スイスアルプス秘境の氷河巡り 峠は右回り?左回り?
スイスの山と言えば まず 「 ユングフラウ Jungfrau 4158m 」観光が 一番人気ですが
その すぐ東側にある山塊群 「トロア コル Trois Cols」は 訪れる人も少なく、
間違いなく ” 秘境 ” と言えるでしょう
7月、私たちが 出かける一週間前にも 雪が降ったので、
タイヤが滑らないか、 激しい高低差の峠を 無事越えられるか 心配したものです・・
01. 「 トロア コル 」( 英語では Three Passes)は ほぼ 五角形の 周遊コース、
「スステン Susten」,「グリムゼル Grimsel」,「フルカ Furka」という 三つの峠が立ちはだかり
欧州の大河の源流となる 幾つかの 見事な氷河が 観光の目玉となっている
( スステン峠から見える フュンフフィンガーシュトック 3023m ’五本指の山’の意 )
02. まずは 基点として、
ライン川の源流が 近くにある 「 アンデルマット Andermatt 」に宿を取りました
( 有名な ドイツのライン川は スイスから始まっています! )
「夕食は ちゃんとしたレストラン席、 地元の人たちが飲みに来るバー、どちらにでもお運びしますよ 」
と言うので、 迷わず バーを選んだ
忠犬をはべらせて、カードに興じるお兄さんたち・・ 手の内を見せてくれましたが 意味不明!!
03. 「トロア コル」の ぐるりと一周コース、 右回りと左回り、助手席のカメラマンにとって
ウエートレスはコックに聞き、コックはフロントに聞き、フロントはオーナーに聞き・・・・・
教えてもらった、”左回りがいいでしょう” という答えは 結局は ”ちょいハズレでしたが~!! ”
地元の人とは そういうものでしょう~ 右と、左、 どちらがより美しいかなんて、
生まれてその方 考えたことがなかったに違いない
04. ウエートレスが持ってきてくれた花、 「 アルペンローズ 」
シャクナゲのように見えますね
( 「トロア・コル」周遊コースは ユングフラウの東側 )
05. まず、 13Cから 人々の往来があった ゴッダルド街道 Gothardを 北上すると、
シェーレネン渓谷 Schollenen に 架かる
「 トイフェルスブリュッケ Teufelsbrucke 1830年 」 がありました
別名 「悪魔の橋」、 その名の由来は、 難工事が続いていたが、
最初にそれを渡るものの魂を 悪魔に捧げるという条件で( 実際は 雄羊を生贄としたが )
どうにか 工事が成就したからだと言われています
06. 見るからに 滑りやすそうな 河床と岸壁 、、、
ロッククライマー達、 「 岩がそこにあるから、登る 」 のでしょう~
07. あっ 事故です!
爆音を立てながら あとからあとから 車を追い越して行く オートバイのツーリング族、
ハラハラしていましたが 案の定・・・
オートバイから投げ出され 前方で 横たわる男性に 若い女性が寄り添っていました
( 間近でカメラを向けたりしない エチケットは 心得ています ・・ )
08. ところで、今回の「三つの峠」とは別に、ヨーロッパの北と南を結ぶ 歴史的な峠が幾つかある
イタリアのまばゆい光と 高度な学術・芸術に憧れて、 ゲーテやモーツアルトが
ドイツやオーストリアから イタリアへ向け 越えて行ったのが、有名な「ブレンナー峠 Brenner・pass」
ナポレオンが イタリア征服の折、 大軍勢が通れるよう改修した スイスの峠が、「シンプロン峠 Simplon pass」
そして今回私たちが拠点とした 古くからの宿場町 アンデルマットを経由して
ドイツからイタリアへ スイスを南北に貫く峠が 「 サン・ゴッタルド峠 Passo del San Gottardo 」
現在でも ”氷河特急 ”の駅があるので アンデルマットは 多くの日本人が 訪れていると思う
( 斜面から 幾筋もの清流が 流れ下る )
09. いよいよ 第一の峠 「 スステン・パス 2224m 」に 差しかかる頃、、、
ブ~~ン ブ~~ンと 大音響を轟かせながら、 車体を斜めに倒して
急カーブを アクロバティックにツーリングする オートバイの大軍団が 一休みしていました
ちなみに、 彼らには 不思議と ” 無法の輩 ” という印象はない
それは 恐らく 彼らの平均年齢の高さから来るもの かも知れません
ヘルメットを脱ぐと 白髪混じりの ナイスミドルの笑顔がはじけることも多くて・・・
10. いよいよ 「 スステン峠 」付近、
「 スタイングレッチャー氷河 Steingletscher 」が 姿を現しました!
