「 イングリッシュ・ブルーベルの青い絨毯 」そして「 英国絵画 」
2013年7月22日 英国の ウイリアム王子とキャサリン妃に 赤ちゃんが生まれ
結局、 ブックメーカーで 1番人気だった ” ジョージ ” と言う名が 付けられた
” It’s a Boy ! ” と 分かると 各所のイルミネーションが ブルーに染められた
そこで 今回は ” ジョージ ・ アレクサンダー ・ ルイ ” 王子に あやかり
ブログを ブルー一色で 染めてみることにしました~
01. 場所は 英国 ロンドン郊外 「 キューガーデンズ Royal Botanic Gardens、Kew 」
02. 5月になると キュー・ガーデンズ 木立の足元に ”イングリッシュ ・ ブルーベル ”の 青い絨毯が
一面に広がり、夢のような光景が出現する
03. ” イングリッシュ・ブルーベル ”は 「 野生生物 及び 田園地帯保護法 」により 保護されており
今や 野生の球根を掘り出すことはおろか、 自分の庭の球根を掘って販売することも 禁じられている
04. ”イングリッシュ・ブルーベル ” は ヒヤシンス科の 球根・多年草で 香りが なんとも香しい
( English Bluebell )
05. ハイシーズンには こんな ベンチに腰かけて ひねもすのんびりしたいもの ・・
06. クイーン ・ シャーロット ・ コテージ Queen Charlotte Cottage( 1770年 )
茅葺屋根の古い建物が 英国ならではの 趣きある舞台装置となっています ・・
07. コテージ前の広場では 開花時期に合わせ 毎年、約一週間という短い期間
” イングリッシュ ・ ブルーベル フェスティバル ” が 開かれる
( English Bluebelle Festival )
08. いつも なんらかの花々に囲まれる 南欧などと異なり、特に どんよりした天候の英国で、
花を愛でるフェスティバルは 人々にとって 大きな喜びです ・・!
ところで、 芸術的天分に恵まれていないとされるイギリス人ですが、 これほど植物文化が豊かであれば
きっと 植物から、 喜びばかりでなく 広い意味での芸術的な刺激も 充分得ているに違いありません
09. 植物や花が 人々に喜びを与え、 芸術に何らかの意味を与える、ということで 真っ先に 頭に浮かんで来るのが
ジョン・エバレット・ミレイ の作品 「 オフィリア 」、 死に行くオフィリアの姿は 衝撃的ですが
この場面に 美しい花々が散りばめられていなかったら どれほど つまらない絵となったことでしょう
( ” Ophelia ” John Everett Millais )
10. 絵に関しては 英国には 「 ターナー 」しかいないと 揶揄されることがありますが
英国には 「 物語絵画 」という 魅力的な分野があるのを 忘れてはならないでしょう
例えば、 オペラのような 華やかな舞台装置もなく、
シンプルな空間で 純粋に 台詞だけがやりとりされる 「 シェクスピア戯曲 」、
人々は いろいろな名場面を ひたすら 頭の中で空想することを余儀なくされました
そして その場面が見てみたいと 激しく渇望したのです ・・・・・・・
・・・・・・ その望みを叶えたのが 「 物語絵画 」 でした!
11. こちらも ジョン・ウイリアム・ウオーターハウスの 「 オフィリア 」 彼の作品、 他に
アーサー王物語 オンディーヌ クレオパトラ デカメロン トリスタンとイゾルデ ロメオとジュリエットなどがある
不思議な魅力を湛えた 人間的で意味深な 英国の「 物語絵画 」、 病み付きになるファンも多いと思う
そんな特殊な分野の絵画を生み出したのが まさに 英国の文学や戯曲だとしたら、
( ” Ophelia ” John William Waterhouse )
12. その 英国絵画に インスピレーションを与えた もう一方の主役が まさに
人々に 季節ごと 喜びと刺激を与える 美しい植物たちなのではないでしょうか
日本画での 主役・脇役を問わず 植物が果たす役割の大きさを思えば 同じ植物大国のイギリスで
植物たちが どれほど 絵画や挿絵そしてデザインに 大きな影響を与えたか 容易に想像できるかも知れません
美しい ブルーベルが はじけるような喜びを 人々に与える様を見て、 ふと 連想ゲームのように
そんなことを考えた次第でした