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2017年2月17日 (金)

「鳥取砂丘」と 写真家植田正治 そしてその妻

 

  01.        車がビュンビュン走る日本海沿いの国道に ヒョイと現れた 

「 弁天岩 」 と 「 大国主命と因幡の白兎の像 」。



海に浮かぶ領土を綱で引っ張って来たという ’ 国引き神話 ’

鰐を騙して海を渡ろうとして痛い目に遭った兎と それを助けた大国主命の

’ 古事記 ’ にしるされた話、



そう言えば いずれも 海岸を舞台としたお話でした ~    

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                   ( 上: 出雲市大社町の稲佐の浜 )    ( 下: 鳥取市の白兎海岸 )    







02.        海を眺めつつ いよいよ 「 鳥取砂丘 」 に到着。


この階段を登ると 目の前に砂丘が広がる 。

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03.      夕方4時半過ぎ、 日の入りも間近だ。    砂丘に目をやると

オレンジ色の逆光の中に ’ 植田正治の世界 ’ が現れた。


彼の写真にちょっとばかり似た登場人物がいるではないか !

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04.         砂埃りが混じる北風が 容赦なく襲いかかる。 


しっかり踏ん張ってないと 体がもっていかれそうだ。

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05.     ’ 馬の背 ’ と呼ばれる あの丘に登ると 海岸線が見えるのだが 


砂に足が取られて 一筋縄ではいかない !

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06.  さて、 植田正治 (1913~2000年) は 鳥取県で活躍した写真家だ。


一般的に 写真は 目の前の人物なり 風景なり 出来事なり  

対象物の一瞬を ありのままに切り取るものだが、


彼の写真は 人物などをオブジェとして配置し 意図的に画面を構成する

前衛的な手法によるもの。



特に モード調のファッショナブルな写真は フランスで受け入れられ、

フランス文化庁が彼の作品を買い上げ、 彼に勲章も与えている。                                 

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                                           「 砂丘モード 」






07.   中でも 鳥取砂丘を舞台とした 「 砂丘シリーズ 」 は彼の代表作だ。


登場人物は主に彼の家族で、  オートタイマーを利用して彼自身も

時々 構成要員となっている。                         

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                                  「 上: パパとママとコドモたち 」







08.       40mの高さがある丘を登る途中で ひと休み、 後ろを振り返る。


この砂丘にもポケモンが現れるらしい。   しかしそれどころではないワイ。

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09.         丘を登り切ると 日本海が見えた !  


考えてみれば 真っ白なキャンバスに 画家が好きに絵を描くように

写真家だって 自由に演出し 構成し 好きなように写真を撮ればいいのだ。



彼の作品は ” 植田調 ” と呼ばれ  余りに個性的で 

真似をするとすぐばれてしまうが、


芸術的概念そのものは 後の写真家に大きな影響を与えたのではないだろうか。

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10.           「 妻の居る砂丘風景 」


砂丘は これ以上差し引くものがない シンプルこの上ない舞台背景だが

彼の芸術を引き立たせるには 最強の武器と言えそうだ。

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11.        南北2.4 km, 東西16 kmにまたがる 広大な鳥取砂丘、 


太平洋とは逆に  北側から波が打ち寄せるのが 何とも不思議なムードだ。

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12.      写真に度々登場する植田の奥さん、 名前や年齢など 

詳しいことは分からないが、 いかにも 古き佳き昭和を彷彿とさせ 魅力的だ。



ポージングがしなやかだし、 何と言っても絣の着物がとってもよく似合う。

恐らく 植田正治にも自慢の奥さんだったに違いない。

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                                   「 上: ボクのわたしのお母さん 」






13.      今回のブログでは 鳥取砂丘の写真だけを並べようと思ったのに、 


’ 砂丘と言えば植田正治 ’ を 思い出し、    最後に 

彼の奥さんが魅力的だ という話で終わることになった。

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砂丘を歩く人。    植田とその妻もこんな風に歩いただろうか
 ・・  










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コメント

bellaさん、こんばんは
『古事記』大好きな私は、「因幡の白兎」で有名のこの地は、
もちろん訪れています。
しかしあのころは、写真のような像はなかったです。
白兎神社がすぐそばにあるのですが、境内にはワニ(サメ)に襲われ着物(毛皮)を剥がされた白兎が、オオナムジノミコト(後の大国主命)に教えられて体を洗った”不増不減の池”がありました。
鳥取砂丘も数回訪れています。でも、あのような階段、あったかなぁ・・・(-_-)ウーン?
両親を連れて行ったこともあります。脳梗塞の後遺症で杖が必要な父のために、
砂丘は歩きづらいだろうと”観光ラクダ”に乗せてあげました。
その時の父の笑顔は、私が覚えている中では、父の最高の笑顔でした。

写真家・植田正治さんは全く知らなかったのですが、モノクロの写真を見ると、
かなり機知に富んだ方とお見受けしました。

鳥取といえば砂丘。砂丘といえばウエダ。
植田調とbellaさん調との見事なコラボ。
あいかわらずのいい旅が羨ましいです。

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