氷河の左側には スステンホルン峰 3503m 右側には ヴァッハホルン峰 3425mが控えている
11. 氷河の上を歩く けし粒のような 人影が 見えますか~
12. 60年前は 氷河湖 (スタイン・ゼー)まで 氷の帯が 伸びていたのですね
フランス スイス イタリアにまたがる 高い 高い壁、 「 アルプス 」は
人間にとっては 相当な障害物ではあったでしょうが
アルプスの氷河から滴り落ちる 一滴一滴の水が 小川となり やがて大河となり
人々の暮らしを 潤しても来た訳です
アルプス 秘境の周遊コース 残りの半分も 事故を起こさず、 この目でしっかり見届けようと
青い氷河を仰ぎながら 気を引き締めた次第でした !
次回は ローヌ川の源流、「 ローングレッチャー氷河 」などを訪れます
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コメント
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今回も、すばらしいアルプスの絶景ですね。
日本では見られないスケールの違いを感じます。
しばし、暑さを忘れて、見入っていました。
それにしても、地球規模で温暖化は広がっているのか
やはり、氷河は減少しているんでしょうかね (-_-;)
投稿: たかchan | 2012年8月16日 (木) 23時39分
こんばんは (◎´∀`)ノ
さすが!bellaさん!
旅行会社が主催するツアーでは決して訪れることがないようなところ、個人旅行でなければよほど訪れることがないような穴場を紹介して下さって、いつも嬉しく楽しく、訪問するたびに「オォーッ!」と思いながら拝見しています。
そしてそれぞれの地名も、フランス語やイタリア語、ドイツ語もあるようでとても興味深いです。
ユングフラウ(Yungfrau)はドイツ語のはずですが、”Yung”ではなく”Jung”が正しいと思います。
(出過ぎたことを言いまして、申し訳ありません)
それにしてもスイスへは一度だけ、しかも有名観光地のグリンデルワルトとツェルマットしか訪れていない私にとっては、とても楽しい旅を疑似体験させていただきました。ありがとうございました。
投稿: 慕辺未行 | 2012年8月17日 (金) 00時39分
コメントありがとうございました~ スイスは ドイツ語・フランス語・イタリア語が
入り乱れていて、 そこに ネット社会では 英語が幅を利かせているので、
特に読み方には いつも気をつかっています
日本の旅行情報に合わせた方がいいのかしら・・・とか、、、
でも、 やはり原語に忠実な方がいいですね!
アドバイスありがとうございました~!
投稿: bella | 2012年8月17日 (金) 10時38分
お早うございます。
スイスの雪景色はとても綺麗ですね。
bellaさんの素晴らしい案内で現場にいる気分になりました。
バイクの旅はスリルがあるでしょうね。
カーブが多いのでバイクが近づいてくると厄介でしょうね。
スイスへ行ったのは出張でチューリッヒの山奥でした。
チューリッヒ湖と路面電車を思い出しました。
投稿: Golfun | 2012年8月17日 (金) 10時45分
Trois Cols さしずめアルプス版 三つ峠、あは、スケールが違いすぎますか。
猛暑の東京で氷河の空気のお裾分けを頂戴しました。
「ハーレーおじさん」はヨーロッパも同じ、と微笑ましく拝見。経済的にも落ち着いて、若い日の憧れの大型バイクによるツーリング(!)。
あちらもハーレーが多いのかどうかは判りませんが、ホンダでもスズキでも、BMWでも、いいのでしょうね。
「おじさん」たちが群れていらっしゃるのが、また、こちらも同じ。(笑)
投稿: kurakame | 2012年8月17日 (金) 14時35分
こんにちは!残暑厳しいですね~。
涼しげなスイスアルプスの山々、この時期歩きたくなります。
スイスの西はフランス南はイタリアに接しフランス語圏・イタリア語圏、北はドイツに近くドイツ語圏
どちらでも通用する国、スイスの公用語は・・・・??。
平和国家というものの過去の歴史は大国に揉まれたのでしょうね。
投稿: minoji | 2012年8月17日 (金) 14時59分
憧れのスイスの山々。そして行く事が出来なった場所。そんなスイスの山々のbellaさんの素晴らしい写真に見惚れました。有難うございます。そして氷河が見えるところに車でいけたとは何とも羨ましい事ですね。
投稿: ktemple | 2012年8月17日 (金) 19時39分
bellaお姉さま、こんにちは~
って随分長らくご無沙汰していてすみません
時折、主人のパソコンから覗かせて頂いておりました
素晴らしい景観をありがとうございます
地元の方がどちらの回り方が美しいか
大騒ぎでいらしたところが笑いましたよ
こちらは災難続きでございまして~(泣)
お姉さまのブログに心癒して頂いております
まるで別世界ですものね~♬
投稿: kanarin♪ | 2012年8月20日 (月) 15時23分