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2012年2月 1日 (水)

シスレーの風景画を育んだ町 静かなるモレシュルロワン


今回は <<風景画家 シスレー A.Sisley>> の町、

 

パリの南東、約60km      モレ シュル ロワン Moret sur Loingを訪ねます

 

                                                         


01.           シスレーって どんな絵を描いた人?

 

まず挙げられるのが セーヌ川の氾濫を描いた シスレーの 不朽の名作、 「ポール マルリーの洪水」

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02.         それから、 「サン マメ 6月の朝」

 

シスレーの こうした 気負いのない 穏やかな風景画、 日本でもファンが多いようです~

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03.      さて、まずは 城門から モレの旧市内に入ります

 

シスレー(1839~1899)は 英国や パリ近郊で暮らした後 

1880年から 人生の後半の20年を     ここモレと その付近で過ごしました

03








04.      彼の油彩画の半分、480枚が   この地域で描かれたと言うことですから

 

この町が 如何に豊かな芸術的インスピレーションを  シスレーに与えたか 想像に難くないところです

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( セーヌの支流、ロワン川 La Loing )

 

 

 

05.        中世の ギルドホール

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06. 洗濯女たちの川岸 Quai des laveuses

 

昔は 洗濯女たちが 手押し車に洗濯物を乗せて   この岸辺にやって来ました

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07.      「 モレのプロヴァンシェの製粉所  」

 

ここは  06と 同じ場所ですが、 様子が少し違います 

第二次世界大戦のさ中、ドイツ軍に   この製粉所や木橋は 破壊されてしまったのです

07

ところで、 右手に チラッと 添え物のように描かれている ” お喋りしながら洗濯する女性たち ” 

なんて、他の画家であったら  恰好の画題になったでしょうに、 

 

シスレーは 人物は 風景の一部に配置するだけで、 極力 ” 風景の主役は風景 ” という考えに徹しました

 

同じ田園生活を描いた ” ピサロ ” の画面から  人間臭さが滲み出るのとは 対照的だと 言われています

 

                       




08.      「 モレの教会 ー 凍てつく天候 」

 

シスレーの ノートルダム教会 Eglise Notre Dameの連作は 14作品あります 

丁度同じころ モネも 「 ルアン大聖堂の連作 」を 描いていますが、

 

モネの作品が モダンアートを招来するような野心作として 世間で 圧倒的な評判を得たのに対して、 

内気で控えめなシスレーの作品は その陰に隠れた感がありました

08

実際  シスレーは ルアンに行って モネが聖堂を描いた場所を見ていますし、 

対抗意識がなかった訳でもないようです

 

しかし、それでも彼は むしろ 自分らしい、  散文的詩情の漂う 内的表現法に こだわり続けたのです

 

                          



09.     教会の隣にある  「 大麦糖記念館  Musee du Sucre d’Orge 」

 

モレの修道女たちが 1638年から ここで  シュックルドルジュ ( 大麦糖 Sucre d’Orge )、 

大麦の煮汁に砂糖を混ぜ  煮詰めた棒状の菓子、 を 作っていました

09b_3







10.     ここが 「 シスレーの家 」
 

シスレーは 1899年1月、  この家で ’ 咽頭がん ’ のため亡くなりました 

 

実は 彼の妻ウジェニーも その3か月前、 1898年10月に ’ 舌がん ’のため亡くなっています

10_2

当時は 戸籍と言うものに 差程こだわらなかったのか 

30年も連れ添ったウジェニーと 死の約2か月前、  やっと正式に結婚し
 

妻が亡くなるまで 献身的に看病したと言うことです

 

                            

 

その後、 彼の健康も急速に衰え、首を回すことすら困難となり  絵筆も取れなくなりました、、、    

その時、  彼は モネを呼び、子供の面倒をみてくれないかと 頼んだのです

 

( 以前、 私の モネに関する記事でも 触れましたが、 )

妻の多くの連れ子たちと 大らかに暮らしたモネのことですから

 

この寡黙な画家の 二人の子供たちの行く末にも きっと なにくれと気を配ったのではないでしょうか ・・・

                             

次回も  「 シスレーの モレシュルロワン 」    後半の記事がつづきます

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シスレー と ミレー」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。  シスレーいいですね。  絵の中に川があり景色が映りこむような構図から、やはり光を意識して描いた事を感じます。  特に 07. の作品は明るくきれいな色彩に好感が持てます。 現在の街の様子も静かで落ち着いた雰囲気がしますね。 
先日、一緒に活動している絵の仲間に bella さんのブログを紹介したところ、「文章は
ポイントをしっかり捕えているし、写真も大変すばらしい、驚くばかり、信じがたい、このテクニックはプロの仕事だね。」 と、返信してきましたよ !(^^)! 次回も楽しみです。

こんにちは。
シスレーの風景画って見ていてなんとなく落ち着きます。
「ポール マルリの洪水」は昨年オルセー美術館(?)で観たような・・・
(シスレーの風景画も観てきました^^;)
ヨーロッパの街並みは、ただの川でも小路でも「絵」になる風景ばかりですね。
モネとの話は素敵です。。。子供を預けるということは、
信頼していないとできないことですよね

Bellaさんの豊かな感性で撮られたモレの建物や風景が素敵です。
いかにも物静かな町という感じで、シスレーのやはり物静かな感じがする絵との共通点を感じます。
上の二つの絵は実物を見ていますが、シスレーの描いた聖堂は初めて拝見しました。
確かにモネの聖堂とは違いますね。こういう絵を散文的詩情の漂う絵というのですね。
ボケ爺さんには散文的詩情とはどいうものか、もう少し説明をして頂かないと理解し難いのですが?。
そして彼のひっそりとした絵のように、淋しい最後を迎えたとは気の毒です。

今晩はぁ~ ♪
御無沙汰で~~~す
相変わらず素晴らしい記事を、お書きですね!

シスレーの風景画、とても気に入りましたよ~
人物画は、書かなかったのでしょうか? 

今晩は!
2枚目の絵作者を間違って記憶していることが分かりました。てっきり同じ印象派?モネの作品と思い込んでいました。温かみの感じる色遣いの風景画、好きな一枚です。
シスレーは裕福だったのでしょうか?立派な豪邸ですね。
続編楽しみにしています。

Ktempleさま  いつもお寄りいただきありがとうございます!

「散文」と「詩情」は ある意味相反する概念かもしれませんね
韻を無視しだり、定型にこだわらない文章を「散文」と言うなら、

絵画の世界でも、色彩分割の理論とか、セザンヌの画面構成や
キュービズムなどの うるさい理屈を 持ち込まず
自由にあるがままに 絵筆を進める”脱力系の自然な筆致”

その散文的手法が かえって詩情を高めている、ってな解釈です~
かえって ますますわかりづらいかも・・・  申し訳ありません!!

こんばんは ヽ(´▽`)/
シスレー・・・...(。_。) 、すみません・・・初めて聞く名前の方です (^_^;;ハズイ!
芸術に疎いと言いましょうか、芸術を見る目も自分自身、芸術のセンスもないもので・・・(笑)
ヨーロッパの風景っていいですね (^_^)!落ち着いた感じの中にも、おしゃれな雰囲気もあって!
「こんな家に住みたい」とか「こんな街で暮らしてみたい」って思うような街がたくさんです。
城壁の門・塔も歴史を感じますし、ギルドホールは思わず足を止めてしまいそうです。
頭の中で今、ローテンブルクの街の景色がぐるぐる甦って来ています。

お早うございます。
落ち着いた雰囲気の所ですね。
シスレーの絵画を見た記憶はありませんが素晴らしい田園風景を描いていますね。
bellaさんも良い所を旅してきましたね。
私の旅した島国とヨーロッパ大陸とは大きな違いを感じます。

こんにちは  いつもいつも素晴らしい絵画や風景 それにまつわる解説 すごいですネ
 
 私は絵画のことはまるっきり分かりません。 見ていて感激感動は覚えますがただそれだけの ことしかわかりません。 画家の名前であったり 出身地 など・・・またこれからも楽しみに 拝見したいと思います。 よろしくお願します。

京都こまちさま

こんにちは~ 私も絵は 好きか嫌いかとか、綺麗か汚いか?!
で 感じるだけですよ~   こまちさん、コメントありがとうございます!

bellaお姉さま、おはようございます
寒さが少し緩んだ朝を迎えておりますkanarinです
ここ数日、寝違えて首の筋が痛く~
なかなかパソコンを触れずにおりますの
シスレー・・・初めてお聞きします画家ですわ
風景に拘る描き方をされたのですね
私もそろそろ風景に拘る写真が撮りたいところですので
参考になります
お姉さまのブログの構成・・・番号が打たれているからブログと言いますよりは
どこか大学のレポートのように感じます
お姉さまは相当勉強されたのでしょうね

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