« 2019年9月 | トップページ | 2019年11月 »

2019年10月

2019年10月25日 (金)

レジデンツ城の豪華なコレクション、やっぱりドイツ人ってすごい!

ドレスデンにあるレジデンツ城には アウグストゥス強王らが

集めた 4000点余の豪華絢爛なコレクションがある。

 

 

 


01. 真っ暗な部屋の 奥の壁に嵌め込まれた防弾ガラスケース、

411個の装飾ダイヤモンドに囲まれて 世界最大41カラット

( 8.2g インド産 ) のグリーンダイヤモンドが鎮座していた。


王様の帽子飾りに使ったというが きっと重かったことだろう。



2000年には 米国のHarry Winston社の手によって

スミソニアン博物館で展示されており 門外不出ではなさそうだ。

01_20191025110901





 

02.  マイセン磁器が普及する前 宮廷で使ったのは

金彩エナメル装飾された 豪華極まりない カップアンドソーサー

シュガーポット プレートなどだ。

  02_20191025110901





 

03.  繊細な装飾模様が施された ガラスの水差しやゴブレット。

金・エメラルド・ルビー・トルコ石などの細工が超絶技巧だ。

03_20191025110901

 





04.  18C初頭 ザクセン公は自らの権勢財力を誇示するため

こうした品々を集めたのは確かだが、同時に アルプス以北の国々の

誰しもが夢見た 華やかなイタリアの芸術への憧憬もあった。



そこで彼は 各地から才能ある彫刻家 金細工師 絵師を呼び寄せ

切磋琢磨させたのだ。   錬金術師を幽閉して マイセン磁器を

作りだしたアウグスト強王らしい 芸術志向の国策と言える。

04_20191025110901

 

 

 

 

05.   巨大なオウム貝やオストリッチの卵に 金銀の装飾が

施されたゴブレット。 貝や卵は大きいほど希少で貴重だったという。

(  右はビーナスの沐浴をテーマとしている。 )


シルエットも優雅、 ほのかに透けた光が何とも言えず美しい。

05_20191025110901

 



 


06.    イタリアに伍する芸術を目指しつつ やがて

それに勝るとも劣らない芸術作品がドイツ人の手で生み出された。



もともと 几帳面なドイツ人の能力が高かったこともあろうが 

中世時代から続いて来た ありとあらゆる分野の職人徒弟組織、

” マイスター制度 ” の効果が  長い歴史の中で結実した

一例だろうと 私は想像した ・・

 06_20191025110901

 



 


07.      「 ムガール帝国の宮廷ジオラマ 」


場所は 当時底なしの財力を誇ったムガール帝国の首都デリー、

ラージャと呼ばれる 6代目皇帝 Aureng-Zebの 

1700年頃の 誕生祝いにまつわる宮廷生活を模型にしたもの。 

07_20191025110901




 

08.   華やかな宮廷生活とそれにまつわる人々が登場する。


金ぴかの玉座に座る皇帝の下に居並ぶ家臣  美しい姫君達

象を連れて貢物を献上する人々  日除け付きの輿に乗る客人  

皿一杯の金貨を量る人々   ご馳走を用意する人 

黒板で何かを説明する役人、、、 


いつまでも 見飽きることのないジオラマだ !



全体では 16個のパール 160個のルビー 

164個のエメラルド サファイヤ1個 カメオ2個

4909個のダイヤモンドが使われている。

08_20191025110901


   

 


09.    動きを感じるデザインの 美しい貝の象嵌 

09_20191025110901

 




10.   装飾品ばかりでなく 別の階には馬具武具の展示

宮廷の衣装の展示もあった。 男性・女性・子供の衣装は


どれも立派ではあったが 当時の不便さが偲ばれた。

この立派なマント どれ程重たいことだろう ・・

10_20191025110901



 


11.   さて、これがレジデンツ宮殿の外観 ( 上の右側 ) ↘

中庭の景観など。  この宮殿も1945年の空爆で破壊され 

1985年から再建が始まった。 積み石の色が違う部分がある。

11_20191025110901




 


12.   話は変わるが、 レジデンツ宮殿から南に数百メートル

下がると 聖十字架教会があり、 向かいにこんな像が建っていた。

12_20191025110901







  
13.   この教会付属の ’聖十字架少年合唱団 ’ は

500年以上の歴史を持ち 合唱団の子供から多くの有名な

音楽家が輩出された。 彼らを指導した18世紀のドイツの作曲家

ユリウスオットーへ 敬意を表した像と思われる。

 


青い服の少年は 明らかに後代に作られたもので 

一体 彼が何者なのか 謎のまま!

