ライオンみたいなチベット犬。 肉体をハゲタカに喰わせる鳥葬。
チベットの首府・ラサから 往復4~5時間の行程で
「ヤムドク湖」 観光に出かけた。
ラサの南方の高山地帯 標高5000mの展望台
から 眺望を楽しむ予定だった。
01. 途中 「雅江河谷展望台 4280m」 に
立ち寄った。 なんとライオンと見まがう たてがみ、
ふさふさのチベット犬が ”展示されて” いた。
02. 客に チベット犬と一緒に写真を撮らせたり
ヤクの背に跨らせたりして お金を稼ぐ商売だ。
階段上は 展望台になっているが 残念、
あいにくの天気で眺望は利かなかった。
03. 可愛い羊は まるで欄干の飾り物みたい。
霧で覆われ肌寒かったが、 いずれにせよ
ぶ厚い毛皮の動物たちには どうってことはない。
04. バスの中で酸素を吸いながら さらに30分、
「カムパ峠」 に着いた。
あと2mで大台、 4998mという高さだ!
05. チベット仏教の聖地 「ヤムドク湖 羊卓雍惜湖」
が眼下に広がった。 経文が書かれた 雪混じりの
タルチョに 一層の宗教的凄味を感じた。
06. さて、標高4~5000mに建つ家は 石造りで、
北風を避け、 隅々にタルチョの束をはためかせていた。
07. 沢山の羊を飼うこの家は 裕福かも知れない。
冬を前に 羊たちは乏しい緑を 一心に食んでいた。
08. 牛はさらに高価な家畜だろう。フンも役立つ。
肥沃とは言えない農地も 高山では大変な財産だ。
レストランでの昼食は野菜中心だが 鶏肉・鶏卵も
出た。 いずれも貴重な食材だろう。
09. マニ車を備えた田舎のお寺。
タルチョ飾りの5色は 物質の5元素、
地 水 火 風 空 を表している。
10. 拉薩のような都会と違い 田舎のトイレは
こんな感じだ。 ”背に腹は代えられない” とは
こういう時に使う言葉だろう。 でも我慢!!
お金を取る門番がいなくなってからの撮影。
11. チベットの高地には未だに 「鳥葬」 がある。
ハゲ鷹に死者の肉体を食べさせ、 迅速で衛生的な
処理を行うと同時に 死者は 自然に対し
己の肉体を施すことで 功徳が積めるという思想だ。
肉体を鳥に喰わせるのは 魂が既に仏師の祈りで
分離・浄化され、 天空の頂に登って行った後、
という考え方だ。
祭壇に見立てられた山肌には、 高みへ 空へ
向けた梯子が 死者の数の分 描かれていた。
12. 鳥葬に際しては 出来るだけ早く事が済むよう
事前に肉体を切り刻み、 途中で骨をハンマーで砕く
専門の解体師がいる。 その音を聞き付けた
ハゲ鷹の群れが 傍で待ち詫びると言う。
ネットにはえげつない写真も沢山出ているし、
実際に鳥葬見学ツアーなどもあったらしい。 が、
近年は 死者を冒涜するようなことは避けようと
ある程度の配慮がなされているようだ。
13. チベットでは 階層に応じて 土葬 水葬
火葬 塔葬など 他のやり方もあるけれど、
4~5000mの高地では 埋葬用の土地がない、
火葬用の薪がない、 気温が低く腐敗も進まない、
高地に住む人々に 今日 鳥葬の習慣が続くのも
当たり前のことだろう ・・
” 2018年8月28日 果る ” というしるし、
チベット語での経文が書かれた岩肌もあった。
ただしこの山は 幹線道路に近いところにあるので
鳥葬そのものは 今や も少し山の奥まった所か
別の場所で行われるのではないだろうか。
さて以上、 どれ一つを取っても 印象的な、
感慨深い チベットの旅でありました ・・・
* * * * *
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コメント
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bellaさん、こんばんは(^o^)/!
かつての私の夢の旅先・チベット!1週間続きを楽しみにしていました w(^o^)w!
今回はラサを離れヤムドク湖へ行かれたのですね。ヤムドク湖の名は初めて聞きました。もしかしたら河口慧海氏の『チベット旅行記』の中に出ていたかも・・・?ですが、もう記憶にありません (^_^;;ヘヘッ!
はてさて・・・、まずはチベット犬。中国原産のチャウチャウを大きく毛深くなった感じですね。このような高地ですからヤク同様に毛深くなったのでしょうね。見た目は確かに「ライオン?」かも・・・
ヤクの姿、なんだか懐かしいです。ヒマラヤ・トレッキング中では何度も見ましたし、ヤクの肉のステーキを食べたこともありますし・・・。
5色のタルチョー、私の部屋にもありますヨ (^_^)ニコッ!洗濯するたびに色褪せてしまいましたけど、それぞれの色の持つ意味も知っていました。
チベットの民家、かつてネパール奥地で見た民家と似ていて、これまたとても懐かしく感じます。干してある糞はたぶんヤクの糞でしょうが、燃料に使えるのですよネェ!
有料トイレ、2元って日本円でいくらぐらいですか?しかし、あれで有料とは?(゚o゚)ナニッ!
鳥葬はずいぶん前、ドキュメンタリー番組などで数回見たことがあります。見たことはありませんが『鳥葬の国』と言う映画もあったそうですね。「死者の魂は天に帰る」思想があるそうで、これも一つの文化であり風習なのでしょう。しかし「鳥葬見学ツアー」なるものがあったとは・・・?鳥葬は決して見せ物ではない!と、唖然としたものです。
今夜も楽しいバーチャル旅行、ありがとうございました。
次はどこでしょうか?(^_^)ニコッ!
投稿: 慕辺未行 | 2020年12月11日 (金) 23時56分