「ジャイアンツコーズウェイ」 柱状節理群 最北で六角の奇観を見る
一口にアイルランドと言っても、 アイルランド島には二つの国が存在する。
「アイルランド共和国」 と 英連合王国に属する 「北アイルランド」 だ。
今回は 北アイルランド最北の海岸 「 ジャイアンツコーズウェイ 」 を訪ねます。
01. 6000万年も昔 大陸と陸続きだったブリテン島に
大きな地殻変動が起こり、 火山活動で噴出した溶岩が冷えて岩となる時
六角形の柱を束ねたような 「 柱状節理群 」 が出来たのだという。
02. この奇観地区は 1986年にユネスコの世界遺産に登録されたが
同時に イギリスのナショナルトラスト運動によっても 厳重に保護管理されている。
03. 海岸へは 自然保護の観点から一般車は入れず、
ナショナルトラストが運営する巡回バスに乗ることになる。
車掌が 面白おかしくガイドして 車内は終始爆笑に包まれた。
英国にこんなガイドがいるんだ、とびっくりした!
そうか、(詳しい分析は別として!) イングリッシュでなく アイリッシュなんだ ・・
04. 当然ながら これらの六角柱の根元は 海底へと伸びている。
05. 「 ジャイアンツ・コーズウェー Giant's Causeway 巨人の石道 」 という名は
アイルランドに住んでいた伝説の巨人フィン・マックールが
スコットランドへ戦いに向かうため作った道だとも
他の島から愛する女神を呼び寄せるため作った道だとも 言われる。
いずれにせよ 海中へと続く節理の道が 想像をかき立てる !
06. 山側にも 相当な数の節理柱が 丘となって連なる。
07. さて、 柱状節理群が見られるジャイアンツ・コーズウェーから
東側・西側 どちらに進んでも、 20kmに渡って 個性的な美しい風景が見られる。
東側には 節理が連なる崖壁沿いにトレッキングコースがある。
足元の隙間から恐る恐る入江をチラ見しながら渡る 楽しい吊り橋を通って
断崖上の絶景ポイントまで歩くことが出来る。
08. 「 巨人のハープ 」
09. 「 オルガン 」
10. ところで 火山列島日本でも 福井の東尋坊、宮崎の高千穂峡
兵庫の玄武洞など 各地で見事な柱状節理が見られるが
こちらの特徴は 局所的でなく 美しい海岸線が長く続くことと、
ナショナルトラストが 保護観察の対象としている 動植物の
手つかずの豊かな生態系があることだ。
この日も 多種多様な海鳥を観察することができた。
11. コーズウェイから 西側にも 奇岩の海岸線が続いている。
12. やがて 「 ダンルース城 Dunluce Castle 16C 」 の廃墟が現れた。
とりわけ 北国のどんよりした寒空で見る廃墟は 胸に堪える。
戦争や跡目争いなどで崩れた古城を復興して維持管理するには
まず城主なり財団なり 明確な所有者がいて、 お家のためとか観光のためとか
はっきりした復興モチベーションがあって、 さらに莫大な資金・財源が必要だ。
そんなハードルの高さに力及ばず、 時の流れに身を任せ、
崩れ去った城が 何百、何千とあったことだろう。
13. 崖にぴったりサイズを合わせて城が造られたことがわかる。
この城の最盛期がどれくらい続いたかはわからないが、
栄枯盛衰、、 つわものどもが夢の跡、、
北アイルランドの古城廃墟は 薄もやの中で 淡い詩情を湛えておりました。
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