アールヌーボー発祥の地

2012年5月17日 (木)

「ナンシーノワール」 ナンシーは黒かった!




  libra                                                       libra




01.      アールヌヴォーが生まれた町 ナンシー Nancyを歩いていると

10分もしないうちに 気付きました。

何かヘン、 みんな黒い服を着ている・・・

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02.    季節は秋、 色目を失っていく ヨーロッパの秋

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03.     なんで人間まで わざわざ 暗い色をまとうのだろう ?!

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04.    ナンシーの華、世界遺産、スタニスラス広場 Pl.Stanislasに ある

「 ネプチューンの門 Porte du Neptune 」

ロレーヌ公国時代の ロココの傑作で、

黒と金の装飾的な鉄の門に囲まれた この広場は豪華絢爛だ shineshine
 


ナンシーの人々にとって 「 黒 」 は アイデンティティーの色なんでしょか

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05.       ちょうど 幼稚園のお迎えの時間でした。

幸せいっぱいの若夫婦も、 子供たちもが 「黒い服」

小さい時から 黒の刷り込みを受けて、 きっと違和感なく育つのでしょう。

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06.       マクドナルド前

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07.    行きずりの知り合い 4人が みんな「黒」 で   
売り物の服も「黒」

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08.       当然 ショーウインドウの主役も 「黒」 ・・・

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09.        ペピニエール公園 Parc de la Pepiniere

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10.       カフェやレストランでも ほら この通り!

サングラスを掛ければ より完璧な ”ナンシー人” になれそうです。

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11.      ストライキ中のワン公も、 東屋も、 「黒仕立て」

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なンシーて これ程 ナンシー人は 黒が好きなのか ・・・

後日 ナンシーの観光課に問い合わせてみたが、

「 わかりません!」 と 素っ気ないお返事だった。

何人かの パリのマダムにも聞いてみた・・    「 黒はシックだからよ 」 即答だ!

 

 

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” シック好き ” 、、、

なれば フランス中が 黒ずくめになるはずだが
 

これほど ” 黒い町 ” には お目にかかったことがない。



多分、19世紀末のアールヌーヴォーと その1世紀前の貴族たちのロココ芸術が、

人々の美意識とプライドを 育んで来たのかもしれない。

その上、第二次世界大戦に際して ロレーヌ地方が蒙った 様々な時代の暗い影が

無意識のうちに 人々の趣向に影響を及ぼして来たかもしれない。


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謎がナゾとして残る・・・

それが また 旅の醍醐味でしょうか~ !    ^&^

2012年5月10日 (木)

足早に駆け抜けた「アールヌーボー」 ナンシー派美術館

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19世紀末 ベルギー、フランス、イギリス、ドイツ、オーストリア、アメリカなどで

大きく花開いた芸術様式 「アールヌーボー Art Nouveau (新しい芸術)」は

実は、

約25年という短い期間に 燃え盛る炎となって 世界を駆け巡り、

 
あっけなく消滅したムーブメントでした




しかし、その豊潤な魅力は 遍く 人々の心を潤し 次の趨勢へと引き継がれたのです

特に 日本人には ファンが多いですよね ・・・



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01. その発祥地の一つが フランス北東部にある ナンシー Nancy

その 「ナンシー派」の中心人物こそ

ネオ・ロココ様式家具職人の子にして ガラスの魔術師 ”エミール・ガレ Emile Galle” 

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02. ここ「ナンシー派美術館 Musee de l'Ecole de Nancy」の 館内には 

ガラス器 家具 絵画 ステンドガラスなど ナンシー派の作品が 所狭しと ひしめいております~

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03. さて 産業革命後、 一気に工業化が進んだ結果

 
世の中には やや無味乾燥な、時には粗悪な 日用品が出回ることになりました
   



経済的には豊かになりつつあった 各国の中産階級が 日常に芸術性を呼び戻し、 

新たな美を創造しようと目論んだのも 当然の成り行きだったかもしれません

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( 絵画も展示されています )







04. 「ナンシー派美術館」の中でも この食堂は 見もの!


