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2017年11月

2017年11月24日 (金)

南仏アルビ 「ロートレック美術館」  だってフランス人だもの!


南仏タルヌ県にある 「 アルビ Albi 」 は    ローマ・カトリックと

厳格な規律を持つカタリ派との激しい宗教抗争が続いた時代、

十字軍の派遣などによる戦乱期、  などを経て


ルネッサンス期に 商業・産業の繁栄を謳歌した街だ。







01.     「 サント・セシル大聖堂 Cathedrale Ste.Cecile 13C 」


天に伸びる塔を持たない 城塞のような独特の外見だ。   これは

現実的権威と威光を 民衆や内外の諸勢力に見せ付けんと意図したもの。



創建の300年後に ベッドの天蓋みたいな入口ポーチが付け加えられた。 

とにかく 全体が馬鹿でかい。

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02.      傑作大壁画 「 最後の審判 16C 」     


上段は 黄金の後光を持つ使徒、 すでに教会に迎えられた聖人

中段は 自分のこれまでの行いをまとめた報告書を持ち審判を待つ人々

下段は 地獄に落ち 罰を受ける人々


さて、 私なら どんな報告書を書くのだろう ・・・



聖堂内部は 全面美しい装飾模様が施されている。  個人的には

ストラスブールと並んで フランスの最も美しい聖堂の一つだ。 

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03.     アルビに 種々の繁栄をもたらした 「 タルヌ川 Le Tarn 」 


手前が 「 古代橋 Pont-Vieux 」、 向こうが 占領ドイツ軍が撤退した終戦の

記念として 名づけられた 「 1944年8月22日橋 Pont 22Aout 1944 」



ポン・ヴィユーや旧市街の町並みは アルビの司教都市として、 

ユネスコの世界遺産に登録されている。

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04.     アルビの家々は タルヌ川流域で取れる粘土を原料としてつくる

バラ色の煉瓦で覆われている。 南仏の強い日差しにお似合いの色だ !



アルビ帽は アルビジョワ Albigeois 独特のムードを醸し出している。

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05.      さて ” 煉瓦色の肌 ” を持つこちらの男性は如何でしょ。


話しかけるのも恐ろしかったけれど、     彼は親切に道を教えてくれ 

ちょっとした荷物を わざわざ階段下まで運んでくれました ~

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06.    「 サン・サルヴィ回廊 Cloitre Saint-Salvy 」  清楚な白い花が

咲き乱れる中庭で遭遇したのが  熱狂的三島由紀夫ファン。


ミシマ!ミシマ!  彼はいいよ、凄いよ、 日本人なら知ってるだろー



しかし その人は相当酔っていた、、  絡まれそうだ、、  危ない、、

日本びいきのフランス人は ある種インテリだ。


でも ここでは 申し訳ない、  私は一目散に逃げました ~~

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07.      とある街角、 少々奥まった広場で 幼稚園の発表会

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08.       お兄ちゃんの発表会について来た弟くん。


今は ぬいぐるみなんかを抱いてるけど、 もうすぐ 可愛い女の子を

その腕に抱き寄せるに違いない。      だってフランス人だもの !

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09.       とある街角、  ワン公の落し物、   坊や 無事通り抜けました ~

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10、      とある街角、  こちらでは 盆栽と盆栽本が売られていた。

少々 作りのあまい仕立てではあるけれど 日本人としては何だか嬉しい。



さらにロートレック美術館の入口にも 竹ささが植えられ灯篭が置かれていた。

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11.    13世紀に建てられた司教館 「 ベルビー宮 Palais de la Berbie 」 が 


今は その 「 ロートレック美術館 Musee Toulouse Lautrec 」 になっている。

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12.      さて、 美術館に入ったのが 11時25分。  昼休みがあるなんて

想像だにしなかったが、  11時55分には 追い出しをくらった!


あれよあれよという間に 行く手のドアが閉められ 通路に鎖が張られ

私達は出口へと誘導された。  



ランチタイムは働くスタッフにとっての権利だし、  甘い顔をしていたら

観光客は永遠に出て行かないことを彼らは知っているのだろう。


きっちり合理的だ。        だってフランス人だもの !

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13.     この美術館に収蔵された 1060点の作品は ロートレックの母親

アデール伯爵夫人がアルビ市に寄贈したものだ。



ツールーズ伯爵家の跡継ぎとして 父親がロートレックに寄せた期待が大きかった分

不具となった息子への落胆ぶりは甚だしく、  父子はほぼ絶縁状態。


唯一母親が 陰ながらロートレックを支えたと言う。

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有名な多くの絵画やポスターの中で 特に この母の像が私の心に残った。 



ロートレックは あんなに小柄で 確かに不遇の人生だった。



でも パリでは絵を描き 人と交わり 美食にこだわり、 

不幸の裏側で 濃密なバラ色の人生 La vie en rose を送ったかも知れない。  



だってフランス人だもの !








.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.
   