13_20191025110901

 

 

 


結局 レジデンツのコレクションは 滞在中 2度訪れて

計3~4時間を費やしてしまったが  


意外にも!? 

ドイツ人の凄さを思い知らされた結果となりました。

 


 


*    *    *    *    *    *    *

2019年10月18日 (金)

ドレスデンは世界遺産を返上した! 貴族の権威を下支えしたのは馬!

 ドイツ東部にある街 「 ドレスデン 」 はエルベ川を挟んで

旧市街と新市街 (ノイシュタット) に分かれている。



 

 

01.   エルベ川に架かる 「 アウグストゥス橋 」 の左手の

旧市街には 大聖堂や宮殿・居城などが狭い地域にひしめいている。



写真左上の赤茶の屋根が 歴代のザクセン公の居城だった

「 レジデンツ城 」、その外壁に有名な君主の行進が描かれている。


橋に近いのが 三位一体大聖堂の塔 (86m) 

その左手が レジデンツ城の塔 (100m)

01_20191018161201




 


02.   写真右上に カローラ橋 アルベルト橋が見える。


かつてドレスデンは18kmにわたる川の流域の景観も含めて

世界文化遺産指定を受けたが、  中心から東に3km付近に 

新しいヴァルトシュレスヒェン橋が建設されたことで 

2008年 世界遺産指定が抹消された。

 


世界遺産の価値を守るか 市民の生活の利便・向上を目指すか、

橋の基礎部の工事を進めるか 中断して原状回復するか、 

国民投票で建設が採択されたのに 再投票の機運が起きたり、


すったもんだを繰り返えした挙句の 結論だった。

02_20191018161201

 




03.     川の景観は手前の聖母教会の塔から撮ったもの。

居並ぶ塔は まるで君主の行進の様でもある。

03_20191018161401






04.   さて、中心部のアウグストゥス橋は工事中だったが 

岸辺に遊覧船が停泊し  川面には筏も出ていた。


ブロイハウスマイセンという 15世紀からの歴史を持つ

ビールメーカーの筏、 櫓を漕いで一汗かいてビールを飲もう! 

という ” 筏フェスタ ” だろうかと想像した。

04_20191018161201





 

05.   さて 工事中のアウグストゥス橋を渡ってみた。

ヨーロッパのことだから 工事はのんびりと数年は続くだろう。


それでも 古い町のスカイラインパノラマは 値千金だった !

05_20191018161201

 

 

 


06.   橋を渡り切ると ノイシュタット側の入り口に

アウグストゥス強王の金ぴかの騎馬像があった。  ドレスデンを

これ程の城下町にしたのは 何といっても彼の功績だ。 

が、同時に   歩兵と比べて 王様が偉そうに見えるのは

かなり 馬のお陰もあるのでは、と思えてくる。

06_20191018161201

 

 

 

 

07.   騎馬像から北に伸びる ハウプトシュトラッセの雰囲気が

あまりにも素敵で、 ぶらぶらと往復してしまった。  

07_20191018161201




 

08.  旧市街に城などが築かれる前は もともと新市街側が

街の中心だったらしい。  緑地を挟んで大きな樹木が並び、


1階はお洒落なお店  その上はマンション、   こんな

ハウプトシュトラッセの高級住宅に住んでみたいものだ !

08_20191018161201
( 凸レンズガラス窓に木影が映る、、 レトロなトラック )

 

 

 

 


09.     ドレスデンにも アンと雪の女王が いました ・・ 

09_20191018161201




*   *   *   *   *   *

 

 

 

10.     さて再び旧市街にもどって、、 


ここはレジデンツ城内の厩舎 「 シュタルホーフ 」、 

真白の美しいアーチの歩廊広場を かつて宮廷の馬々が闊歩した。

 
壁の反対側には 代々の君主の馬上行進が描かれている。

10_20191018161201




 

11.      猫好き 犬好きなどと言うが、

ドレスデンは間違いなく  ” 馬好き ” だ。



レジデンツ城内には アウグストゥス強王と息子の 豪華絢爛、

珍らしいコレクションの数々が展示されているが、 とりわけ

武器室での 馬具 ・ 武具のコーナーは 華やかだった。

11_20191018161201




 

12.    中世フランスの貴族のスポーツ ’ トゥルノワ ’ 、

馬上で甲冑を着て 槍や剣を手にして 差し違える一騎打ちは

最も危険かつ最も高貴なスポーツとして 人々を熱狂させた。


そんな フランス宮廷文化はドレスデンにも及んでいた。

 


人馬共に 何とも華やかな装具に身を包んでいる !

