りんごの村

2011年10月13日 (木)

金刀比羅宮「椿書院」 by 田窪恭治

 

ノルマンディで 「 林檎の礼拝堂 」 を修復したあと、

田窪恭治は 2005年から  香川県金刀比羅宮の書院で 襖に 「椿」の絵を描き始める

 

  apple               apple                 apple






01.    私が金刀比羅宮を訪ねた時(2010年)、「奥書院」では 折しも 伊藤若冲の 「百花図」が 公開されていた

 

田窪が 高校生の頃、芸術的啓示を受けたのが この 上段の間に描かれた「百花図」だったと、聞くが

 

確かに、この和室が 意外と狭いだけに、 

” 金色の小宇宙に浮かぶ花々が わが身に降り注ぐような 不思議 ”を 私も味わった

01








02.   「表書院」にも、それぞれの部屋ごと、丸山応挙の有名な絵が 鎮座ましていた

(  レプリカは 作ってあるのだろうか・・・  火事が心配・・・  )

02

( upwardleft 絵の中の ほとばしる滝の流れが、  この部屋の左側に 造られた実際の池に

 注ぎ入るという設定となっている )









03.   書院近くの休憩所の 内側と外側に、 田窪が描いた 「椿のタイル画」があった

 

サインは <隼人&恭治田窪>となっている ノルマンディで育った息子が、今や、画家となったのだろう

03







04. ポルトガルのあちこちで見られる タイル画 「 アズレージョ 」 ↓

古びたポルトガルの アズレージョと比べると 上の「 椿図 」は やや物足りなかったが

国により、 似合うものが違って 当然かもしれない

 

04

                               (  ポルトにて  )






05.    田窪によれば、 原生の藪椿の、 荒々しくも 素朴な群生を

そのまま シンプルに写し取りたかったという

 

成るほど、 ” シンプル ”こそ 日本文化の根底を流れる 基本概念かもしれない・・

05  

 






06.     さて、  渡り廊下で繫がる 建物を渡っていくと  その先に

田窪が 製作中の 「 椿の障壁画 」がある 「 椿書院 」 があった

06








07.    正直に書きましょう、  ” 何と言う偉大な落書き!  ”
  

もし、このパステル画が ちゃんと額縁に収まっていれば、 それはそれで 美しい絵 となるかもしれない

 

しかし、 藪椿は  木枠も壁もお構いなしに、 白い空間を 自由奔放に伸びていく、、、

07








08.   ノルマンディでは、仕事が軌道に乗るまで  3年はかかったらしい

 

芸術上の構想が固まらないとか、お金の問題とか、、、


制作が進まない 手付かずの3年間は  地元の人たちの疑惑の白い目に晒されたという

この人に 本気のやる気が あるのだろうか・・・ と  

08_4
(   椿の写真が 所々に貼ってある  upwardleft   )






09. それと比べたら、 ここは何と言っても母国だし、多分 資金も潤沢だろう

 

金比羅宮に知り合いもいて、” 名士 ” として招聘されたことを思えば

自ずから 田窪さんの気分も 全く違うのではないだろうか・・

” 落書き ”と言ったけれど、 それは 多分 作家の 伸び伸びとした楽しげな気分が
 

絵を通してにじみ出ているからなのかもしれない

09

同時代人の感覚より 2~3歩先に行くのが芸術家、

 

百年ぐらい後には この椿図は国宝になっているかもしれない・・・




  

 

  fuji                          fuji






 

 

10.    ここは 「椿書院」に面した庭、     遥か彼方に ” 讃岐富士 ”が見える

10

この襖絵、どこまで行ったら ’終了’を宣言するのか、田窪自身にもわからないという


 
確かに、描き足そうと思えば 重ねて描けばいいし、 これで終わり、と言えば

そうなのかも知れない






 diamond        diamond         diamond

いつ終わるかは 神のみぞ、  いえ、  金比羅さんのみぞ知る、   デスネ!


