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2014年11月21日 (金)

「大岩の修道院」・「ピレネー国境の峠には歴史あり、ローランの歌あり」

.スペインの カタルーニャ地方、アラゴン地方を旅して来ましたが、 次は ピレネー山脈の峠を越えて

フランス側に入ります。       が、その前に スペイン側にもう一か所




ピレネーの南隣 ペニャ山脈の山中に 稀に見る形の修道院跡があるというので、 

急きょ寄り道することになりました







01.     不思議な岩肌を見せる 野性的なペニャ山脈 Pena の山中を しばらく進んだが

修道院の案内板もなく、一向に辿り着かない。  道を間違えたのではと不安になった頃、 


突然 衝撃的なその姿が現われた!

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02.      その建物は 大岩に潰されかかっているかのようだった。  後ずさっても

全体像がカメラに入らない。 それ程 狭い山道に唐突に存在していた。

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03.    「 サン・ファン・デラ・ペニャ修道院 Monasterio de San Juan de la Pena 」

は、 イスラム教徒に占領されていた9世紀、ピレネー地方で キリスト教の信仰を守る目的で建てられた。          



「 中庭回廊 」 は 屋根となる大岩と 壁となる断崖に挟まれ、 列柱はミニチュア版で再現されている。

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04.     内部には 公会議室 アラゴン地方の貴族の霊廟 王家の霊廟 教会 回廊 美術館 などが 

地下 地上階 上の階に 複雑に配されていて 結構な広さがあった。



泉から水が湧いているので 生活用水は困らなかったのではないだろうか。

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05.     アラゴンとナバーラの 歴代の君主は 5世紀間にわたり この霊廟に埋葬されたと言うから

山奥ながら 当時は 相当な聖地だったに違いない

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06.     18世紀に改修された霊廟部分だけが 不似合いなほど新しかった ・・  



ところで このペニャ修道院は 有名な サンチャゴ・デ・コンポステーラへの巡礼地にもなっている 

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.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.







07.    さて いよいよ この 「 ハカ Jaca 」 という町を通って ピレネーの峠に向かいます。



8世紀に アラビア人の侵攻を早々と撃退し アラゴン王国の首都となったハカ、 

保存状態の良い この要塞 「 ペニャ・デ・オロエル Pena de Oroel 長さ1769m、

16世紀 」 が  戦略上の重要な役割を果たして来たと言う。



2~30km先 真北の方向に ピレネー山脈が控えている。 

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08.     フランスとの国境となる 「 ソンポルト峠 Pueruto de Somprt 1632m 」 



ピレネーの山越えは フランスからサンチャゴへ向かう巡礼路の中でも 最大の難所として知られている

ホタテマークの看板が 巡礼路のしるしです。

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09.     ソンポルト峠は 例外的な降雪は別として 中央ピレネーでは唯一、年間を通して冠雪しない峠だ。



従って 古来より、 ポンペイウスの軍団が通れば ローマの街道となり、イスラムが攻めた時は サラセンの道となり、

真摯な巡礼者たちが通れば サンチャゴ巡礼路となった。

とにかく ナポレオンを含む  あらゆる人々が、  様々な理由で 引きも切らず

この峠を越えて行ったのだ。 



現代でも 自動車道路から付かず離れず、 巡礼路が 山や丘にくねくねと張り巡らされている

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10.       峠から西側に伸びるピレネー山脈

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11.     峠から東側に続くピレネー山脈      こちら側の山の連なりには 

所どころ、石灰岩が風化し崩れ 鋸の歯みたいになって 屏風のように連なる個所がある

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12.     その屏風の中で 一か所だけ 奇跡のように ポッカリ口を開ける場所がある。



こここそ  フランスとスペインを 徒歩でのみ行き来できる峠で、 オルデサ国立公園から北西へ8km、  

アラゴンピレネー山脈の 標高2804mの地点にある  「 ロランドの裂け目 

Brecha de Rolando( 幅40m 高さ100m ) 」 と呼ばれる地点です。



( フランスでは当然 ’ ローラン ’ と フランス語表記になりますが・・  )

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ところで、 《 ローランの歌 》 という 武勲詩がある。  名前だけは聞きかじったことがある。

詳しい内容はさて置き、 何故か切ない響きで、、 日本で言うと平家物語の物悲しさだろうか・・






778年 カール大帝のスペイン遠征軍のしんがりが ピレネー山脈で全滅した際、  ローラン将軍は

サラセン軍の襲撃で戦死する直前、 死力を振り絞って角笛を吹いた。  その音は峰々にこだまし、

これを聞いて奮起した主力軍が劣勢を跳ね返し サラセン軍を粉砕した という言い伝えになっている





イスラム勢力との戦いは 実際ヨーロッパのあちこちであった訳ですが、 このカール大帝のイスラム勢力との

戦いが 今日のキリスト教を中心としたヨーロッパ世界の礎となり、幕開けともなったという認識が

ヨーロッパの人々に根強くあると言う。





とりわけ その象徴たる 《 ローランの歌 》 という武勲詩が 11世紀以降 広まるにつれ、 

ローランこそが サラセン人を押し返したキリスト教徒の代表的英雄だという認識が定着したらしい。

逆に言えば 《 ローランの歌 》という詩がなかったなら ローランはこれほどの英雄に

ならなかったかも知れない。   





このピレネーの ” ロランドの裂け目 ” も 伝説上は ローランが 剣をふるって

岩を切り落としたものとされている。  

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ところで、 実際の古戦場は ロンセスバリェス Roncesvalles という ナバーラ地方の 国境の町だ。


スペイン側の言い伝えでは  カール大帝を敗走させたのは ナバーラのバスク軍であり、

その戦いで 英雄的活躍をしたのが ベルナルドという若者で、 


 
《 ベルナルド・デル・カルピオの歌 》 という武勲詩まであると言う。



国境の向こう側とこちら側、 フランスとスペイン 両者の言い分が違うのも ある意味 

大変面白いことです。







この旅行で 私は 一旦フランスに入り、 再びスペインに戻ったのですが


その際、その ロンセスバリェスを 通りました。


出来ればその風景も 後にお伝え出来ればと思っています ・・・




(  ’ ロランドの裂け目 ’ は登山しないと行けませんので 写真は ウイキぺディアからお借りしました  )

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コメント

こんばんは
今夜もbellaさんの旅日記で、バーチャル旅行しにやって来ました (*゚▽゚)ノ

旅の途中で知った『稀に見る形の修道院』、とんでもないところにあるのですねぇ!
大岩を利用したのでしょうが、見る限りbellaさんもおっしゃっている通り「潰されかかってる」ようにしか見えません ヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ
サンチャゴという地名だけは聞いたことがありますが、どのようなところなのかは・・・?
巡礼地ということは、キリスト教の聖地?
ソンボルト峠の国境、かつては検問や税関などがあったのでしょうね。
ピレネー山脈、アルプスに比べれば有名な山はありませんが、こうして拝見すると、やはり雄大な山岳風景ですね。
なんだかこちらも訪れてみたくなります。無理でしょうが・・・(。_。)
ロランドの裂け目、これも不思議な光景!
神様は人間のためにここだけポッカリと口を開けさせたのでしょうか・・・?

過去の歴史も含め、今夜も楽しませていただきました
ありがとうございました。

フランスとスペインのあいだに横たわる、いや聳え立つといったほうがいいのか、ピレネー山脈は、伺えば伺うほどにただ者ではないようですね。
「ロランドの裂け目」劇的な光景。自然の風化によって出来たとは考えにくいほどの造形です。
これがミニチュアであれば、現代のダイナマイトで吹き飛ばした形にも見えますが。
ローランの歌、平家物語より古いのですか。人の想いは古今東西、相通じる何かあるのですね。
ペニャ修道院、迫力満点。性格は全く違いますが、なぜか三朝の三仏寺投入堂を思い浮かべました。

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