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2019年5月24日 (金)

ノーベル平和賞とノールウェー  国王夫妻の醜い?肖像画

マザー・テレサ ダライ・ラマ 金大中 アウンサン・スーチー

ネルソン・マンデラ 佐藤栄作 バラク・オバマなどが 受賞した

ノーベル平和賞は    

ここ 「 オスロ市庁舎 1950年建設 」 
で授与式が行われる。



セレモニーが行われる セントラルコートと共に

館内を彩る 多くの 独特な雰囲気を持つ壁画・絵画も見どころだ。





 

01.     ノーベル賞と言えば 毎年スウェーデン・アカデミーによる

発表が注目されるが、  実はノーベル平和賞だけは ノールウェー国会の

選考委員が受賞者を決め このホールで授与式を行う。


他の5つのノーベル賞とは全く別物なのだ。

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02.     普通壁画と言えば真ん中に神がいて 上部は選ばれし聖人

下部に地獄に落ちんとする人々が描かれるものだが、  このフレスコ画 

「 働き楽しむ人々 」 では 一般庶民を主役として  ノールウェーの 

平和 自由 健康 男女の平等などが 象徴的に表現されている。

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03.    反対側の壁画には 労働者 特にノールウェーに大きな恵みを

もたらす漁業に従事する者たちが描かれている。

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04.      ノールウェーは 約90年間 スウェーデンとの連合王国

と言う形で スウェーデンの支配下にあったが、 

激しい独立運動を経て独立したのが1905年。       その後、 



2つの世界大戦 ナチスドイツの占領 などを経て ノールウェーが 

豊かな自由国家になっていくのに50年かかり、        さらに 



他国に干渉しない ’ノルディックバランス’ という独自の外交方針を

以って 世界にその存在感を知らしめるのに もう数十年かかった。

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05.    ホール下部にある絵では 竜頭付きのヴァイキング船の勇者と

ヌードの女性で、  ノールウェーの今昔を一言で表現している。


壁画には経年変化のクラックや 観光客の衣服の摩擦などによる色落ちが

あり  こうしてリタッチ補修が時々行われている。 

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06.     2階でも 女性の参政権運動 ナチ占領時の恐怖

労働者の権利獲得などにまつわる 様々な壁画が描かれていた。 



ちょっとユーモラスな、 明るく薄い色合いで描かれたオスロフィヨルドの

ビーチの絵、 平和の証し 健康・自由を謳歌する人々が描かれているが、 

真っ暗で陰鬱な極夜の時期には  一層人々に元気を与えることだろう。

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07.     さてその隣りに ノールウェー王室の前国王と王妃の肖像画が

飾られていた。  ハーラル王は デパート経営者の娘で洋裁と仕立てを学んだ

平民女性 ソニアと 多くの困難を経て9年かかって結婚したと言う。 

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08.     その肖像画にびっくり!  王様とあれば 普通は必要以上に

美しく描くだろうに   この汚れたような 醜い!? 仕上がりは ・・・

メディアからの批判もあったそうだ。



結局 この絵は言わば ’宮廷お抱え絵師’ によってでなく 

市民の手によって描かれた現代画 と言えそうだ。    そして



現代絵画独特の自由な表現法が許される先進的お国柄と  絵に

お墨付きを与えた国王・王妃の鷹揚で進歩的な姿勢が  

この絵から透けて見える。

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09.     さてここは 「 結婚の間 別名ムンクの部屋 」

市民がこの部屋で 結婚の届け出をする。

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10.     ムンクの絵 ’ Life ’ を背に 幸せそうな二人

’ 不幸を絵に描いたような絵 ’ が多いムンクだが

この作品は 爽やかで美しい ! 

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   ( 婚姻手続きの写真は human-Etisk Forbund から )







11.     ところで 何故ノーベル平和賞だけノールウェーなのだろう。


ノールウェーの独立運動が最も激しい時期に晩年を過ごしたノーベルが

スウェーデンとノルウェーの和解と平和を願い 遺言を残したそうだが、



独立後 経済力と 中立化路線で政治力を付けたノールウェーにとって

ノーベル平和賞は  それを授与するに相応しい平和国家であり続け

ねばならないと 自らを戒めるよすがとなっていることだろう。

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12.     揺りかごから ご老人まで 高福祉の恩恵を受ける

オスロ市民たちのひとコマ。     マフラーを被る子供たちもいる。


ノールウェーの移民受け入れ数は 2016年を境に激減している。

どの国も 自国ファーストとヒューマニズムのはざまで葛藤している問題だ。   

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13.     日本人と同じく  ” 木肌のぬくもりを知る国の人 ”、

彼らも 休憩時間は スマホをいじる。    

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市庁舎見学の折には、   キリスト磔刑図のような宗教色もなく 

ナポレオンの歴史画のような派手さもなく、

どう把握したらよいか つかみどころのない宙ぶらりんの気分だった。





しかし 西ヨーロッパの国々と一線を画した 独自の文化と政治

それこそが 北欧らしさなのかも知れないと気付いたところでした。

 





*    *    *    *    *    *    *

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コメント

bellaさん、こんばんは(^o^)/!
実は私もノーベル平和賞だけがなぜノルウェーなのか、疑問に思っていました。
ノーベルの遺言によるものだったのですね。
それにしても前国王夫妻の肖像画・・・、たしかに何故このような肖像画に?と思わずにいられないですね。しかしこの絵にお墨付きを与えた前国王の心の広さに感服です。

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