2011年10月 8日 (土)

ノルマンディ「林檎の礼拝堂」 by田窪恭治


ノルマンディの片田舎に 日本人によって修復再建された 「林檎の礼拝堂」がある


アーチストの名は田窪恭治、

礼拝堂はサン ヴィゴール ド ミュー Chapelle St.Vigor de Mieux

 apple            apple






01.     人間ばかりでなく、樹の精霊すら 招き入れそうな   印象的な入り口

01








02.  入り口から 後方を望む

 

1500年頃に造られた この礼拝堂は ここ百年ほどは 荒れるがままに 打ち捨てられていた

 


田窪は 1987年から11年間、ここで  そんな礼拝堂の修復再建に取り組んだのです

 

もともと 彼は 日本でも、 額縁という枠、さらに美術館という枠、に捉われず

自然と共生するような 現代アートを 20年ほど手がけてきていました

02







03.     田窪は たまたま フランス人の紹介で、この教会を知り、  一目ぼれ

修復を申し入れたが、 
村人から すんなりと承諾が得られた訳ではありませんでした

03

(  写真はテレビ番組 「 世界不思議発見!」からの 一場面   )







04.   当初は フランス語も話せない、お金もない、村人の心も掴めない、

八方ふさがりの中 困惑続きでした     そこで 田窪は 一大決心をする


妻と三人の子を連れて フランスにやって来た!   彼の” 本気 ”を 示すためです


( その作戦は 大当たり!!   
いつしか村人は 進んで彼に協力するようになる )

04








05.     彼の技法は独創的で   まず壁の表面に鉛を貼り、

その上に 赤、黄、青、緑、白などの絵の具の層を塗り重ねていく


そして壁を引っかきながら、りんごの形を 絵の具の層の中から 削り出して来るのです



「 りんご 」は ノルマンディの大自然から、 田窪が 当然のごとく導き出したテーマでした

05_2

 







06.
    さてりんごのデザインに 話題が集中しがちですが、 私が 最も感動したのが 「屋根」 !


田窪が 色を付けて焼いたガラスの瓦が 屋根に並べられ、まるで お菓子の家のように可愛い

その 七色の瓦の色が 昼は 礼拝堂の内部を 優しく染め、  夜は 礼拝堂を 奥ゆかしい宝石箱に変える shine

06b








07.    実はこの礼拝堂、盛夏しかオープンしてない

現在は、 3kmほど離れた大きな街、
ファレーズ Falaise の市役所が管理している



ファレーズの市役所に、 期間外だけど カギを開けて見せてくれないかと交渉したところ

OKが出た!   その日、 
担当のミレイユと 3時に現場で落ち合う手はずとなっていた



 apple            apple


ところが、 日本の有名なガイドブックが言う その村に 礼拝堂はなかったのだ~~  sweat01

07  







08.       本当に 小さな村のあちこちを 探し回ったが 見つからない

村の女の子、郵便やサン、おばあさん、皆 異口同音に教えてくれたのが 「 洞窟礼拝堂 」

 

「 洞窟 」でなく、 「 林檎 」なんですゥ ~~~

apple                    apple



近いのに、辿り着けない!  丘から丘へさ迷った

 
尋ねようにも どの村でも 人っ子一人出会わない   眠れる村のようだった !


結局 約束から  1時間も遅れてしまった! sweat01

08(洞窟礼拝堂)

 

 

やっと 辿り着いたが  教会の扉に、ミレイユの貼紙があった  upwardright

 

「  3時45分まで待ちましたが、 パリに行く娘を駅まで送らねばなりません

チャペルのカギは マダムドゥボンが持っています  」


 

 pen          pen



4ヶ月も前から 何度もメールをやり取りし、友情めいたものを感じていたミレイユに

本当に申し訳ないことをしてしまった・・・・

 

  apple                 apple






09.    チャペルの隣に住んでいる マダムドゥボンは 夏の間 礼拝堂の受付嬢となる

 