特に  豪華かつ不自由な衣装を 着せられた馬たちの

忍耐力 賢さ けなげさに 憐憫と尊敬がわいてきた。

12_20191018161201



 


13.     通りでは 結婚式帰りの家族が歩いていた。

現代は 正装といっても身軽で助かります !

13_20191018161201



因みに トゥルノワは余りに危険で 多くの悲劇を生んだ為

危険緩和策や数々のルールが設けられたが、  1559年

フランスのアンリ2世が 折れた槍の破片が目に突き刺さり

短い生涯を終えてからは このスポーツの人気は凋落したという。

 

 

 

 


*    *    *    *    *    *    *

 

 

 

 

2019年10月11日 (金)

ドレスデン爆撃から復興した街・マイセンタイルに描かれた君主の行進


「 ドレスデン Dresden 」 はドイツの東端、チェコまで30km

に位置する エルベ川沿いに開けたかつての宮廷都市。
 

”エルベ川のフィレンツェ ” とも讃えられたが、第二次世界大戦の

空襲で深刻な被害を受け、ようやく今世紀に入って復興した街だ。





 

01.    ドレスデンの第一印象は ” 黒い! ”  

初日は曇天だったこともあり 街は陰鬱な表情を呈していた。



この地域の砂岩に含まれる鉄分の酸化により 石材の表面に

ポツポツと現れるシミが やがて側壁一面に広がっていく。
 

爆撃による黒煙・煤でこうなった、と解説する人もいるが 

一時の空爆で街中の建物がまんべんなく黒くなるはずもない。

01_20191011160201

 





02.    翌日は晴天、同じ場所を反対側から眺めた風景。

太陽の光の下 塔は また違った黒味で輝いていた。



かつてロンドン・パリの街並みも同じ様に真っ黒だったが 

それは 産業革命以後 街中を覆った石炭の煤等が原因だ。 
   

例えばパリは ドゴールの掛け声で 一斉に町が洗浄され 

今日の様な白いパリが再現した。  ドレスデンと異なり 

石の内部からの腐食でなかったのが幸いした。

02_20191011160201




 


03.   さてドレスデンの旧市内中心部は 第二次世界大戦で

激しい爆撃を受けほぼ壊滅した。  しばらくは茫然自失の状態で、

市民たちが再建に立ち上がったのは ようやく1990年頃、

一応の完成をみたのは2005年だった。

03_20191011160201




 

04.    「 聖母教会 Frauenkirche 」


建物全体がほぼ崩れ落ちたが その丸いドーム屋根の残骸片が

今でも 記念碑的にそのまま広場に置かれている。



聖母教会の再建には世界中から182億円もの寄付が集まったが

爆撃した連合軍 特に米英などから多額の寄付があったという。

04_20191011160201




 

05.   崩れ落ちた瓦礫8500個から 使える石材3800個

を拾い出し、コンピューターを駆使しオリジナルピースを可能な限り

正しい位置に嵌め込んだ作業は ”ヨーロッパ最大のジグソーパズル ”

と評された。   我が国の熊本城の復元の難事業も思いだされる。

05_20191011160201

( 石材が黒い北側の遺構が 崩壊を免れた一番面積の広い部分だ。

ドーム瓦礫片の内側は 酸化していないのが分かる。 )

 



 


06.   一方 アウグストゥス通りに面した レジデンツ城

外側の歩廊の外壁部分に描かれた有名な壁画 「 君主の行進 」 

は 奇跡的に戦火を免れ 当初の面影をそのまま留めている。 

06_20191011160201



 


07.    2万4千枚以上のマイセン磁器タイルを用いた 

全長約100mの壁画には 1123年から1904年までの 

歴代35人のザクセン君主たちが 家臣と共に描かれている。



タイルはもともと1200度で焼かれるものだから 物理的に

破壊されないかぎり 戦火には強いはずだ。

 07_20191011160201
 




 

08.  行進半ばに 豪華なマントをひるがえすザクセン選帝侯

アウグスト強王 (18C中期) が描かれている。 
 

ライオンのミルクで育ったという彼は 大変な怪力で、 

数々の愛人との間に 360人も子を設けたという。



しかし強いばかりではない。   芸術をこよなく愛し、 

東洋の白磁に憧れ 錬金術師を幽閉してまで 

マイセン磁器を生み出させたのが  実は彼だったのだ !     