2017年11月17日 (金)

今日の絵画 「 牧童の夢 」


今日の絵画  「 牧童の夢 」     木炭





ヨーロッパの街々を一歩出ると たいてい農地が待っている。


作物用の農地もあれば 動物たちの牧草地もある。

牛や羊が 当たり前のように 風景の一部となっている。



そして 時として 羊飼いや牛飼いに出会う。


彼らに会うと、 きっと私の買い被りに違いないが 、、、

彼らが哲学者に見えてしまう。 


もしくは ’ ボロを纏った賢人 ’ というヤツに見えてくる。




一方、 動物たちは 畜生の身であるけれど

頼まれもせず  密かに彼を守る時もある。


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★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・★゜

   

2017年11月10日 (金)

死体の花 「燭台オオコンニャク」 キューガーデンズ 


「 ショクダイオオコンニャク  学名Amorphophallus titanum 」 は、

サトイモ科 ・ コンニャク属の植物だが、  

その名の通り ロウソクを立てた燭台のような形をしている。






01.     日本では1991年 文京区の小石川植物園で 初めての開花を

みたが、 今や日本の各地で見られるようになった。 



これは 2005年 ロンドン・キューガーデンズでの開花の様子だ。

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02.      5月のある朝 開花したショクダイオオコンニャク。 


もともと インドネシア ・ スマトラ島の熱帯雨林に自生する植物で

7年に一度 2日間しか咲かない世界最大の花として有名だ。

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03.     ただ 桜のようにパッと咲いてパッと散るのではない。  


強烈な腐臭を発して甲虫類を呼び寄せる役目を持つローソク状の 「 花序付属体 」

  というのが真ん中にあり、 まわりのフレアスカートのような 「 仏炎砲 」 が 

開いて閉じるのが2日間ということだ。 
 

従って全体が枯れるには数週間かかる。

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04.      全体で大きな花に見えるが 本当の花は 燭台の底部にある。   

切り取った穴から 「 雌花 」 と その上の黄色い 「 雄花 」 が見える。  


ここに落ちた甲虫が 花粉まみれとなって 受粉を担う訳だ。

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05.      ピンセットで雄花をつまむ。

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06.      個体によっては フレアスカートが外側に大きく開くのもあるが、


このキューガーデンズの花は慎ましく? これで最大限の開花だ。

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07.      ところで  「 死体の花 」 とも呼ばれるこのオオコンニャクが 


開花時に 強い腐臭を発するのは、  自生地のスマトラの熱帯林の奥深い所から 

素早く虫たちをおびき寄せ、   制限時間内に首尾よく受粉させるのに 

必要不可欠な仕組みなのだ。

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08.        翌日には 花序付属体が こうべを垂れ、

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09.       すっかりしぼんでしまうまで 約2週間だ。

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10.      ところで ショクダイオオコンニャクは   種の発芽から

開花に至るまでの  全行程では10年から13年はかかるそうだ。   


自然の自生地なら別だが、  人工栽培で花を咲かせるには   

たとえ専門の植物園にあっても 相当な知識と経験が必要だ。

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11.      ここまで育てば あとは開花を待つばかり。

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12.     こちらは参考まで、 2006年のボン植物園の三つ子のオオコンニャク。


白黒写真の開花は1937年のもの。   右下は 開花時の湯気 !

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13.      因みに ボン大学付属のボン植物園も 1759年開園の

キューガーデンズと同じく 古い歴史を持っている。


しかも この巨大コンニャクが ボン植物園のシンボルマークになっているほどで

その育成には造詣が深い。 



2000年 史上3位となる花丈257cmのオオコンニャクの開花時には

温室に 3日間で約 1万5千人の見学者と報道陣が駆けつけたと言うことだ。

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                          (   図表は ボン植物園のHPから  )





日本でも 神代植物公園や小石川植物園での開花の際は 長い行列が出来た。



動物園のパンダのように 植物園ではオオコンニャクが目玉となれば良いが



6~7年に1回では 効率が悪いかも知れないし、

「 死体の花 」 の匂いのこともある。



しかし あの巨大さは見事だ ・・



いろんな意味で 興味深い花ではある。








☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;;:*☆*:;;;;;:*☆*:;;;;;:*
   

2017年11月 3日 (金)

越中八尾の祭りは 小説「風の盆恋歌」 不倫・悲恋の舞台なり!

 
富山県南部八尾町 (やつお) に 「 月見のおわら 」 という祭りがある。

9月1~3日に催される 「 おわら風の盆 」 の姉妹版だ。



風の盆では 11の支部がそれぞれ自分の町内だけで踊り、 観光客側が

それらを見歩くのだが、  9月後半の 「 月見のおわら 」 では 

踊り手側が各町内を流し、 観光客はあまり動かずに済むという仕組みだ。 







01.     夕暮れ時、 家並みに沿ってぼんぼりに橙の灯がともる。


空には 鋭い三日月が輝く。   「 月見のおわら 」 という名に相応しい

幻想的で美しい舞台装置だ !

