「フォロ・ロマーノ」と「ボルゲーゼ美術館」彫刻こそ至高の芸術!?
ローマの観光は、 2000年以上の歴史の原点であり 古代ローマの政治・宗教・商業の中心地だった
「 フォロ・ロマーノ Foro Romano 」から 始めることにいたしました。
01. このフォロ・ロマーノは 戦勝将軍の凱旋行進が行われた聖なる道 「 ヴィア サクラ Via Sacra 」
を300mの縦軸として、横軸が100mの地域で、 建設は 紀元前6世紀からと言われます。
8本の円柱が並ぶのが 「 サトゥルヌス神殿 Tempio di Saturno 4C 」。
02. 手前が 「 セッティミウス・セヴェリウス凱旋門 Arco Settimio Severo 」 203年
皇帝の戦勝を記念してに建てられたもので、 文字や浮き彫り装飾が豪華な雰囲気を醸し出している。
03. 古代ローマの繁栄を想起させる これらのアッと驚くような光景は
市庁舎脇の 「 カンビドーリオの丘のテラス 」 から 一望のもとに見渡される。
04. テラスから 市庁舎の脇を通り 「 カンビドーリオ広場 Piazza del Campidoglio 」 へ。
広場の両サイドに 「 カピトリーニ美術館 Musei Capitolini 」、 正面に市庁舎が控えている。
カンビドーリオ広場のこの独特なデザインは ミケランジェロの原案・設計によるものだ。 狭いスペースを
大きく見せるために 市庁舎に向かって奥を広くする台形とし、楕円形の模様の縁は建物より低くなっている。
05. この美術館は 法王がローマ市民に送ったブロンズ像を設置する目的で作られ、
市民に一般公開される美術館としては 世界初のものとなった。 しかも 石像の一つ(写真右上)には
” モノ言う像 ” として 法王庁に対する悪口や避難の言葉を書いた紙を自由に貼り付けさせたというから
さすが 当時の ’ 先進国 ’ の流儀ではありませんか!
写真の ” とげを抜く少年 ” は 紀元前1世紀というから驚きだ。
たまたま 美術館脇で修復作業をしていた男性の姿と比べても、
何千年ものあいだ ’ 人間は変わらず人間であり続けている ’ と思わされたものでした。
06. ” 瀕死のガリア人 Galata Morente ” 深手を負って力尽きる寸前のガリア兵士の姿。
この像は ローマが栄えるもっと前、 ヘレニズム世界の大王が 今のフランス・北イタリアあたりに住む
’ 蛮族・ガリア人 ’ に対する勝利を記念して作らせたものだ。
勝利の雄叫びの代わりに 敗戦側の人間的な悲哀・尊厳を表現するとは 何と哲学的で深い心情だろうか。
07. カンビドーリオ広場では 今、市庁舎に結婚届を出したカップルが 記念撮影をしていた。
ローマには7つの丘があるというが、 この階段を見ても ローマの丘の起伏が想像される。
08. さて次は 「 ボルゲーゼ美術館 Museo e Galleria Borghese 」。
このボルゲーゼ家歴代の美術館は 美しい庭園や カラヴァッジョやラファエロの絵で有名です。
しかし そういう作品群には 日本でもお目に掛れたが、 ボルゲーゼ美術館側が 貴重過ぎて
門外に絶対出せない作品群がある。 それこそ ” 傑作揃いの彫刻群 ” なのです。
09. 「 プロセルピーナの略奪 Pluto e Proserpina 」 G.ベルニーニ 1622年
冥界の王プルートが 一目ぼれした女神プロセルピーナを略奪しようとしている場面。
逃げようともがく女神、 逃がすまいとするプルートの指が プロセルピーナの太ももに食い込む。
まるで大理石に命が宿ったかのように 迫力と躍動感がみなぎっている。
10. この作品 ぐるりと全方位から見られるが どの角度から見ても完璧だ!
コンピューターもない時代 どうして こんなパーフェクトな仕事が出来たのだろうか・・
二次元の平面で表現する絵画より もしかして ’彫刻の方が偉い’ のではないか!? なんて感じたが、
ローマに入らば ローマ人の眼で見よ っということだろうか。 彫刻こそ至高の芸術だ、とすっかり洗脳された形。
11. 「 アポロとダフネ Apollo e Dafne 」 G.ベルニーニ 1625年
こちらも 太陽神アポロが 恋する美しい娘ダフネを我が物にしようと ダフネに触れた瞬間、
ダフネの指からオリーブの枝葉が生え 足先からは根が生え
彼女の体も脚から上へと樹皮に覆われて行く。 そんな緊迫感溢れる情景だ。
12. この彫刻も どこから見ても完璧だ! 女神はもとより、 追いかける側のアポロも
お肌もつややかで 若々しい二人組だからだろうか、 オリーブの枝葉のロココ的な装飾と相まって
ドラマチックな中にも 繊細でロマンチックな美しさが溢れている。
13. 「 パオリーナ・ボルゲーゼの肖像 」 カノーヴァ
周囲にオーラを放つ この座像は 古典的で端正だ。 モデルとなった女性が ボルゲーゼ家の嫡男
カミッロ・フィリッポ・ボルゲーゼと結婚した あのナポレオン・ボナパルトの妹だと言うから驚きだ。
この作品の裏では ボルゲーゼ家とナポレオン、そして作者のカノーヴァ、 三者の政治的・人間的関係が
複雑に絡みあっていたというが その辺の事情はさて置き、
ヨーロッパ中に功罪の痕跡を残したナポレオンが こうして 白い肌の永遠の美を得た妹の座像を
イタリアに置き土産したことは 大変面白いことでした。
今回のローマ見物は かくして 感動しつつ、疲れつつ、 順調に滑り出しました ~~
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・★゜
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