« 「アッパー・カナダ村」 フェルメールの絵のように穏やかな・・・ | トップページ | 安曇野 NHK朝ドラ「おひさま」と 男神女神の「道祖神」 »

2012年11月16日 (金)

「アッパー・カナダ・ヴィレッジ」  植民地に逆襲されたイギリスは・・

1783年、 独立戦争を経て  英国から アメリカの独立が叶ったのに、 

英国人であり続けたいと望んだ「 王党派・ロイヤリスト 」が 

アメリカからカナダに 集団で移住した後の生活を再現したのが ここ アッパー・カナダ・ヴィレッジ

                                                             

さて、 北米大陸は そもそも ” 西欧諸国の植民地として ”

西洋史に 本格的に登場してきました

                                                     




01.  例えば 英国のピューリタンたちが  かの有名な ”メイフラワー号 ”で 

マサチューセッツに やって来たのが 1620年、 しかし 実は その十数年前から

フランスとイギリスによる アメリカの植民地化の熾烈な争いが 始まっていました

01

(  セント・ローレンス川から 運河が引かれている  )







02.  まず 先陣を切ったのが(1534年) フランス 

英国に支配権を奪われるまでの100年余、 ミシシッピ川を軸とした ” ニュー・フランス ” は

フランス国王 直轄の植民地として  南部のフロリダ半島まで達し、

  
  

ニューオーリンズに生まれた ”デキシーランド・ジャズ ”も

フランスのリズム ” カドリーユやラグタイム ” をルーツとして 生まれたものなのです

                                                     



一方イギリスは、 フランスに70年ほど遅れたが

東海岸の ニューハンプシャーからジョージアにかけて 13州の植民地を持つに至り、

イギリス流の緩やかな統治の元 貿易を軸とした植民地は それなりに活況を呈していました

02

(  赤が イギリス統治の13植民地  ピンクが フランス領  黄色が スペイン領  )

(  植物染料で染めた 羊毛を紡ぐ娘   )






03.  しかし、1763年  英仏7年戦争で 敗北したフランスは 

北米の仏領植民地を イギリスに 泣く泣く割譲することになる




それから250年、 一たん カナダを手に入れたイギリスは 今も完全には手放していない

イギリス連邦に加盟する独立国家として エリザベス女王が カナダに ”君臨”しており、
 

まさに カナダは ”アメリカ的な国 ”ではなく ” イギリス的な国 ”である 証しです 

03







04.  さて、 アメリカ13州が独立した後、 

なお イギリス側に立っていた「 王党派 Loyalist 」の人々は

13植民地の人口の 3分の1、 125万人に達していました

04

(  かぼちゃを 賽の目に切って、 干しカボチャ  )







05.  彼らは 嫌がらせやリンチを受け、 さらには 家を略奪され 財産を没収され、

命からがら、 あるものはイギリスへ戻り、あるものは国外に逃げたのです



特に、土地の無償供与が約束された カナダへは 約8万人が渡ったとされます

05







06.   王党派を中心とした 前代未聞の大規模な人口移動により、
 


原住民は別として もともと無人に近かった カナダの土地が、  ほとんど一夜にして 

” 白人が住む オンタリオ州 となった ” という訳 ・・・

06

( 有力者の家は 小作農と比べると 豪華な作りでした~







07.  五大湖以北の 「 アッパー・カナダ 」 の町々には  ロンドン、 パース

ケンブリッジ、 リッチモンド、 ストラトフォード、 ヨーク(現トロント) 等々、

直接 イギリスを想起させる 名前が ずらりと並んでいます ~ 

07

(  村では  牛ばかりでなく、 豚くんたちも飼育されておりましたよ  )







08.  さて、 ここ カナダ村の広い園内は 馬車で移動・見物することが出来る

当然、馬たちの ”落し物 ”も !   ご愛嬌ですね ・・


電信・電報などをキャッチする電波塔は 
当時から 新聞記事のネタともなる 貴重な情報獲得手段でした

奥の白い教会は クライスト・チャーチ

08







09.  ところで、 現在の強大なアメリカが 東海岸の わずか13州から出発したとは 正直 驚きですが、 

 