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02.     八尾の街並みは 井田川の河岸段丘に形成されている。  


八尾大橋の両側に 踊り手のレリーフが並ぶ。    西洋なら 

橋桁に聖人像が居並び、 向かいの丘に教会がそびえるという構図だ ・・

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03.     「 八尾曳山展示館 」 では 豪華な曳山山車をはじめ

祭りの歴代のポスターや日本画、 蚕の繭玉などの展示があった。

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04.     日本の道100選にも選ばれた諏訪町本通り、

人々は語らいつつ 祭りの開始を待ちわびる。



 「 風の盆 」 は 宣伝活動もあって 最近はかなりの人出があるが

本来 日本の祭りとしては かなり地味な部類だ。


阿波踊り 土佐よさこい 京都祇園祭 東北各地のねぷた 

岸和田だんじりなどの 熱気と派手さを期待してやって来るとしたら 

’ 失望の憂き目 ’ を見るに違いない。

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05.      ところで 小説 「 風の盆恋歌 ( 高橋治著 ) 」 は 

金沢 パリ 京都 特に ここ八尾を中心的な舞台として展開される 

家庭のある中年男女の不倫 ・ 悲恋を描いた物語だ。



主人公の男性は 海外経験の長い大手新聞社の外報部長で 妻は弁護士。

女性には心臓外科医の夫と大学生の娘がいる。     高校生以来 


たまたま パリで再会した二人は 改めて恋に落ち、 

以来 年に一度 八尾の風の盆の期間だけ 逢瀬を重ねることになる。

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06.     音曲が遥かに聞こえても 祭りの本隊はなかなかやって来ない。

見物人は まだかまだかと待ちわびる。   それはちょうど 主人公が 

祭りにやって来るはずの女性を待つ 焦燥感に似ているかも知れない。



さて、 揚々やって来た踊りの列は 歌や楽器があるにも拘らず

ある種葬列のような厳かな趣きがある。


阿波踊りのような足音もなく、 どこからともなく近づいた踊りの群れは

ゆっくりと どこへともなく去って行く。

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07.      踊り手の顔は 深く深く 編み笠の中に隠されている。
 

農作業の身振りを採り入れた踊りは 素朴な動作の繰り返しで

ある意味退屈であるが、 ある意味内省的である。



近づくのが遅い分 列は 私の目の前に長く留まってくれた。

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08.     小説の主人公は 逢瀬のために 八尾に家を一軒購入する。 


作家は 実際の古民家を設定して書いている。 

彼らが愛を交わした家は こんな家並の一角にあるのかも知れない ・・   



実際の祭りと小説の筋立てが溶けあって 私の心にロマンチックが渦巻いた ・・

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09.     三味線に混じり 胡弓がやって来た。 太ももに置いた楽器を

陶酔気味に奏でる男性の 弓なりの姿勢が目に焼き付いた。 
 


歌も三味線も太鼓もあるなかで、 胡弓の哀愁の音色は傑出していた。 

それはまた 小説の底流にある悲恋の象徴音のようにも聞こえた。

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10.      踊り手は 男も女も若かった。 小・中・高 そして青年団が

八尾の踊りと文化を守り継承している。     私はなんとかして 

笠の中の顔を見たかったが 実に巧みに隠されていた。



そう言えば 小説の 人目をはばかる不倫の女性も 踊りに参加していた。


編み笠の中には 時として 人生の秘密が潜んでいるかも知れない。

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11.       それぞれの支部の最後尾には ギャラリーが付いて歩く。 

興奮するでもなく ただ黙々付き従う姿が 奥ゆかしい。



ところで 主人公たちの秘めた恋路は ある日、 毎夏八尾に出かける母を

不審に思った娘によって暴かれることになる。

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12.      その後 京都での逢瀬を最後に、 しばらく音信不通のまま

それぞれ別の人生を送るのだが  やがて 男は原因不明の病に冒される。




そして ある年の風の盆祭りのさ中   八尾の隠れ家に突然現れた娘に、

  ” 母は死んだ ” と告げられる。

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        ( 夜9時半  観光客たちを 感謝で見送る踊り手たち   )







13.     数日後 恋人を失った悲しみの慟哭で 息も絶え絶えの男の耳に 

女性からの電話が鳴った。 彼女は生きていた !  娘は嘘をついたのだ。



しかし時既に遅く、 八尾の隠れ家に女性が着いた時 彼は冷たくなっていた。



彼女は 持ってきた喪服に着替えると  睡眠薬を大量に飲み

男の頬をさすりながら、 あなたの側に行くわね、今度はもう離さないでね、

とささやきながら 永遠の眠りについた 。。。

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てな事を 頭に浮かべつつ 

いろいろ想像しつつの 八尾の祭り見物でした。



確かに  地味でおとなしい祭りだったが 

その分 一層意味深なものを投げかけられた気分ではあった。





ところで 小説ではもう一つ 「 酔芙蓉 」 が 名脇役として登場する。


真っ白から淡いピンク、 濃いピンク そして茶褐色まで 

花色が 一日で変化する様は


まるで 女の一生を目の前に見せ付けるかのようだ ・・・





私は せめて茶褐色の一歩手前で 長く踏ん張りたいもの ・・・ ^&^








★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★   

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