「足立美術館の日本庭園」 庭園もまた一幅の絵画だ!
収集で有名だが、 最近はそれに付随する日本庭園の方が大人気となっている。
01. ゆったりした敷地にあるとは言え、 地方の一美術館に
これほどの観光バスが大挙してやって来る。 想像以上の光景だった。
02. 早速 通路から 美しい日本庭園が見えた。
向こう側の庭園は静寂につつまれているが、 実は 手前の通路では
賑やかな人の波が続いている。
03. 白砂と青い苔、 木々の傾きもしっかりと計算済みだ。
初めから斜めに育った樹木を 移植したものもあると言う。
自然に近い野趣と 庭の構成に芸術的な動きが添えられている。
このテラスがギリの最前線、 それより先 庭には出られない。
04. 館員総出での朝の掃き掃除を始め 、
多くの庭師が 枯れ枝一本、枯葉一枚まで気を配っていると言う。
借景となる遠くの山々との間には 一般道路も走っているが
看板や電柱なども見えないよう 協力を仰いでいるそうだ。
05. 館内では ほぼ全ての人々がカメラを構えている。
私も 最前列が空くのを待った。
人がいなければ ガラス枠を額縁になぞらえた一幅の絵画となるはずだが・・
06. これが 最前列からのショット。
五万坪に及ぶ庭園は ミシュランガイドの三つ星を始め、 米国の日本庭園専門雑誌
によるランキングで 14年連続で 庭園日本一に選出されている。
海外からのお墨付きで 日本での人気が高まるのは 何も庭に限ったことではない。
07. 遠くの崖から 「 亀鶴(きかく)の滝 」 が流れ落ちている。
横山大観の日本画 ’ 那智の滝 ’ を再現した人工滝だが、
数十年経った今 すっかり 風景に溶け込んでいるでしょ、と
学芸員が テレビで満足そうに語っていたのを思い出した。
08. ” 庭園もまた一幅の絵画だ ” という 創立者・足立全康の
理想を具現化し、 滝の流れは 構成上は 白砂が表現する川となるが、
実際上 滝の水はこの池に流れ来ている。
09. 外の空気を吸って館内に戻っても 相変わらず人がいっぱいだった。
10. 続いて 「 池庭 」 を通って
かつて 足立全康が 実際住まっていた建物に向かった。
11. 玄関にあたる土間の上り縁、 その向こう、 和室の壁がくり抜かれ
額縁となっていた。 部屋に居ながらにして 美しい日本庭園が眺められる。
12. 隣の仏間にも額縁があった。 こちらは足立全康自身が
壁を切ったそうだが、 この長方形の 床の間越しの額縁を通して見ると
正に 庭が 掛け軸に描かれた一幅の絵画となる !
恐らく こちらの仕上がりに 全康はご満悦だったのではないだろうか ・・
13. さて、 この人気、館員たちのこの努力、 凄いことだとは思うが
個人的には 完璧過ぎて 湧き上がるような感動はちょっぴり薄かった。
’ 破綻のない芸術 ’ は 高尚過ぎて 近づき難いのかも知れない。
非の打ちどころのないものを維持し さらに高める努力が 如何に難しく
貴重な作業か わかっている積りではありますが ・・
足立美術館のホームページに掲載されたこの雪景色、 図らずも 雪によって
庭がゆるやかな原野に返された姿を見て 私は素朴な感動を覚えました!
因みに 絵画展示に関しても、メインの横山大観先生の作品よりも
菱田春草 小林古径 川合玉堂 土田麦僊 速水御舟 前田青邨 など
周辺画家の作品に より関心を引かれました ~
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コメント
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足立美術館、大人気の様子ですね。
ありきたりのTVなどの紹介では分からないところのbellaさん解説、同感です。
実は、行ったことが無いのです。
何回かチャンスはあったのですが、脚を伸ばす踏ん切りがつかなかったように記憶しています。
完璧すぎる造られた庭の造形が、そうさせたのかも知れません。
投稿: kurakame | 2017年2月11日 (土) 09時07分
こんばんは(^o^)/!
足立美術館、今では随分と有名になり、訪れる人も多いのですね。
山陰方面へは3~4回行ったことがあるのですが、
名前だけは聞いていたものの、一度も訪れたことがありません。
当時は今ほど注目されていなかったので、
このような日本庭園があることさえ知りませんでした。
bellaさんのブログで、少しでも雰囲気を味わうことができました。
ありがとうございました。
投稿: 慕辺未行 | 2017年2月11日 (土) 22時47分