その後、アメリカは  フランス領、スペイン領、メキシコ領を 次々 手に入れ、
 

ついには ゴールドラッシュに沸いた 西海岸のカルフォルニアに 触手を伸ばし、

約70年で 今日の 大きなアメリカの姿に 近づいていきました




しかし 独立して強くなると 今度は 支配者だったイギリスと アッパー・カナダを舞台に 

何度か闘いましたし、 国内でも 南北戦争という試練を くぐり抜けることになります

09

(  ダンス  )  






10.    自分の植民地だったアメリカに 逆襲され、苦しめられることになったイギリスは

自戒も込めて、  その後、アイルランドを含む 英国本国からの移民を奨励し、

カナダを 一層 イギリス色の強い植民地とすることに努めました




もともとイギリスの植民地政策は  そこを ” 治める ” ことではなく、

そこから 本国にとっての生活必需品や 貿易資源を ” かっさらう ” ことでしたから

現地を 本質的に イギリス化する必要はなかったのです



                       



余談ですが、大英帝国が世界中に植民地を持てた一因は 兵隊さんたちが 粗食に慣れていたから、

という説もあります    ましてや 現地にイギリス文化を持ち込もうなどという

アイディアは無かったかもしれません

10

(  パン屋さん、靴屋さん、紡績・フェルト布工場 染めの原料・べにばな  )







11.   しかしながら カナダについては、別でした

かつての アメリカ13植民地のように 急激な民主化が起きないよう 
 



階級制度を設け、 地位や特権に対して 忠誠心を煽り、

” 些細なことから重要なことまで、 英国流の習慣や流儀、原則を教え込むため ”

あらゆる配慮が払われたと言うことです




こうして アッパーカナダは  保守的傾向が強いまま 今日に至っていますが

大都市となると その辺は どうなのでしょうか ・・・ 

11






12   大都市と田舎では きっと大きく異なるに違いありません !

それから カナダで 忘れてならないのが フランス系住民 !


100年以上も フランス人として生活して来たのに、 ある日から イギリスの支配を受け・・・

それでも どっこい、フランス語とフランスの精神を忘れなかった フレンチ・カナディアン、、、



そんな 街と人とを 訪ねてみたいものです

12

(  ダンスがスンダ あと、  薔薇の垣根越しに 彼らは 散っていきました ~ )


♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪:;;;:♪

次回は 仏語圏 、モントリオールへ向かいます

 

« 「アッパー・カナダ村」 フェルメールの絵のように穏やかな・・・ | トップページ | 安曇野 NHK朝ドラ「おひさま」と 男神女神の「道祖神」 »

カナダからの手紙 英国の香り」カテゴリの記事

コメント

カナダは独立しているとはいっても、今でもイギリス連邦加盟国であり、
イギリス連邦王国の一国であるという事のようですね。 
現在に至るまでに、さまざまな歴史があったんですね。 
カナダの歴史に触れた事はありませんでしたが、bella さんの記事で
興味深く見ることができました。

こんばんは (◎´∀`)ノ
カナダには”英語圏”と”フランス語圏”があるのは知っていますが、歴史上複雑なことがあったのですネェ・・・。
『知られざる”世界史”』の授業を受けているようでした。
それにしても今日(こんにち)世界の中心として君臨するアメリカが、かつてはこのような植民地時代があり、支配されていたのですね。
カナダにしてもそうですが、このような歴史上の事実こそもっと知っていなければ!と思います。
今夜たまたま見たTV番組『世界一受けたい授業』で、ぜひ講義して欲しい内容です (^o^)/!

アッパーカナダ村の色々の写真と、bellaさんの巧みな文章を拝見し
歴史に疎い小生、知らなかったアメリカやカナダの歴史を知る事ができ
感謝しています。
それにしてもbellaさんの広い分野での造詣の深さには驚き尊敬しています。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

« 「アッパー・カナダ村」 フェルメールの絵のように穏やかな・・・ | トップページ | 安曇野 NHK朝ドラ「おひさま」と 男神女神の「道祖神」 »

2022年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

カテゴリー

リンク先

フォト
無料ブログはココログ

最近のトラックバック

ココログフレンド