彼女が言った   「このあいだ、日本のテレビが来て、このチャペルを撮っていったの

私も多分出るはずよ~」  
それこそ、 TBSの看板番組 「世界不思議発見!」でした



03.の写真の女性が 他ならぬ   マダム ドゥボン

09



10.   後日、私は 約束どおり、テレビから写真を撮って、ミレイユに送った

(テレビ局からは ナシのつぶて、DVDなんて来てません、 
ということだったので)

 

マダム ドゥボンが 嬉しそうにそれを見てくれたらしい

10

道に迷って 散々苦労したが、

<風景に溶け込む 楚々とした礼拝堂>に 出会い、



とうとう 実際には会えなかったミレイユ共々、 忘れ難い ノルマンディの思い出となった・・・




 rvcar           rvcar

しかし、有名なガイドブックと言えども、 住所が 正確だとは限らないことがわかりました

林檎礼拝堂の住所が 隣村になっていたのです !

これからお出かけになる方は  くれぐれも 住所にご注意くださいませ ~

 



2011年10月 3日 (月)

シードル(林檎酒)と フランスの美しい村



フランスの アルザス地方やブルゴーニュ地方には 
<ワイン街道>があるけど、


ノルマンディ地方には < シードル街道 >Route du Cidre がある

 apple          apple





01. シードルとは 「 りんご酒 」 のこと

そして、ここは   そのシードル街道沿いの村 「 ブヴロン アンノージュ Beuvron en Auge 」

” フランスの美しき村  Les Beaux Villages de France ” に登録されている

生憎の雨模様 rain でしたが  ” 美しい村 ” は 雨でも 美しかったです~

01








02.    ノルマンディでは 「美しい村」に登録されている村は  実は 数少ない

 貴重な観光スポットです

02







03.   主にチーズ、玉子、牛乳などの乳製品を売っている食料品店  (エピスリー Epicerie)

03a

03b_3  

上のお店 upwardleft

 

お洒落だなあと思ったら、

 

「日本の雑誌で紹介されました」と、

 

店内に貼り紙がありました!

 
capricornus             capricornus












04.       「 青いロバ 」 という名前の ガーデニング店

04








05.      「オーライ、オーライ!」と 車を誘導してもらって 

 

この店の前に やっと 駐車出来ましたが、  結局、お店で 何も買いませんでした

 

店仕舞いをした夫婦に、  買わずに 申し訳ありませんでしたネ、 と言ったら

「 トンデモナイ~ 」と 笑いながら カメラにポーズまで取ってくれた

 

05









06.   さて、下の店では  「シードル」を買いました

フランスといえば ワインですが、 ノルマンディやブルターニュの気候と土壌は ワイン作りに適さない

林檎など果樹は よく育つので ワインの代用として、  また、飲むのは危険とされた生水の代用として

このあたりでは 昔から りんごジュースや りんご酒が製造されてきました

06

 







07.      シードルは発泡酒で、アルコール度は 2%~5%ぐらい  

大きく分けて、 「ドライ Sec」 「ハーフドライ Demi-sec」 「マイルド Doux」の三種がある

値段は 2ユーロから10ユーロぐらいまでで、 とても安い

 apple            apple


フランス人へのお土産として 一般的にどれがいいか尋ねたところ、

店のマダム、 「ドライにしなさい」と 即答!

 

ドライは 辛くて、酸っぱくて、ツンと来て、色も透明で澄んでいる それこそドライだ!

 

やっぱり フランス人は ” 大人 ” だから  辛口なのでしょうか~~

 

シードルが安いことは フランス人は よく知っているので 一応 一番高い’ドライ’を 8本買った

07








08.     下は  ドライでなく ” マイルド シードル ”  downwardleft  

 

一見 林檎ジュースのようだが、甘くはない  でも 林檎の風味が残っていて、何故か癒される

 
初心者には マイルドがおススメかもしれません ~

08








09. この日は 道ばたの オーベルジュ ( レストラン付き安宿 ) に泊まったが

 

マダムが、 オーディション番組 あの スーザンボイルにそっくりでした~!

