« アッシジのフランチェスコに生涯を捧げた聖女「 サンタ・キアラ 」 | トップページ | 今日の絵画 「 楽園の鍵 」 パステル »

2015年8月22日 (土)

「シエーナ大聖堂の 床象嵌装飾図」シエーナの意地と知性を感じました!

イタリア トスカーナ州にある古都 「 シエーナ Siena 」 は昔から 何かにつけ

州都フィレンツェと 覇権を争って来た。    今日 観光地としての魅力で言ったらどうでしょう。 



個人的には 私は あのフィレンツェ以上だと シエーナに軍配を上げたい !    

その魅力の四番バッターこそが シエナの大聖堂 「 ドゥオーモ Duomo 13C ~ 」 なのです。







01.       金彩をポイントとして 白く輝くその姿は 真新しいのでは、と思うほど煌びやかだ。

実は この大聖堂を 十字形の ’ 短軸 ’ とし、  直角に交わる ’ 長軸 ’ をさらに付け加え

フィレンツェの大聖堂に負けない馬鹿でかい聖堂を シエーナ人は造ろうとしていたのです。


しかし 14C ペストや飢餓に襲われ工事は頓挫、 側廊となるはずだった壁だけが残されている。

01







02.      内部には グレーと黒の縞模様を基調とした 大理石の列柱が並び シックで超豪華 !

02







03.       そして 特筆すべきは 世界でも類を見ない高度な技術によって作られた「 床装飾 」。 


写真のような作品が56枚、聖堂の床を埋め尽くしている。  それらには 巫女の寓意や 聖書・神話を

題材とした物語が描かれており、  紛れもない大傑作揃いでした ~

03

                   (  出エジプト記 Mose sul Sinai を題材とした図柄  )







04.       これらには 大理石の 「 象嵌 」「 掻き絵 」「 きりばめ細工 」 と呼ばれる

技術が用いられ、  15C当初から200年かけて 40人の芸術家たちが作り上げたのだと言う。  



聖人の顔の上に デ~ンと別床が設えられたりして 時代の変遷も感じられる。

04







05.           「  受胎告知の預言者 エリュトレイアの巫女 sibilla eritrea 」 

彼女は 百合と共に描かれることが多いが ここでは 葉だけが描かれている

05







06.       聖堂内では次から次へと 登場人物が多く 面積が広い立派な絵が現れますが、 

ロープが張られているので、 カメラで意のままに全体像を捉えることが出来ない。


暗いものもありますが、 解かりやすい部分を切り取って並べてみました。

06

  (    賢者の丘の寓意 allegoria del colle della sapienza 1504年   )





07.             「 無実の者の大虐殺  strage degli innocenti  」


預言者からキリストが誕生したことを告げられたヘロデ王が、 将来キリストによって王座を追われることを恐れ  

片っ端から生まれたばかりの赤ん坊を虐殺させたと言う マタイ福音書からのエピソード。


この時 マリアは キリストを抱いてエジプトへ渡り 難を逃れている。

07







08.       左 「 キリストの降誕を予言した サモスの巫女 sibilla samia 」 お腹に天使が描かれている 

 右 「 キリストの復活を予言した フリュギアの巫女 sibilla frigia 」 いずれも衣服の描線が 柔らかく美しい

08







09.        左 「 キリスト磔刑を予言した ヘレスポンティカの巫女 sibilla ellespontica 」  

右 「 キリスト降誕を予言した クメアの巫女 sibilla cumea 」    



足元で握手する狼とライオンは、 それぞれの動物が象徴する都市 「シエーナ」 と 「フィレンツェ」 が

握手して 和平を結んだとされる場面。       9都市のシンボル動物も描かれている。

09







10.        イスラエルの王 ダビデの三男 「 アブサロムの死 storie di assalonne 」 

父ダビデに対して反乱を起こし 敗れた彼は  心臓に棒を打ちこまれ死んだ。

10







11.        11.12.は 出エジプト記、モーゼ,  などが題材となっているが、  

日本画の線描にも似て 柔軟な線のデッサンが芸術的です ! 

それに やや摩耗した大理石の表面が かえって 不思議なムードを醸し出している。

11

 (  ヘブライ人の約束の地への行進 marcia del popolo ebraico verso la terra promessa   )





12.      因みに この装飾床は 経年摩耗を出来る限り減らすため 普段は布が掛けられ

8月中旬から2か月間しか見ることが出来ない。  見られてラッキーだったとしか言いようがありません !

12







13.       床に見とれて 呆然としていた時、 ふと見上げた円天井に 星が瞬いていた !

そして ぐるりと聖人が下界を見下ろしている。 




全くもって凄いものを シエーナ人は造ったものだ !
 

少し言い過ぎとは思うが、 金に飽かせて豪奢を貪った フィレンツェに対して、 

こちらシエーナは 中堅都市の意地みたいなものだろうか、 しっかりと自己を確立し

派手さよりは 芸術そのものに金を賭けたと言えそうな気がする 、、 

13



芸術の分野で フィレンツェが チマブエ ジョット フィリッポ・リッピ ボッティチェリ

ダ・ヴィンチ ミケランジェロと 豊かなルネッサンス表現様式の王道を歩んだのに対し、  


シエーナの方は 理知的なギリシア風 または アラベスク模様のビザンチン風を礎に、 それに加えて 

シエーナ独特の 抒情的で柔軟性に富む洗練された芸術を生み出した  と言われている。





確かに シエーナ派などという名称も、芸術家たちの名前も 一般にはあまり知られてない。

シエーナが フィレンツェに負けない シエーナ独特の芸術を持っていたことを知っただけでも

今回 私は シエーナに来た甲斐があったというものでした !    








因みに 上の巫女たちは お印として それぞれ ゆりかご まぐさ桶 十字架 釘 貝殻 などを

絵に添えるのが 決まりではあるけれど、  シエーナの巫女さんたちは どの人も ” 本 ” を手にしている。

ただの巫女と言う以上に絵に説得力があるし シエーナの知性をも感じ取った次第でした ~ !








★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜

« アッシジのフランチェスコに生涯を捧げた聖女「 サンタ・キアラ 」 | トップページ | 今日の絵画 「 楽園の鍵 」 パステル »

イタリア トスカーナ地方」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/577816/62135336

この記事へのトラックバック一覧です: 「シエーナ大聖堂の 床象嵌装飾図」シエーナの意地と知性を感じました!:

« アッシジのフランチェスコに生涯を捧げた聖女「 サンタ・キアラ 」 | トップページ | 今日の絵画 「 楽園の鍵 」 パステル »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック