「アンコールワット」 天に近づくため65度の急勾配をよじ登ります
アンコール遺跡群の中でも 最大の規模と建築様式美を誇る
「 アンコールワット 」 は ヒンズー教の宇宙観を地上に再現したもので、
年間300万人も訪れる観光客を魅了している。
01. 世界の中心にあり、神々が住むとする須弥山 (しゅみせん) を
象る中央祠堂へは 急な階段をよじ登ることになり、
尊きものに近づく畏敬の念を 否応なく感じさせられる。
02. 写真の通り、 アンコールワットそのものは 無限の大洋を意味する
広大な環濠 (1.5kmx1.3km) に囲まれた 小さな四角に過ぎない。
濠手前の正門からの西参道は 長い道のりとなる。
03. 中央祠堂は 長方形の回廊に 三重に囲まれている。
写真は一番外側の第一回廊で、 須弥山を囲むヒマラヤ連峰を意味している。
04. 第一回廊の内側にある 「 十字回廊 」 当時は
四角い4つの回廊に 王国の農業を支える貴重な水が蓄えられており、
高貴な人の沐浴場でもあったと言う。
05. 第二回廊から 第三回廊を見上げる。 このような階段が
四方に計12面あり、 昔はどこからでも上がれたが、 転落事故も多く
現在は 一か所に限定されている。
06. 65度の急勾配の石段の上に 別途設えられた踏板と手すりが
押し寄せる観光客の安全を担っている。
07. 第三回廊の内側と外側。
08. 眼下の第二回廊のテラスが 意外と広いこと、 また
第一回廊の伽藍と合わせ 相当立派な建築物だったことがわかる。
シェムリアップの密林も 遥かに続いている。
09. さて アンコールワットの最大の魅力は 回廊のレリーフ群だ。
インドの古代抒事詩が壮大な絵巻物となって 東面、北面 西面など
各回廊の四辺の壁を彩っている。
乳海撹拌 (下右) や マハーバーラタ (下左) などはほんの一部だ。
しかし 実際はぐるぐる巡っているうちに 自分がどこにいるのか
分からなくなってしまう。 強く興味を抱く人は
前もって物語や絵柄をよく予習しておくのがいいかも知れない。
10. 一方 セクシーでたおやかなデバタ―像には 女性美が溢れており、
ダイレクトにその魅力が伝わって来る。 顔 冠 首飾り 手の位置など
同じもは一つもない。 それぞれどこか違っている。
黒光りしている部分は 金箔の下地に塗られた漆層が残ったものとされる。
11. さて、西日に向かって 西参道から退出する。
シンハ像のお尻が可愛い ・・
12. 参道の両側にある聖池に アンコールワットが写り込み
有名な ’ 逆さアンコールワット ’ が出現する。
場所により 尖塔の数が 3基から5基へ変化する。
13. 環濠沿いの静かな夕げ 、、、
門外に出ると 日常と観光客の匂いが入り混じっていた。
王と神が一体化するため造られた 聖なる場・アンコールワット、
三重の回廊を一段登るごとに 天に近づいてゆくとされた。
西洋の教会も 神を目指して天へ天へその塔を伸ばしていった。
高さでは及ばずながら 壮大な宇宙観は アンコールワット遺跡群の方が
より肉厚に表現されているかも知れない。
それは 自然や動物 そして人間や農業、 プリミティヴなものを
そのまま取り入れた土着の強みのせいかも知れない。
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コメント
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こんばんは
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今回はいよいよ、アンコールワット!ですネ (o^-^o)!
傾斜角度65°?普通なら三点確保しないと登れない角度ですよ。
人工的に作られた階段でさえ、人々が「恐る恐る」上り下りしているのが分かります。
しかしアンコール朝全盛期には、オレンジ色の法衣を纏った僧侶たちが、
あの急な階段を毎日のように上っていたのでしょうね。
空から見たアンコールワットの全体の姿、初めて見ました。
”環濠になっている”とはよく聞いていたものの、イメージできず・・・
写真を拝見して、「こんな風になっているのか?!」と驚きました。
須弥山といえば、チベット仏教の曼荼羅には欠かせない”聖なる山”、
ということは・・・アンコールワットそのものが『立体の曼荼羅』と言えなくもないような・・・。
見事なレリーフ群も風化することなく、後世まで長く残ってもらいたいものです。
門外の”日常と観光客が入り混じった”光景、あの雰囲気、大好きです。
「あぁ~、旅に出たい!けど出られない」自分がもどかしいです
投稿: 慕辺未行 | 2017年9月 8日 (金) 23時06分