« フィレンツェ「ヴェッキョ橋の宝石店」店仕舞いは雨戸を降ろして | トップページ | 「フィレンツェ」ドゥオーモは外側を・ダビデ像は横から見てみましょう! »

2015年6月12日 (金)

「ウフィツィ美術館」美しき修道女と駆け落ちした破戒僧リッピ

フィレンツェにある 「 ウフィツィ美術館 Galleria degli Uffizi 」 は 世界でも指折りの花形美術館です。  



建物は アルノ川に対してU字型に 二列に配されている。

その東翼と西翼の奥に 「 パラッツオヴェッキョ 」 と 「 ドゥオーモ 」 が見える。  



この建物 ちょっと校舎のように見えないでもないが、 実は昔 メディチ家の ’ オフィス ’ だったのです !







01.     イタリア語でオフィスを意味する ’ ufficio ウフィッチョ ’ の古形が ’ uffizio ’ で、

その複数形がウフィツィ、   ここが事務所のように見えるのも 当然かも知れない。 



1560年コジモ一世の治下で着工、  アルノ川に面した川沿いの砂地に 

基底部分は世界最初のコンクリート工法で 20年かけて建設されたと言う。

01







02.      内部の 「 歩廊 corridoio 」 には  所どころベンチが配されているが、 

古代ローマ時代の像が惜しげもなく展示されているし、  頭上の美しい天井画も見逃せない。

02







03.     ウフィツィ美術館と言えば イタリアルネッサンス絵画の殿堂だ。 その作品群のうち一点でも 

日本にやって来たら 大騒ぎになるという絵画が 何気ない様相でずらりと壁に掛っている。

03

(  レオナルドダヴィンチの受胎告知、 カラヴァッジョの若きバッカス、 ミケランジェロの聖家族  )  







04.     ティツィアーノのウルビーノのビーナスや ラファエロのひわの聖母 ティツィアーノのフローラ

など 教科書で見たような絵が 次から次へと現れる。 

04







05.     そうした至高の名画たちを凌いで ウフィツィで最も人気が高いのが 「 ボッティチェリ

Sandro Botticelli 」 の作品ではないだろうか ・・  ボッティチェリの部屋では 誰もが舞い上がっていた ! 



この 「 春 Primavera 」 と 06.の 「 ビーナスの誕生 La Nascita di Venere 」 は双璧だ。

05







06.      実物がどれ位の大きさか 想像出来るよう 遠景からの写真を載せてみました ~06







07.     1445年 フィレンツェに生まれた ボッティチェリの生涯と画歴の話はさて置き、


彼が フィレンツェ・ルネッサンス絵画の頂点を極め  今日なお これだけの人気を博しているのは

何と言っても 人体表現の線のたおやかさ、 そして魅力的な顔の描写が 理由なのではないかと思う ・・  

07







08.      ところで、そのボッティチェリが 大きな影響を受けたと思われる一人の画家がいる。

その名は 「 フィリッポ・リッピ Filippo Lippi 」 (1406年 フィレンツェの肉屋の子として生まれる )。 




私は  この 「 聖母子と二天使 」 に会うために ウフィツィ美術館にやって来たと言っても過言ではない。

ボッティチェリより やや古典的だが、 マドンナは 他の追従を許さない程美しい。

08







09.    ボッティチェリは 19歳から3年余 リッピの工房で修行し、一時はリッピそっくりな絵を描いていた。

また リッピが この絵の背景に山河を描いた構図は ダヴィンチの「 モナリザ 」 にしっかり受け継がれている。   





ところでリッピの人生はと言えば、 幼くして両親を亡くした彼は カルメル会の修道院で育てられたが、 

気ままな乱暴者で周囲を手こずらせた。 そこで与えられた絵筆が 才能を拓き 画僧という生涯を歩むことになった。 

09







10.      しかし 聖職者になったとは言え  ’ やんちゃ ’ な本性は 変わることがなく、

50歳の時 赴任先の サンタ・マルゲリータ修道院で見染めた 23歳の美しき修道女 

ルクレツィア・ブーティを祭礼から連れ出し、駆け落ちしてしまう。  見事な ” 破戒僧 ” となったのだ !10

 (   ボッティチェリ 「 マニフィカトの聖母 」    )







11.     神に背いた 破戒僧の運命は 誰が考えても 厳しいものだったはずだが、 なんと 

当時 権勢を誇り 芸術への援助を惜しまなかった  コジモ・デ・メディチの 教皇への取り成して、

’ 正式な結婚さえすれば許される ’ という寛大な裁定が下った。    




” 破戒僧リッピ ” が 命懸けで奪った 修道女ルクレツィアをモデルとして描いた 「 聖母子と二天使 」は

リッピが辿り着いた究極の美であり、 またある意味 ボッティチェリの芸術の出発点だったかも知れない ・・

11

(  ボッティチェリ 「 パラスとケンタウロス 」、 2015年東京でのボッティチェリ展に出品された看板作品 )





12.           屋上テラス La Terrazza で一休み。   

U型回廊の突端からは アルノ川、  ポンテヴェッキョ、 カヌー水球の様子などが見えました12







13.        今回のブログで掲載できなかった作品は 山のようにありますが、 

名作は ネットやら画集でいつでも見ることが出来るでしょう。 

13 

 

最後に  bellaが選んだ 胸像を二つ。



作者名は見逃しましたが、 心の内面を映し出した 静かで趣きがある女性像でした ・・






★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。・゜★

« フィレンツェ「ヴェッキョ橋の宝石店」店仕舞いは雨戸を降ろして | トップページ | 「フィレンツェ」ドゥオーモは外側を・ダビデ像は横から見てみましょう! »

花の都フィレンツェ」カテゴリの記事

コメント

こんばんは happy01
芸術に疎い私はヨーロッパへ行っても美術館を訪れたことはただの一度だけ。
エルマー&アンジュラ夫妻が暮らす街の市立美術館へ何気に立ち寄っただけです。
しかし幸いにも『ピカソ展』が開催されていました。
それはさておき・・・
天井画や彫刻、そして数々の名画、私はいつも教会や大聖堂で見るだけで満足していましたが、芸術家 bellaさんから見れば、どれも生で見てみたい至高の作品ばかりなのでしょうね。
『ヴィーナスの誕生』はさすがに私でもこの絵は見覚えがあります。
ずいぶん大きい作品なのですね。人物像はもしかして実物大?
今回は私にとっては貴重な美術館巡りのバーチャル旅行、楽しく拝見させていただきました wink

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/577816/61732348

この記事へのトラックバック一覧です: 「ウフィツィ美術館」美しき修道女と駆け落ちした破戒僧リッピ:

« フィレンツェ「ヴェッキョ橋の宝石店」店仕舞いは雨戸を降ろして | トップページ | 「フィレンツェ」ドゥオーモは外側を・ダビデ像は横から見てみましょう! »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

カテゴリー

フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック