「シントラ」この世のエデン若しくは起伏の激しいディズニーランド
ポルトガル、リスボンの西28kmにある世界遺産の古都 「 シントラ Sintra 」 は
かつては 王侯貴族の別荘地として 豪華で風変わりな城館があちこちに建てられ華やいでいた。
そして 今日では リスボンからのワンデイ・エクスカーションの地として人気が高く
街はいつも観光客で賑わっている。
01. 王宮は 起伏の激しい地域の 小高い山の上にあるが、 その王宮の広場から
さらに高い稜線上に 「ムーアの城壁 」 と 「 ペーナ宮殿 」 が見える。
( 王宮から2つを見上げる )
02. 従って 街じゅうが坂道だらけで
あちこちに点在する宮殿など 見るべきものへの移動は一苦労だ。
03. 観光用に 乗り降り自由の巡回バスがあるが、 馬車やプチトレインも楽しい。
04. 「 王宮 Palacio Nacional de Sintra 」。 かつてイスラム教徒が支配していた
なごりの城を ポルトガルの王たちが15~16世紀までに 改造・再建していったもの。
二本の円錐形煙突は 厨房から出ているが 多分暖房の役割も果たしたのではないだろうか。
05. 改築を重ねた結果 王宮には色々な様式が混在して来たが
とりわけイスラム様式は温存され、 1755年のリスボン地震で宮殿全体が損傷した際も
意識的に ” 古風に ” 修復されたと言う話は 実に納得のいくことだ。
06. ’ アズレージョ ’ や ’ アラビアン幾何学模様 ’ が魅力的 !
城は一見新しく見えるが、 1910年に王宮が国の物になるまで 実際王家が使用していた
と言うのも その一因かもしれない。
07. 街には 坂道と階段と土産物屋さんがいっぱいある。
08. ” こんなに俗っぽい街とは 少しがっかりだ ” と 我がDannaさんは
言っていたが、 私は目がキラキラ ! 楽しくお買い物をいたしました ~
しかし、確かにレストランのボーイさんなどは 観光客擦れ!? していた感がありました ~
09. スペイン土産まで置いてあるこの店の 床のタイル装飾が個性的だった。
各国語で書いたコルクの看板、 いろいろな国のお客さんが来るのですね ~
10. 「 レガレイラ宮殿 Palacio Quinta da Regaleira 」
ポルトの 裕福な伯爵夫人の所有物だったこの館を 1892年に買い取ったブラジル人の富豪が
イタリア人の建築家に改装を依頼したもので、
その富豪の名前から ’ 百万長者モンテイロの館 ’ というニックネームも付いている。
ポルトガル文化省の管轄になる前に 所有者が何代か変わったが
その中に ’ 青木 ’ という日本人の名があるのが興味深い。
11. 深い森に囲まれた領地には この立派な宮殿の他、
小さいながら複数の階層を持つチャペル、 魅力的な石の装飾ベンチなどが随所に配置されている。
とりわけ珍しいのが 螺旋階段井戸 洞窟やトンネルなどで
その一部は 地中で複雑につながっているらしい。
別名 ’ 逆さタワー ’ とも呼ばれる 深さ27mの 「 螺旋階段井戸 Poco Iniciatico 」
には、 水が張られたことはなく タロットを含む占いの儀式に使われたらしい。
12. 王族・貴族の立派な居城や遺跡が主役のシントラだが
こんな ’ 庶民のやかた ’ にも また違った趣きがある ・・・
13. 「 ペーナ宮殿 Palacio Nacional da Pena 」
この宮殿は比較的新しい。 1755年のリスボン地震で荒廃したペーナ修道院を目の当たりにした
フェルナンド2世、 もともとロマン主義的な空想癖のあった彼は
同じ場所に、 一風変わった異国風でロマンチックな城を再建しようとした (1836年着工)。
ロマンチストで変わり者と言えば かのノイシュヴァンシュタイン城を建てた (1869年着工)
ドイツのルートヴィッヒ2世を思い出す。 2つの城はほぼ同時期に完成した( 1885~6年)。
ところで 2つの城は両方とも 何となくディズニーランドを想起させる。
もちろん本物と遊園地は 比べものにはならないが、
それだけ夢と発想力にあふれた 現実離れした城だとは言えそうです。
しかしながら せっかく楽しみにしていたこの宮殿、 入場門の賑わいを確認しただけで
時間の都合で中に入ることは諦めた。 旅にはこんな心残りは付きものです。
後ろ髪を引かれつつ ヨーロッパ大陸の西の果て ロカ岬へと歩を進めました ~
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
因みに 英国の詩人バイロンは シントラを ” この世のエデン ” と称したそうだが
私には、 園内に 異国情緒たっぷりの宮殿や王宮や別荘、そして土産物屋が点在し、それらを
観光ミニトレインがつなぐ ” 起伏の激しいディズニーランド ” のようだったな
と思われました ~~
・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆
« 「エルヴァスの星形要塞」 国境だからの大きな文化・小さな文化 | トップページ | 「ロカ岬」 西の果て、海は滝となりて奈落に落ちゆく »
「ポルトガル リスボン周辺・魅力の歴史古都」カテゴリの記事
- 「ロカ岬」 西の果て、海は滝となりて奈落に落ちゆく(2016.05.20)
- 「シントラ」この世のエデン若しくは起伏の激しいディズニーランド(2016.05.13)
- 「エルヴァスの星形要塞」 国境だからの大きな文化・小さな文化(2016.05.06)
- 「エヴォラのポサーダに泊まる」 「エヴォラとエボラそしてファド」(2016.04.29)
- 「セトゥーバル」アズレージョを見るとやっぱりポルトガルだなあと思います!(2016.04.22)
« 「エルヴァスの星形要塞」 国境だからの大きな文化・小さな文化 | トップページ | 「ロカ岬」 西の果て、海は滝となりて奈落に落ちゆく »
コメント