南仏「カルカソンヌ」 鉄壁の二重城壁、塔からブタが投げ落とされた!
南仏ラングドック・ルシヨン地方にある 「 カルカソンヌ Carcassonne 」 は
地中海とツールーズを結ぶ交易路上の中心都市として栄えて来た。
それぞれの時代の支配者たちが造った堅牢な城壁が
旧市街 ( ラ・シテ La Cite )を ガッチリと二重に囲んでいる。
01. 見るからに頑丈そうな城塞だが、 解説書によれば
その独特な姿から 知恵の限りを尽くした中世の攻防戦の様子が窺える。
城壁の内・外に 跳ね橋 落とし格子付き固定橋 跳ね出し櫓
銃眼付き防衛壁 巡回路付き幕壁 望楼 石落とし 等々の仕掛けがある。
02. 内壁 Enceinte interieuer と外壁 Enceinte exterieure は
5~13世紀にかけて 継ぎはぎしながら造られていったものだが
これ程見事な 鉄壁の城壁は 私はかつて見たことがない。
03. 入口の 「 ナルボンネーズ門 Porte Narbonnaise 」 をくぐると
急勾配の小道の両側に 中世の街角が待っていた。
04. さて 8世紀 カール大帝がこの城を兵糧攻めした際のこと、
王は既に亡く 王妃ダーム ・ カルカスは 何とか籠城5年目を迎えていた。
兵隊の多くを失い 食料も底をつきつつあった。 彼女は兵隊の代わりに
カモフラージュの藁人形を並べるなど 様々な策を尽くしたが 、、、
遂に食用の豚が一匹になった時、 彼女は なけなしの貴重な小麦を
敢えて豚に食べさせ、 なんと それを塔から投げ落とした!
地面に叩きつけられた豚の胃袋が裂け 大量の小麦があふれ出した。
それを見たカール大帝側は カルカソンヌ城には 豚に食べさせるほど
充分な食料がまだある、 これ以上粘っても無駄だと 撤退を決めた。
05. 撤退しかかった大帝軍に 王妃カルカスはラッパを吹き鳴らさせ
和平を結ぼうと呼びかける。 すると王は承諾し 見事に条約が結ばれた !
カルカソンヌという街の名前は ” Carcas sonne カルカスが吹き鳴らす ”
という由来がある。 ( 鳴らしたのは鐘という説もあるが
仏語では ラッパ les trompettes と表現されている。 )
伝説とは言え、 窮地に陥っても 知恵を絞り 捨て身で対処することで
逆転勝利の道が開けることがある という教訓になりそうだ。
06. ここは 「 伯爵城館 Chateau Comutal 」 広場
なんで みんな携帯電話でお話し中なの 、、、
っと思ったら 音声ガイドを聞いてました ~
07. 素敵な家並、 木骨造りで二階の方がせり出している。
08. 6月のこの日、 まだ本格的ヴァカンスの時期ではなかったが
どこも観光客でいっぱいだ。 カルカソンヌは パリやモンサンミッシェルと並び
フランスの世界文化遺産の人気上位に位置しているので 当然かも知れない。
09. この 「 大井戸 14C 」 は ラ・シテ内にある22の井戸のうち
最も古いもので 財宝が隠されているという言い伝えもあるが、
丘の上に造られた城塞都市にとっては 井戸から湧き出る水そのものが
金銀財宝だったに違いない。
10. 「 サン・ナゼール寺院 St-Nazaire 」
11. カルカソンヌが位置する ラングドック ・ ルション地方は
地中海の風が恵みを与えるワインの産地として有名だが
レストランテラスにも 地中海の明るさが満ちていた。
12. さて、 こちらのレストラン 名前が格別素晴らしかった。
「 時の鏡 Le Miroir du Temps 」
歴史ある街角にぴったりの 趣き深いネーミングだ ・・・
13. 東側から入城したが 西側からラ・シテを退出。
振り返えると 城塞の丘が見え、
橋の下では オード川 l’Aude の水面がキラキラ光っていた。
こんな美しい風景の中では ビキニになって日光浴でもしてみたい ・・
オッと 先客がいらした !!
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コメント
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bellaさん、こんばんは
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南フランス・カルカソンヌ・・・は、初めて聞きました
二重に造られた城壁、スゴイですね。中世ヨーロッパの戦争と防御に対する知恵が感じられます。
城壁はもちろん街の様子も、とても興味があります。
それにしても王妃は、実に聡明な方ですね。
捨て身の策が功を奏し、和平条約を結び、街も自身も守ることができたのですから。
城壁を出れば、また違う世界が広がっているのも魅力ですね。
コートダジュールと呼ばれるカンヌやニースに近いところなのでしょうか?
オープンテラスでの憩いのひと時が、羨ましいです
投稿: 慕辺未行 | 2017年12月 1日 (金) 23時10分