己が生涯を賭して求めた白磁、そのタイルに自身が描かれ 

こうして 誇らしく永遠の行進を続ける彼の境地や如何に・・ 

08_20191011160201



 


09.      時代が進むに連れ 

馬具や軍旗 軍服や武器が 徐々に変化して行く。

09_20191011160201

 

 

 

 

10.   それぞれのスタイルで 「行進」 を見物する人々。

10_20191011160201





 

11.       「行進」 を抜けた広場の一角で。

11_20191011160201







12.   04.の聖母教会の南側はほぼ新しい石材で再建され、

白く美しく輝いていた。 到着初日と印象が全く異なって来た・・



広場でミュージックフェスティバルが開かれていた。

マルチン・ルター像も 賑やかな音楽に耳を傾けている !?

12_20191011160201



 


13.   私が旅行を計画する際、 ドレスデンは結局最近

作り直しされた新しい街だから 大したことないのでは、

などと言う意見も実はあったのだが、


新旧・白黒の石材を組み合わせたあの ”ジグソーパズル” を
 
目の当たりにして、  人間の業は凄い! っと思った。

13_20191011160201

 

それに ドレスデンの いにしえからの諸々の宮廷文化、

エルベ川を挟んだ旧市街とノイシュタットの美しき絶景、


やっぱり 訪ねるべき街でありました ・・

 



 

*    *    *    *    *    *    *

 

 

 

2019年10月 4日 (金)

公道なんですけど!マリオカートツアー・コートールド美術館展も満喫

 


01.    一昨日 東京上野に絵を見に出かけたところ 

話には聞いていた 例のマリオカートツアーに遭遇した。

01_20191004100101




 

02.     上野駅公園口付近 

一段と車高の低い一団が坂道をよじ登って行く。

02_20191004100101






03.   軽自動車扱いで 公道を走れるそうで 

ナンバープレートがそれぞれに付いていた。 


任天堂の訴訟に負けたこともあり マリオの恰好ではなかったが、 

外国人観光客は それぞれ鉢巻など巻いて楽しんでいる。

03_20191004100101





 

04.      赤信号で 神妙に停車していたが、 その先

工事中の仕切りで細くなった道が お誂え向きのコースとなって

左カーブ、、 右カーブ、、 またまた左カーブ、、   

この上なく楽しそうに走って行く !


時速60kmまでは 出してよいそうだ。

04_20191004100101







05.    しかしこんなに車高が低く、身体もむき出しなのに 

ヘルメットもかぶらず、 

カートが こうして公道を堂々と走れるのが不思議でならない。

ここは遊園地じゃございませんのよ !

 


両方とも一方通行道路の交差点、 向こう側からトラックが・・

05_20191004100101



 


06.  交差点ではガイドの合図で みんな右折して行った。



カートの会社はいくつかあり、コースも色々だが

2時間でおよそ15000円くらい。  SNSで知って 

これを目当てに日本にやってくる外人も多いと言う。


ニッポンって どこまで平和なんだ ~ !!

06_20191004100101







07.     さて、訪ねた東京都美術館では 

「 コートールド美術館展 」 が開催中。


マネの 「 フォーリーベルジェール 」 が目玉だ。

音楽・歌・踊りは元より、サーカスやカンガルーとのボクシング

など 娯楽の殿堂ホールでのバーテンダーが描かれている。



手前のバラ オレンジ シャンパン ビールなどの静物画

存在感があって びっくりするくらい上手だった !

07_20191004100101




 

08.   館内のカフェレストランでのお勧めは マネの絵の

左下に描かれたシャンパンになぞらえたスパークリングワイン。  



私は メニューの ”  ウインナコーヒー ”  を頼んでみた。 

ウイーンに ウインナーコーヒーは存在せず

こういうコーヒーは ” メランジェ ”  と言う。

文化の交流は面白い。

08_20191004100101



 


09.    因みに 今回の展覧会、本家のコートールド美術館の

改修工事に伴い 1点ではなく このように馴染の絵画が

大挙して来日しておりました。  名古屋 神戸にも巡回する。

09_20191004100101






*    *    *    *    *    *    *

 

 

 

 

« 2019年9月 | トップページ | 2019年11月 »

2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

リンク先

フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

ココログフレンド