(  こういう時に限って 写真を撮って来るのを忘れて  ・・    残念!   )

09








10.   夕食は ノルマンディ特産の ムールや牡蠣、  肉料理には、  ソーセージを頼みました


 restaurant         bar


 

一見美味しそうデショ ・・・  でも 詰め物が おかしい

腸壁みたいな、内臓の皮みたいなものが詰めてある!  今日は ハズレでしょか・・・

 

たまには こんな日もあるのデス~~~

10

(   実は この料理は ノルマンディ名物 アンドゥイユ Andouille、

 

豚の胃や腸など内臓、耳などを 腸詰にしたもので、 脂肪分に富み、

 

寒冷地の人々にとって、欠かせない料理です )




 

rvcar          rvcar





後日談となるけど、 ノルマンディ、ブルターニュと 車で回って、

パリの文化圏近くに戻りかけた頃、

レストランで シードルを注文したら、  フフン、と軽く笑われた sweat01


  

まあ、ぶっちゃけ、シードルは ワインと比べたら 下等な飲み物、

「当店では シードルなんか置いてません」という  皮肉だったかもしれない






しかしながら、   「 
ワイン 」 を蒸留すると 「 ブランデー 」になるように

「 シードル 」 を蒸留すると  「 カルヴァドス 」 になる

高級品ですぞ~!!      ^&^


 shine          shine

その他のカテゴリー

bellaのアトリエ | 「アメリカ国立公園」は雄大なり! | 「ウズベキスタン」 シルクロードのオアシス  | 「ウズベキスタン」 サマルカンドとタシケント | 「チロル地方」オーストリア | やっぱり凄い モンサンミッシェル | りんごの村 | アルザス・ロレーヌ | アールヌーボー発祥の地 | イギリス 植物王国 | イタリア ウンブリア地方 アッシジなど | イタリア エミリア.ロマーニャ地方 ボローニャなど | イタリア トスカーナ地方 | イールドフランス | オンフルールは画家の聖地 | カナダ メープル紅葉便り | カナダからの手紙 英国の香り | グラスゴーは意外とお洒落な街! | ゴッホ終焉の地 | ゴーギャンのブルターニュ | ゴージャス!「イタリア湖水地方」 | シスレー と ミレー | スコットランド 「古城街道」と「ウイスキー街道」 | スコットランド エジンバラ | スコットランド中東部 歴史ある古都巡り | スペイン サラゴサとタラゴナ | スペイン 地中海・ピカソの町とジブラルタル | スペインの「白い村」 | スペイン中西部、遥かな地平と丘陵と | セビリアとコルドバ アンダルシアの華 | ドイツ 「ロマンチック街道」 | ドイツ「 古城街道 」 | ドイツ南端 「アルペン街道」 | ネッシーとハイランド | ノルマンディ(フランス) | バカラ クリスタルの町 | パンプローナとその周辺 | ピレネー山脈・大自然とその文化 | ピレネー山麓・フランス側も面白い! | フランス・中世ロマネスクの旅 | ブルゴーニュ 美食の地 | ブルターニュ どの町も個性的! | ポルトガル 「リスボン 郷愁の都」 | ポルトガル リスボン周辺・魅力の歴史古都 | ポルトガル鷹の巣城 | マカオ ”エキゾチックタウン” | ミュンヘン ” のん兵衛天国 ” | モネの色彩を育んだ町 | モントリオールとケベックシティ ”私は忘れない” | リヨン、フランス第2の都市 | ルノワールのセーヌ川 | ローマ 永遠の都 | 信州の風 | 光のスイスアルプス | 光のフランスアルプス | 北仏画家の町 | 南フランス コートダジュール | 南フランス プロヴァンス | 南仏画家の町 | 国内旅行 | 国内旅行 中国編 | 国内旅行 関東編 | 奇岩のイタリアアルプス | 活気のバルセロナ | 花の都フィレンツェ | 香港 びっくり見物記 | 魅惑のパリ

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

カテゴリー

フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック