラスに注ぎ分けられました
12年ものだって 結構古かろうに、18年ものの まろやかさ味の深さったら、その違いは 素人にもはっきりわかりました~
それにしても 車で来ている人たちが殆どなのに、 酒気帯び運転など 誰も気にしていない様子
ウイスキーの里は 交通取締りが甘いのか ・・ それとも 日本のように アルコールに厳しい社会風土がないのかも・・
07. 他には、 日本人には 一番馴染があると思われる
「 マッカラン蒸留所 The Macallan D.」なども 巡りました~
08. ダフタウンでの 一コマ ” 娘の為なら パパは 地面にだって寝ます~ ”
09. 同じく、レ ストランでの 一コマ 自由奔放な日本の子育てに比べて、
こんな風な 子供の ”ごね姿 ”は、 滅多にお目にかかれません 思わずパチリ!
10. さて、 こちらは インヴァネスの東 16km、
手入れが行き届いた庭園が必見の 「 カウダー城 Cawdor Castle 」
11. 広大な庭では 季節の花々が 咲き乱れ、 特に さまざまな地衣類の原種が見られることで有名です
しかし、 城の裏側を流れる ネアーン川まで 見に行く人は 少ないかもしれない
12. この水の色を見てください これこそピートを育む 茶色の水
北部スコットランドの 沼地の溜り水 川や湖 多くがこんな色をしています
日本のスコットランド旅行案内書でも この ” お醤油色 ”についての記事は 案外少ないかも知れません
スコットランドに来たならば、 空の色ばかりでなく 是非 足元の水の色に 気を付けてみてくださいね
森林限界を超え、 痩せた土地柄の 北部スコットランド、 寒冷地での栽培にも適した大麦が採れ
寒さゆえ 沼地などで 植物遺骸などの有機物が腐らずに堆積した ピート(泥炭)が採れるスコットランド、
そういったものが ” スコッチ・ウイスキー ”を 育んだ一因となった訳ですが
この ” お醤油色の水 ” それが また ” ネッシー伝説 ”を生み出した一因なのかも知れないのです
この ネアーン川も 間もなくネス湖に 注ぎます ・・・
巨大な 真っ茶色のネス湖は 全てを 黒々と覆い隠し
神秘的な伝説を生み出したのも 当然の成り行きだったのではないでしょうか ~~ !!