北イタリア、 ” 岩の王国 ” と呼ばれる ドロミテ・アルプスに、
” 三姉妹 ”との異名を持つ 三つの岩峰 (2973m 3001m 2857m)がそびえている
「 トレ・チーメ・ディ・ラヴァレード Tre Cime di Lavaredo 」
天を突く垂直の絶壁が並ぶ 荒涼とした風景ですが、
見る方向によって ” 姉妹の ” 数や形が 違って見えるのが面白い

01. カテリーナ湖 Lago Caterinaに面する 保養地 アウロンツォ Auronzoの
北西 約18km 奥に、 「 トレ・チーメ 」が そびえている

( 右・奥の 雲に隠れた 三つの峰 : トレ・チーメからも この湖が確認できます )
02. こちらも 保養地 ミズリーナ湖 Lago Misurina、
湖の北東方向、 唐松林の背後に、 「 トレ・チーメ 」が 二つの峰となって 鎮座ましている

03. 車で かなりの標高を稼げるので、その 「 トレ・チーメ 」に行ってみることに~
ラヴァレード谷に そのまま転げ落ちそうな トレ・チーメの急斜面、 そこに
くねくねと水平に続く トレッキングコースがある

04. 所どころ 可愛い高山植物が咲いているが 剥き出しの岩肌は 近づき難い仙人のよう
ドロミテ地域は 第一次世界大戦までは オーストリア領だったため
ドイツ語が話され 文化・建築でも ’ゲルマン’と’ラテン’が せめぎ合っていて
「 トレ・チーメ 」も 「 ドライ・チンネン Drei Cinnen 」と 地図に出ることがある

05. ドロミテ・アルプスを形作る 石灰質の岩石を「 ドロマイト Dolomite」と呼ぶが
これは 18世紀にこの地質を研究した フランス人地質学者 ドロミュー Dolomieuに由来すると言う
石灰質の岩から湧き出る ヨーロッパの水が いかに”硬質”であるか 容易に想像されますね

( 左側の峰 2つ合わせて オッチデンターレ Occidentale 2973m
右端が グランデ Grande 2999m)
06. 谷を挟んだ 対岸の風景も秀逸 !
ギザギザの峰が印象的な サン・ルカーノ山峰 Cima di San Lucano 2839m

07. ”三姉妹”の 一番小さい妹( ピッコラ Piccola2857m )は、
さらに 三つの峰から構成されている
山というのは 方角によっても、 遠近によっても、 随分と見え方が違うものです !

08. 4~5時間で トレ・チーメをぐるっと一周するコースの 約5分の1来たところで
個性的な山塊と ラヴァレード小屋 Rifugio Lavaredo 2390m を見つけ、
残念ながら このあたりで 引き返すことに・・

09. この一周コースには 日本からも たくさんのトレッキングツアーが来ている
トレッキングコースの説明には ”easy”と 出ていて、
実際 大勢の 女性や子供たちと すれ違いました
でも 一周するには それなりの覚悟と装備が重要なのは 言うまでもありませんね

10. さて 次は ドロミテ・アルプス観光ルートの東の拠点、
「 コルチナ・ダンベッツォ Cortina D’Ampezzo 」
町に着いて とりあえず、フニクラの駅はどこか、と 何人かに尋ねたが なかなか埒が明かない
なんとロープウエイは 「 フュニヴィア Funivia 」と発音しないと 通じないのだ!
” フニクラ ”が 正式なイタリア語でないなんて 思いもよらなかった~ 
因みに ” 登山電車が出来たから~ 誰でも登れる~~ ” で有名な
あの ヴェスヴィアス火山の登山電車は 線路を走る 「 フュニコラーレ Funicolare 」
歌詞にある ” フニクリ・フニクラ フニクリ・フニクラ~~
” は
”ガッタン ゴットン フュニコラーレに乗りましょう ”って 調子のよい 語呂合わせ ?!

( ヴェスヴィオ鉄道は 当初 こんなに急坂で、 危なっかしく、 人々に敬遠された
だから 人寄せコマーシャルソングが 必要だったらしい・・)
11. トンディ・ディ・ファローリア Tondi di Faloria 2327mから
コルチナ・ダンベッツォを 見下ろす
初代アルペンスキー3冠王に輝いた トニーザイラーが活躍した 1956年の 冬季オリンピックは
この町で開催されたが、 なんとも静かで 小さい町
最近の大規模オリンピックでは とても引き受けられないに違いない・・・
しかし 自然破壊を忌避する原点回帰というコンセプトなら かえって 開催の意味があるかも・・・

12. さて いよいよ イタリア・アルプスに 別れを告げ、次はヴェニス方面に南下する
途中 丸太を満載したトラックや 材木の製材所を 多数見かけた
さらに南下すると 稲作の水田地帯もあった イタリアは本当に個性豊かな国だ

ここは 「 ピエーヴェ ディ カードレ Pieve di Cadre 」
画家 ティツィアーノが 生まれ育った町 
ホテルでは 運よく 一番見晴らしの良い角部屋に通された

地図で、 この「 カードレ湖 」から 真っ直ぐ南に 線を下ろすと ヴェニスに行き当たる
無数の丸太を 杭として打ち込み、 海を埋め立てて出来上がった町、ヴェニス
” ヴェニスの島々を 真っ逆さまに ひっくり返してみたら 林になる ”と言われるが
その木材は このあたりから せっせと運ばれたのかも知れない、 などと想像しながら
湖の霧が晴れるのを 暫し 見入った朝でした・・・・・