テーブル 椅子 食器棚 天井と壁面 照明 室内の全てに

流れるような曲線が行き渡り 見事な造形美を醸し出しています

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05. 「アールヌーボー」の特色を 端的に言ってみると(一部 例外はありますが)、

”自然界の曲線的フォルムを導入すること” と

 
”昆虫や魚、草木や花などをモチーフとして採り入れる”という 二点



人間らしい感性をほんの少しでも持ち合わせていれば 容易に理解できる芸術です~

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06.  紫檀・黒檀などの寄木細工や螺鈿などで装飾された ガレ作のベッド「曙と黄昏」


  
今にも 蝶の鱗粉が舞いそうな

”昼と夜 曙と黄昏 生と死を想起させる”怪しげなデザイン・・

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07.  マホガニーに寄木細工が施された マジョレル作の「グランドピアノ」
  

白鳥の死がテーマで 鍵盤蓋には 松かさ模様が彫られています

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さて、各地のアールヌーボー様式に ジャポニズムが巧みに消化吸収されていたことは

周知の事実ですが、 ここナンシーでは 実際に一人の日本人が 直接関与していました



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08. それが 地質学者として ナンシーの水利森林学校に留学していた「高島得三」

彼は 雅号を「北海」といい、日本画も能くしておりました


たまたま知り合ったガレは「北海」を通じて 日本人の自然観、アニミズムを深く吸収し、

いわゆる ガレの個性あふれる「物いうガラス」「物いう家具」の水源と成したのです

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( 北海の「水墨画」や日本の「文様集」も展示されていました )






09. 菊の花を図案化した「ガレの小卓子(左側)」と 

池畔で水浴する裸婦と 蓮の花を図案化した「マジョレルの飾り棚(右側)」

なんとも 日本的な趣きではありませんか~!

「手(下段)」は 海草が巻き付いる不気味なオブジェ

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10. さて、「アールヌーボー」が足早に 駆け抜けた理由、 その一つは

草木の茎や枝が 空(くう)をまさぐるように増殖するデザイン、


その神秘的な曲線のうねりが 病的且つグロテスクな 過度の装飾の領域にまで及ぶのに 

時間はかかりませんでした



”装飾は不用、罪悪であるとすら見なされる時代”が 到来したのです

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( 美術館の広い庭にある 唐傘のような屋根を持つ水族館 )








11. さらに もう一つの理由は

もともと 「アールヌーボー」は 工業製品に対峙する 手作りの芸術品でしたから、

富裕なパトロンの後ろ盾を必要とする 高価なシロモノでした



高くて神秘的、’手が届かないからこそ魅力的’ではあったのですが、

近代化が急速に進み、実利を求める社会構造には 

その魅力の’神通力’が 通用しなくなってしまったのです 

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( 美術館の庭にある マジョレルの銅像 と 日本語での注意書き )




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日本人の ”アールヌーボー好き”は 

デザインの根底に 日本文化が応用されていたことを思えば 容易に納得の行く話です

また、日本の バブル時代には 
 
お金持ちになったばかりの人々や 一部の芸能人が わが身を高めるのに、

競ってアールヌーボー作品を持ちたがったような気がします


( 西欧の当時の人々にも同じような発想が 少しはあったかもしれませんね )



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美術史的には ブームは去ったとは言え、怪しげで、罪深げ、魅力溢れる「アールヌーボー」

世界の街角の装飾や メトロの入り口、本の装丁やポスターを通して 
今日でも いつでも出会えますし

私たちの芸術的嗜好も いつのまにか あの曲線美にすっかり馴染んでしまい


 

今や 古今東西の区分とか 一時の流行を越えた 

” 芸術のスタンダード ” と なったことは確かなようですね

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