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2017年6月 2日 (金)

クールベの故郷オルナン これぞ水辺の風景画!


  一般的な旅行先としては あまり有名ではないが、    フランス北東部 

ブルゴーニュ・フランシュ・コンテ地方に位置する 「 オルナン Ornan 」 は 


画家クールベの故郷として 絵画愛好家などに 知る人ぞ知る地となっている。






01.       「 ギュスターヴ・クールベ美術館 Musee Gustave Curbet 」


この ルー川 la Loue 沿いの風景は  物静かな 奥深いオルナンの魅力を

百の言葉より雄弁に物語っている。

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02.       街の中心にある 「 オルナン橋 Grand Pont d'Ornans 」  

その両側に、 心に沁みる ルー川沿いの水辺の風景が広がる。    



街の背後に迫る白い崖も オルナンには欠くべからざる美しい舞台背景だ。

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                       ( 橋の突き当りが 宿泊したホテル )







03.          橋の南側      水鳥が遊んでいる ・・

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04.           朝靄に包まれて ・・

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05.        橋の北側    オルナンと言えば これが看板風景だ。

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06.        こんな美しい街も 半世紀に一度ぐらいは災害に見舞われる。


市役所 (写真上左) に 1953年の大洪水の写真が掲示されていて、

川岸の水位計にも その爪痕が記録されていた。

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07.      ホテルの窓から 町並みやオルナン橋が見えた。  


そして窓の日除けには 印象的な言葉が、    ”  夢  午睡  怠惰  ”

如何にも フランス人らしいつぶやきだ ・・・

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08.      実は ルー川は フランスでもマス釣りの名所として知られていて

宿泊したホテル・ド・フランス は 入漁料を扱う元締めでもある。


ディナーは当然マス料理、  メイドがテーブル脇で身を開きサーヴしてくれた。


ところでクールベも 釣られた ” 瀕死のマス ” という絵を描いている。

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09.      さて、 ルー川を南側に辿ると 一層趣のある景色が待っていた。


これぞ 水辺の風景画 !

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10.       プロ・アマ問わず 画家が押し寄せる景勝地は数々あれど


オルナンは クールベの故郷と言うことを忘れても、  

美しい風景画のインスピレーションが得られる穴場だ と思う。

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11.       ギュスターヴ・クールベ  (1819 - 1877) は 

オルナンの裕福な地主の子として生まれ、 21歳で パリに出る頃には 

デッサンなど 十分な絵の基礎を身に着けていた。



また人間としても なかなか気骨ある人物として成長したようだ。  



書簡によると    ” 僕は今15歳。 僕は常に自由の中で生きて来たし、

自由のまま人生を終わりたい。  そして僕が死ぬ時 こう言われたい。  

彼はどのスクールにも どの教会にも どの団体にも 

どのアカデミーにも 属さなかった。 


彼が属した ’ 自由体制 regime liberte ’ 以外には ・・  ”

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12.    クールベは 現実世界をそのまま描く レアリズムの旗手と言われ、


「 オルナンの埋葬 」 では    誰一人有名人が登場しない 

名も無き田舎町の葬儀を まるで貴族の葬送のように壮大な絵画に仕上げた。



赤い服の聖職者は酒に酔って赤い顔をしているし、 縦に掘られた墓穴は

誰も死を逃れられぬと言いたげに 絵を見る者に向かって口を開けている。


背後の白い岩壁こそ 聖地ではなく、 外ならぬオルナンの証し。

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「 画家のアトリエ 」 では 彼は自分の芸術生活を寓意的に表現している。


画家本人を中心に 右側には 自分を支える ’株主’ つまり

友人や労働者たち、 芸術を愛好するものたちを配し、


左側には  芸術を解さず 野卑な別の世界で生きる民衆、

政治家やブルジョワジーなどの搾取者、 無知なる批評家など

死によって生きる人々を 配している。







13.       クールベは美形の血筋に生まれ アラブやトルコを思わせる

彫りの深い風貌だった。    魅力的な自画像を数多く残しているが



オルナンの街角 とあるショウウインドウ、 

とりわけインパクトのある一枚を飾っていた。

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いずれにせよ 画壇や批評家から激しく非難された彼の芸術と


彼の心に激しく渦巻く情念のバックグラウンドに



こんなに美しく こんなに静かな故郷、 オルナンがあったことが 


不思議でもあり、 逆に 何故か納得してしまうのではある ・・・









。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。+゚゚。。

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コメント

こんばんは happy01
恥ずかしいことに、クールベという画家もオルナンという地名も、
全く知りませんでした coldsweats01
全く知らないからこそ、バーチャル旅行をより楽しませてもらっています wink
背景の山、川の流れ、街並み・・・どれも絵になりますね。
大洪水の写真を見て、かつてドイツで訪れたZellの街を思い出しました。
あの街もモーゼル川の氾濫に見舞われたことがあったそうです。

クールベ、ルー川、オルナン。
いくらかの作品は見たことがあるが、もちろん逢ったことは無い人。
行ったことも無い、地方や地名。
どうしてか、何故か懐かしい名前に思えるのです。

絵か写真か、見間違えるほどの美しい風景です。

現展、拝見しました。
ブログの「部分」よりも、当たり前ながら素晴らしいbellaさんワールド、さすがですね。

bellaさん こんばんは。

オルナンと言う地名は初めて聞きますが、
素晴らしい景観が保存されている街ですね。
水辺の光景が何とも、そのまま絵になる感じです。
機会があれば、ぜひ訪れてみたいです。

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